プラモより簡単な外付けHDDの自作、今注目の「ケース」とは?

特集

2007/07/04 23:30

 デジタルカメラで撮影した画像や携帯オーディオ用にCDから吸い上げた音楽ファイルなど、個人が扱うデータ量は膨らむ一方。PCの空きエリアが「風前の灯状態」の人も多いだろう。そこで颯爽と登場し大きなデータを一気に引き受けてくれるのが外付けHDDなのだが、これを自作して安くあげる方法がある。HDDケースの利用だ。古いPCのHDDを再利用したり、安いHDDをパーツショップで購入して、ケースに入れれば外付けHDDの完成。「BCNランキング」で売れ筋のHDDケースを探る。

 デジタルカメラで撮影した画像や携帯オーディオ用にCDから吸い上げた音楽ファイルなど、個人が扱うデータ量は膨らむ一方。PCの空きエリアが「風前の灯状態」の人も多いだろう。そこで颯爽と登場し大きなデータを一気に引き受けてくれるのが外付けHDDなのだが、これを自作して安くあげる方法がある。HDDケースの利用だ。古いPCのHDDを再利用したり、安いHDDをパーツショップで購入して、ケースに入れれば外付けHDDの完成。「BCNランキング」で売れ筋のHDDケースを探る。

●HDDケースを選ぶなら…… HDDのサイズ、インターフェイスをチェック

 HDDケースとは、PCにパーツとして搭載されている内蔵用のHDDを入れて、外付けHDDとして使えるようにするケースのこと。いわば「外箱」のようなものだ。使わなくなった古いPCや、壊れてしまったPCからHDDを抜き出して、HDDケースに納めれば外付けHDDとして利用することもできる。もちろん、PC専門店やPCパーツ店で販売している単体のHDD「ベアドライブ」を入れてもいい。HDD単体のパーツで余計なものが一切付属しないので、その分安値で購入できる。

  さて、HDDケースを購入する場合は、使用するHDDのサイズ、インターフェイスに合ったものを選択する必要がある。例えばHDDのサイズひとつとっても、デスクトップPCなどに使われる3.5インチ、ノートPCなどに内蔵している2.5インチのほか、1.8インチ、5.25インチなどといろいろ。HDDケースの購入にあたっては、使用するHDDの型番を控えたりデジカメで写真を撮っておくなどあらかじめ資料を用意してからショップに出かけたほうが無難だ。

  07年6月の販売台数でサイズ別のシェアを見ると、主流は3.5インチHDD用のケースで、69.5%と約7割を占めていることがわかった。後に続くのが2.5インチで27.7%だった。3.5インチHDDのほうが比較的安価で手に入ることなどから、3.5インチHDDケースの人気が高いようだ。


  接続インターフェイスには、一般的な「IDE」、データの高速転送が可能な「SerialATA」などがある。「IDE」「SerialATA」の両方に対応するHDDケースがある一方、どちらか一方にしか対応していないケースもあるので、購入する際には要注意だ。

●サイズ別に見る売れ筋ランキング 3.5インチでは「大判振舞」が1位

  それではHDDケースの売れ筋ランキングを見ていこう。使用するHDD大きさ別に選べるよう、3.5インチHDDケースと2.5インチHDDケースを分けてみた。なお、販売台数シェアは、すべてのサイズを合算して集計した。



 まずは主流の3.5インチHDD用のケースから。07年6月月次の販売台数シェアランキングで、シェア2.1%で1位を獲得したのは、MARSHALの大判振舞シリーズ「MAL-0335S(シルバー)」だ。

  IDEだけではなく、高速データ通信ができる「SerialATA/SerialATA II」にも対応し、幅広いHDDが利用できる。スタンドが付属し、横置きだけではなく、通常の外付けHDDのように縦置きも可能。前面と裏面パネルにアクリルミラーを採用したほか、アクセスランプにブルーのLEDを搭載してデザイン性も高い。なお、PCとの接続はUSB2.0/1.1に対応し、電源はACアダプタより供給する。

   2位はセンチュリーの「CSL35U2」で、シェアは1.8%。本体に放熱性と静音性の高いアルミ素材を採用したほか、側面にはブルーLEDのラインイルミネーションを搭載。駆動時には本体を淡いブルーで包み込む。インターフェイスはIDEのみで、PCとの接続はUSB2.0/1.1に対応する。

  3位は玄人志向の「GW3.5AI-U2/VB」で、シェアは1.6%。横置きにもスタンドを使った縦置きにも対応する。インターフェイスはIDEのみ。PCとの接続はUSB2.0/1.1。

●2.5インチHDDケースはコンパクトで持ち運べるものが人気



  2.5インチHDD用のケースでは、1位を獲得したのは玄人志向の「GW2.5AI-U2(クロムシルバー)」で、シェアは2.0%。本体サイズが幅75×高さ10×奥行き120mm、重さ59gとコンパクトで、ポータブル外付けHDDとして持ち歩けることが特徴。また本体を収納できるソフトケースも付属する。

  インターフェイスはIDEのみで、PCとの接続はUSB2.0/1.1に対応する。また、同モデルのロイヤルグレイが4位に、トワイライトブルーが5位にランクインしている。

  2位はサイズの鎌蔵シリーズ「KAMAZO2.5」のシルバーモデルとブラックモデルがシェア1.3%でランクインした。


  「KAMAZO2.5」は、本体の厚さを13mmに抑えた薄型モデルで、放熱効果に優れたアルミきょう体を採用した。付属品として、電源の安定供給を実現するダブルパワー供給対応ケーブルを同梱するほか、HDDの取り付け作業に必要なプラスドライバーなども同梱。インターフェイスはIDEのみで、PCとの接続はUSB2.0/1.1に対応。

 このほか、3.5インチHDDと2.5インチHDDの両方を搭載できるHDDケースもある。センチュリーの「KD25/35MA」は、3.5インチHDDと2.5インチHDDをそれぞれ1基ずつ搭載できるHDDケース。さらにIDEとSerialATAの両方に対応しているため、HDDを選ばぶことなく利用できる。シェアは0.6%。





●自作外付けHDD作りに挑戦! 不要になったHDDをリユースしよう

  「自作」というと「難しい」というイメージがあり、敬遠しがちだが、店頭でHDDケースのパッケージを見ると、「取り付けカンタン」「3ステップで」「ネジ不要」などのキャッチフレーズが踊っている。また、丁寧なマニュアルを付属した「初心者向けモデル」もある。ここまでくれば、おそらくプラモデルよりも作業は簡単だろう。不要になったPCが眠っているのなら、いらなくなったHDDを再利用するつもりで「自作」外付けHDD作りにチャレンジしてみてはいかが? (WebBCNランキング編集部・山下彰子)



*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など21社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。