目的に合わせて最適なプリンタを選ぼう プリンタの種類と特徴

特集

2007/07/09 00:00

 デジタルカメラで撮った写真やPCで作成したファイルを、紙に印刷して残しておきたい、友人に配りたいという場合にはプリンタが必要だ。プリンタとひと口に言っても、印刷方式や画質にはいろんな種類がある。用途に合った最適のプリンタを選ぶためのポイントは?

=本記事は2007年7月時点の内容です。最新の内容の記事はこちら

大きく分けて3種類のタイプがある

 量販店の店頭に行くと、インクジェットやレーザーなど、プリンタにもいろいろな種類があることがわかる。それぞれ特徴があり、本来であれば目的によって使い分けたいところだが、家庭で複数のプリンタを持つ必要もないし、購入コストもかさむ。自分のメイン用途に合わせて、最適なプリンタを購入したい。ポイントになるのは、印刷方式とランニングコストだ。

 家庭用としてもっとも普及している印刷方式は、インクジェット方式だ。次いでサーマル方式だが、サーマルはその仕組みから、大きな用紙の印刷は不向きなので、写真のL版程度までのフォトプリンタに多い。PCを持っていなければ、本体がコンパクトでデジカメ写真を手軽に印刷できる、サーマル方式のプリンタもおすすめだ。


 ランニングコストは、インクジェットに軍配があがる。サーマルは専用用紙が多くコストも高い。レーザーの場合には、1枚あたりのコストはそれほどでもないが、トナーやドラム代がまとまってかかる。インクジェットの場合は、平均的な使い方であればコストは確かに安い。しかし、カラーの印刷画質に優れた6色や7色インクのモデルだと、全色のインクを入れ替えるだけで1万円くらいになってしまうものもある。また、消耗も早いので常にストックを用意しておくことも必要だ。どこまで画質にこだわるかによって、コストは結構変わってくるということを頭に入れておこう。


手軽に高画質なら「インクジェットプリンタ」

 家庭用のプリンタとして、現在、もっともよく利用されているのがインクジェット方式のプリンタだ。価格が手頃で、4色から10色インクで高品質な印刷ができる。家庭での利用を考慮して、電力消費や騒音レベルも抑えられている。デジカメのメモリカードからの直接印刷や、CD-Rなどのレーベル印刷もできるため人気がある。さらにスキャナやコピー機能、さらにFAX送信など、複合機として多彩な機能を持っているモデルが多い。高機能でありながら、価格が手頃ということも人気の大きな理由だ。


 インクジェットの場合、インクの種類には染料インクと顔料インクがある。染料インクは水に弱いが低価格だ。それに対して顔料インクは水に強く、にじみの少ない独特の発色が魅力だが、染料インクと比較すると割高である。プリンタによってインクの種類が異なるので、どちらのインクを採用しているのかチェックしておくことが大切だ。


写真プリントならコンパクトな「サーマルプリンタ」

 PCを持っていない場合や、デジタルカメラの写真を手軽にプリントしたいなら、コンパクトなサーマルプリンタがおすすめだ。「フォトプリンタ」と呼ばれるタイプで、メモリカードやデジタルカメラを直接接続して使える。A4版に対応する機種は少ないが、写真のL版程度までであれば、手軽でキレイな写真のプリントができる。インクリボンに印字ヘッドで熱を加えてインクを気化させて紙に定着させる昇華型熱転写方式が主流で、きめの細かい印字品質には定評がある。


 乾電池駆動のタイプもあり、印刷場所を選ばないのも魅力。ただし、専用用紙や、専用インクリボンを必要とするものがほとんどなので、消耗品が割高だったり、入手が難しいという傾向がある。インクジェットプリンタと比較すると、デジカメ写真の印刷に特化している機種が多い。なお、コンパクトな「フォトプリンタ」には、サーマル方式でなくインクジェット方式のプリンタもある。

高画質でスピードが要求されるなら「カラーレーザープリンタ」

 最近ではカラーレーザープリンタの本体価格も下がり、実売5万円台のモデルも出てきた。一般的な用途はビジネス向けだが、家庭用としても購入できる価格帯になってきた。例えば、小規模なオフィスやSOHOのように、印刷スピードが要求されたり、より高画質な写真プリントを行いたい場合、また、B4以上の大きな用紙への印刷には、このレーザープリンタも選択肢のひとつだ。


 1枚あたりのランニングコストはインクジェット方式よりも安いが、交換時には高価なトナーやドラム代が必要なので、臨時の出費が大きいということに注意しよう。また、低価格なものは、A4版までしか印刷できないものが多いので、購入する際には確認が必要だ。


活用の幅が広く、安心して使えるインクジェットがおすすめ

 それぞれのプリンタの特徴を説明したが、それでも悩むという人は、とりあえず、インクジェットプリンタをおすすめしておこう。いろいろな用途に対応できるだけでなく、消耗品の種類や量も多く、安心して利用できるからだ。


 インクジェットプリンタ選びのポイントはインクの色数。4色の場合と10色の場合では、4色のインクジェットプリンタの方が本体もインクも低価格だ。しかし、ショップなどで実際の仕上がり見本を見ると10色のプリンタの方がはるかに高画質であることがわかる。印刷物に求める画質と、本体価格のバランスを考えて、自分に最適なモデルを選ぼう。色数が多くなれば、それだけインクボトルの数が増えて、交換時にコストがかかるということも考慮しておきたい。


 さらに、普通紙への印刷の画質を事前にチェックしておくこともポイント。ショップなどで置かれている印刷見本は、光沢のある高級紙に印刷されたものがほとんどだ。コピー用紙などの普通紙に印刷すると、愕然とするくらい品質が落ちることも少なくないので、購入時には合わせて確認しておこう。