夏こそケータイの季節!! 各社の注目夏モデル

特集

2007/07/09 00:00

 夏休みに入ると、レジャーや帰省であちこち出かける機会も多くなる。出先から用件を伝えたり、待ち合わせの連絡を取り合ったり、天気や交通機関の運行状況を確認したりと、携帯電話が大活躍するシーズンだ(と、某CMで激イメチェンした仲間さんも言っていた)。ナンバーポータビリティで他社への乗り換えの敷居が低くなったとはいえ、夏モデルだけでも各社合わせると30機種を超えてしまうので、どれを選べばいいのかほんとうに迷ってしまう。そこで、各社夏モデルの中から、とくに注目の機種を電話会社ごとにあげてみよう。

トレンドは、ワンセグ・高速データ通信・国際ローミング


 高速大容量なパケット通信や、インターネットとつなげてさまざまなコンテンツが利用できる3G携帯の普及で、携帯電話はますます多機能になってきた。すでに、「着うた」やGPS機能、フルブラウザ、「おサイフケータイ」は当たり前で、夏モデル以降は、ワンセグ、高速データ通信、海外でも普通に携帯電話がかけられる国際ローミング機能の標準搭載が3G携帯のトレンドということになりそうだ。


 さらにどの携帯電話会社も、機能の差別化だけでなく、端末のデザインや素材に工夫を凝らしたり、新機種でしか利用できないサービスを打ち出したりして、自社なりの魅力をアピールしている。より格安に利用できる新しい料金体系や割引制度を打ち出す動きも出てきている。



NTTドコモ


 NTTドコモの3G携帯電話「FOMA」には、大きく分けて70Xシリーズと90Xシリーズという2つの系統がある。70Xのシリーズは、機能を絞り込む代わりに、デザインや色遣いもポップな若者向けで、新規契約・機種変更の価格も抑えてある。一方、90Xのシリーズは、多機能で先進の技術を注ぎ込んだ、NTTドコモの“顔”ともいうべき携帯電話だ。今回、夏モデルとして投入されたのは、90Xシリーズのほうの最新機種「904i」だ。


 これまでは、「902i」→「902is」→「903i」といった具合に、「s」が付く機種が途中で投入されていたのだが、「903i」→「904i」と夏モデルは一気に数字が増えた。また、ワンセグ対応機には「TV」と付いていたが、「904i」シリーズからはそれもなくなった。それだけ、「DoCoMo 2.0」で変わったことを印象づけたいのだろう。


 その「904i」シリーズで、注目したいサービスは3つある。1台の携帯電話で、2つの電話番号とメールアドレスの使い分けが、月々手ごろな価格できる「2in1」。定額料金で、好きなだけ音楽がダウンロードできる「うた・ホーダイ」。本体に組み込まれたセンサーの働きで、携帯電話を傾けたり、カメラに写りながら体を動かしたりすることで、ゲームを楽しんだり、電話やメールの機能を操作できる「直感ゲーム」がそれである。


 なお、全5機種が発売された「904i」シリーズの中で、ワンセグ放送がみられるの1機種だけにとどまっている。NTTドコモでは、次の冬モデルで投入する予定の「905i」シリーズでは、全機種にワンセグ・GPS・高速データ通信の機能を搭載する計画だ。なお、70Xのシリーズの最新機種「704i」は、7月中旬以降順次発売される。70Xシリーズで初めてワンセグやHSDPAに対応した端末を投入する。


●FOMA D904i

端末を振ったり、傾けたりすることで、「直感ゲーム」はもちろん、さまざまな機能を利用できる「モーションコントロール」を搭載している。例えば、メール着信時に端末を振ると、受信したメールの本文を表示させたりできる。スライド式のボディは、二つ折りタイプと違って常に画面が見えているので、素早く画面確認ができることから根強い人気がある。(ワンセグ、高速データ通信には非対応)


●FOMA F904i

904iシリーズで唯一のワンセグ対応。画面は、ワンセグ対応携帯電話としては最大の3.1インチで、16:9のフルワイドQVGA液晶を採用している。その画面を左右にスイングさせて、ワンセグやカメラなど指定した機能を即座に起動できる「ヨコモーション」を搭載している。(直感ゲーム、高速データ通信には非対応)


●FOMA N904i

904iシリーズで唯一、「FOMAハイスピード」に対応。下り最大3.6Mbpsでの高速パケット通信が可能となっている。動画や音楽のダウンロードが高速・快適に行える。ヤマハが開発したAudioEngineを搭載して、パワフルかつクリアな高品位のサウンドを再生する。端末デザインには、ALESSIなどを手がけるイタリアのデザイナー、ステファノ・ジョバンノーニ氏を起用。待ち受け画面のデザインも含めて、ポップな仕上がりになっている。


 

au


 夏モデルで一気に15機種を投入したau。防水機能を備えた機種や、デジカメのスペックを追求した機種、ミュージックプレーヤーとしての使い勝手を高めた機種など、それぞれ際立った特徴をもつ機種が揃っている。15機種のうち、8機種がワンセグ対応と、ワンセグ対応機が充実しているのもauの携帯電話の特徴だ。

 そのほか、1曲まるごとミュージックビデオがダウンロードできる「LISMO!」のビデオクリップや、最新楽曲が1曲まるごとダウンロードできる「着うたフル」など、音楽機能も、他社に先駆けて充実を図っている。GPS関連でも、レストランや映画館など目的のスポットを地図上に表示する「EZガイドマップ」、自分がいま歩いている場所が地図上にリアルタイムで表示される「EZナビウォーク」、携帯版カーナビの「EZ助手席ナビ」など、他社にないサービスを展開している。

 電話機本体の機能・デザインも多彩だが、それ以上に、3G携帯で利用できる各種サービス、エンターテインメントが充実しているのがauの大きな魅力だ。他社も同様のサービス展開を図っているが、月額1000円から利用可能なパケット通信料定額サービス「ダブル定額ライト」や、基本使用料が最大半額になる割引制度など、料金体系と結びついたコンテンツの利用しやすさもauの特色。


●W53SA

水深1mに電話機本体を約30分間沈めても、内部に水が浸入しない防水機能を備える。女性のハンドバッグで使われるマトラッセのような、柔らかさ・やさしさ・心地よさを表現した薄さ約20mmmのフォルムで、女性ユーザーを強く意識したデザイン&カラーリングになっている。ワンセグ、「LISMO!」対応で、GPS機能も搭載。


●EXILIMケータイ W53CA

カシオの人気コンパクトデジカメ「EXILIM」の技術を採用した画像エンジンを搭載。携帯電話としては最大画素数となる5.1MBのカメラを備える。広角28mmでの撮影や、縦・横・前後・回転による手ブレを補正する「6軸手ブレ補正機能」など、デジタルカメラとしても充実した機能を誇る。「LISMO!」対応、GPS機能も搭載。(ワンセグは非対応)


●ウォークマンケータイ W52S

ソニーのウォークマンで使われているクリアオーディオテクノロジーを採用。大口径ステレオサラウンドスピーカーを搭載して、これまでにない高音質を実現した。電話機本体に大容量約2GBのメモリを内蔵して、「LISMO!」からダウンロードした楽曲を、最大110時間再生できるスタミナ設計。幅広い音域・音量に対応できるインナーイヤー型高音質ステレオイヤホンが標準でついている。また、液晶には、ソニー「BRAVIA」の高画質技術を採用している。(ワンセグは非対応)


●W54T

本体前面とキー部分にステンレス素材を採用した、高品位なコンパクトスライドボディ。ワンセグ、au携帯電話でのみ楽しめる新放送サービス「デジタルラジオ」、「LISMO!」に対応し、Bluetooth通信機能、GPS機能などを搭載する。現在auで利用できる機能・サービスのすべてに対応した「全部入り」携帯電話である。3インチワイドの画面表示には、東芝が「Qosmio」「REGZA」などで培った映像技術を採用し、クリアでなめらか、かつ緻密で鮮やかな高画質を実現している。


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ソフトバンクモバイル


 夏モデルで計13機種をラインアップしたソフトバンクモバイル。機能やサービスもさることながら、電話機本体の「個性」を前面に打ち出しているのが特徴だ。とにかく自分なりのスタイルを主張できる携帯電話をズラリと揃えている。

 例えば、20色のカラーバリエーションを展開するタイプや、スライドボディで、すべてのキーを下層に配置して全面液晶画面としたタイプ、薄さ13.5mm、重さ102gと軽量・スリムでありながら、ワンセグ、3Gハイスピードに対応したタイプなど、他社にはない個性的な携帯電話をラインアップする。


 また、料金面でも、ソフトバンク同士の家族間の国内通話が24時間無料になる「ホワイト家族24」を新たに設定。リーズナブルな使いやすさをアピールして、ユーザー数のさらなるアップを図っている。


●810P

スライドボディで薄さ12.9mmを実現した、新スライド構造「フラットスライド」が最大の特徴。全7色を揃え、国際ローミングや「着うたフル」に対応する、


●FULLFACE 913SH

従来のスライドボディでは、ダイヤルボタンを除く基本操作キーは液晶画面側にあった。それをダイヤルボタン側に配置することで、一見すると、全面液晶画面に見えるようなフルフェイス&フルスライダーデザインを採用している。しかも、本体をスライドさせずに操作ができるセンサーキーを搭載して、デザインと操作性の両立を図った。カラーバリエーションは全8色。ワンセグ、3Gハイスピードに対応する。


●805SC

薄さ約13.5mm、重量約101gの軽量スリムなスライドボディで、ワンセグ、3Gハイスピードに対応。世界最薄のワンセグ携帯である。また、Bluetooth通信機能も搭載で、別売のBluetooth対応ヘッドフォンを利用すれば、ワイヤレスで「着うたフル」などの音楽が楽しめる。さらにユニークなのは、表示言語を日本語・英語・韓国語の3つから選択できる「トライリンガル」機能を搭載している点。カラーバリエーションは全4色。


●X01HT

国内では初めてWindows Mobile 6 Professional Editionを搭載する東芝製のスマートフォン。3Gハイスピードと無線LAN(IEEE802.11b/g準拠)の両方が利用できるので、自宅でも外出先でも、高速でインターネットに接続できる。Bluetooth通信機能も搭載しており、Bluetooth対応のPCとの間で、データリンクはもちろん、さまざまな操作が可能。タッチパネル液晶に加え、PCと同じQWERTY配列のフルキーボードを搭載しているので、文字入力もスムーズに行える。

 

ウィルコム


 PHSで独自の展開を見せるウィルコム。音楽ダウンロード、GPS、国際ローミングといった3G携帯向けサービスは利用できないし、ワンセグ視聴も一部機種にオプションで設定するなど、3G携帯と比較すると使える機能・サービスには限りがある。


 ただ、音声端末では、ウィルコムどうしの通話と、ウィルコムのサーバー経由のメールはすべて使い放題となる定額プランを用意。PCからのネット接続に利用するデータカードでは、高速パケット通信が使い放題となる「AIR-EDGE」など、月々定額で使い放題という料金プランが大きな魅力となっている。


 そのため、携帯電話でPCと同じWebサイトを見たい、モバイル環境で通信料を気にせずにPCを使いたい、といったユーザーからの支持が厚いのがウィルコムの特色だ。また、こうした料金体系を生かして、スマートフォンでも人気を集めている。


 シャープが端末を供給する「W-ZERO」シリーズは、PHSで電話、パケット通信で外出先からネット接続、さらに無線LAN機能で高速大容量のネット接続と3つの通信手段を備え、ビジネスユーザーを中心に、大ヒット商品となった。


 夏モデルでは、その「W-ZERO」シリーズに新製品を投入するほか、東芝製の音声端末「WX320T」を新発売、また、京セラ製の音声端末「WX320K」に新色を追加した。


●Advanced/W-ZERO3[es]

「W-ZERO」シリーズの新製品。従来シリーズよりもパフォーマンスが向上し、デザインはより携帯電話らしくスマートかつシャープになった。OSには、Windows Mobile 6 Classic日本語版を新たに採用、液晶画面は3インチVGAに拡大されている。タッチパネル式の画面、PCと同じQWERTY配列のキーボードに加え、画面のスクロールやカーソルの移動には、直感的な操作が可能なスクロールホイール「Xcrawl」が搭載されているのも本機の大きな特徴だ。