接続方法やサイズで見極める。外付けHDD選びのポイント
ポイント1?接続方法で選ぶ?
主流はUSB
まずはPCと接続するインターフェイスを学ぼう。インターフェイスとは、PCとケーブルで接続する挿し込み口の形状のことで、USBやIEEE1394、イーサネット(LAN)、eSATA、UltraSCSIなど、たくさんある。製品によっては、「USB+IEEE1394」や「イーサネット+USB」など、2種類以上のインターフェイスを持つ「ハイブリッド」モデルもある。
最も多いのは、USB接続タイプだ。全製品のうち約50%を占め、ハイブリッドモデルを含めれば90%近くに達する。USBは大半のPCが備えるだけに、外付けHDDもUSBタイプが主流になっている。USBハブを別に用意して、ハブのポートに挿し込むだけで、外付けHDDを簡単に2台、3台と増設できるのがメリットだ。
USBに次いで多いのが、イーサネット(LAN)。インターネット接続に使うイーサネットを挿し込むだけで接続できる。ハイブリッドを含めれば、全製品の約20%を占める。自宅にLAN環境があれば、LANに接続しているPCで外付けHDDを共有することができる。ほかのインターフェイスにはない利点だ。
eSATAは、徐々に普及しているインターフェイスで、データ転送速度の速さが“売り”。1秒間に転送できるデータは最大150MBで、USBの約5倍だ。ただ、eSATAのインターフェイスを備えたPCが少ないのが弱点。eSATAを使用する場合は、別に接続機器を用意する必要がある。今後、PCメーカーがeSATAを標準で備えれば、爆発的に普及する可能性がある。多少費用がかかっても、大容量データを高速転送したいという人に打ってつけだ。
ポイント2?HDDのサイズで選ぶ?
大容量なら3.5インチを
次におさせておきたいポイントがHDDのサイズだ。容量ではなく、「インチ」で表すHDDのサイズに注目する。HDDサイズは、容量と形状の大きさとの結び付きが強い。HDDサイズが大きければ、容量と形状は大きくなり、小さければ容量は小さく形状はコンパクトになる。
HDDサイズは、「1」「1.8」「2.5」「3.5」インチの4種類が一般的で、主流は3.5インチ。容量は160?800GBで、形状は他のサイズより大型だ。自宅に据え置いて使うタイプが多い。持ち運んで使うには適さないが、大容量モデルが揃っている。自宅のデスクトップPCに限定して使う人や、「とにかく大容量が欲しい!」と考えている人に向いている。
2.5インチの容量は40?160GBが一般的。3.5インチのHDDよりも容量は小さくなるが、本体の形状はコンパクトだ。ポケットに収まるほどではないが、カバンに入れて持ち運ぶことはできる。3.5インチモデルはACアダプタを使って外付けHDD用の電源をとらなければならないが、2.5インチの一部機種は、ACアダプタを使わずPCの電源で動く「バスパワー駆動」に対応するので、持ち運びに適している。
1インチや1.8インチは、さらに持ち運びに適したモデルが多い。本体形状が小さく、胸ポケットに入れてもかさばらない。「容量の大きなUSBメモリ」感覚で使用できる。ほぼすべての機種がバスパワー駆動で、電源を気にする必要はない。ただ、容量はほとんどが10GB以下で、大容量データの格納には適さない。
データ保存だけがHDDじゃない
“NAS”を知ろう
容量の増設だけでなく、多彩な機能を持つのが「NAS」とよばれるモデルの一部機種。メーカーが、「マルチメディアサーバー」「ホームサーバー」と呼んでいるのがこのモデルだ。インターフェイスはイーサネットで、家庭内LANを組んでいれば、さまざまなメリットをもたらしてくれる。
最も分かりやすいのが共有機能。家庭内LANに接続しているPCは、NASにネットワーク経由でアクセスできる。外付けHDDのデータを保存したり、読み込むときにUSBなどでケーブル接続する必要がない。
インターネット接続機能をもつHDD/DVDレコーダーつないで、携帯電話から録画予約した番組を、レコーダーではなく外付けHDDに録画することができる。HDDに録画した映像を、ネットワーク経由でPCに配信することも可能だ。また、プリントサーバーとして利用できるモデルがあり、小規模オフィスやなどでも活躍する。
代表的な機種としてバッファローの『HS-DH250GL』や、ロジテックの『LHD-LAN320GV』がある。データ保存機能だけの外付けHDDに、こうした多彩な機能をもたらすのがNAS。これまでとは違ったデジタルライフを楽しむために、視野に入れおこう。