ボーナス商戦、デジタル家電に期待、高機能化で薄型テレビの単価も上昇へ
BCN(奥田喜久男社長)は6月6日、都内で記者会見を開き、「BCNランキング」による07年前半の市場動向分析と夏のボーナス商戦の見通しを発表した。1月以降の販売台数では、薄型テレビが前年比120%前後で推移。デジタルカメラも同110%台と安定した成長を見せている。一方パソコンは、新OS「Windows Vista」の発売を受け、ノートPCの販売台数が前年割れの水準を脱した。
BCN(奥田喜久男社長)は6月6日、都内で記者会見を開き、「BCNランキング」による07年前半の市場動向分析と夏のボーナス商戦の見通しを発表した。1月以降の販売台数では、薄型テレビが前年比120%前後で推移。デジタルカメラも同110%台と安定した成長を見せている。一方パソコンは、新OS「Windows Vista」の発売を受け、ノートPCの販売台数が前年割れの水準を脱した。
●薄型テレビはフルHD対応と「リンク機能」で需要拡大へ
薄型テレビの月別対前年販売台数比では、06年の年末商戦期が、11月で145.9%、12月が145.1%と堅調に推移した。一方07年前半では2月が129.3%、5月が117.3%と一時的に落ち込んでいる。これは急激な伸びを見せた06年2月のトリノ五輪、同5月のワールドカップの2大需要の影響と見られる。07年3月は136.9%で、全体としては順調な成長を維持している。
平均単価の動向を見ると06年6月-07年3月の間では下落傾向を維持。この9か月で液晶テレビが21.8%、プラズマテレビも30%値下がりした。しかし、07年4-5月では液晶・プラズマともに価格が上昇に転じている。この背景には、薄型テレビ全体におけるフルハイビジョンモデルの比率が、06年9月の9.2%から07年5月では19.2%と、一気に倍増していることが挙げられる。
また価格上昇の背景には、松下電機産業やシャープなどが採用する「リンク機能」対応機種の増加もありそうだ。HDMI接続のコントロール機能を利用して薄型テレビとHDD-DVDレコーダーなどを接続し1つのリモコンで操作できるリンク機能に対応する機種が、薄型テレビ全体で3月に35.8%だったのが、5月に55.5%とシェアが拡大している。薄型テレビのボーナス商戦は、大画面化に加え、フルハイビジョンや「リンク機能」などの付加価値のあるモデルが売れ筋になりそうだ。
HDD-DVDレコーダーの平均単価も、1月に5.9万円だったのが、5月には7.2万円と上昇。地上デジタル放送対応機種が1月には67.4%だったのが、5月時点では92%と上昇したことと、「リンク機能」を備える機種が、1月は32.4%だったのが5月には58.7%と急激に拡大しているのが要因と見られる。
●コンパクトデジカメは800万画素が急伸、一眼はレンズキットが人気
デジタルカメラの月別の対前年販売台数比は、コンパクトカメラは07年1月以降は110%前後の緩やかな伸びだが、一眼レフカメラは200%前後と大きく拡大している。また、コンパクトカメラの画素数帯別の販売台数シェア推移では、主流は600-800万画素クラスだが、シェアは減少傾向。一方、800-1000万画素が1月の0.6%から5月には11%と急上昇している。1000-1200画素とともにシェアを伸ばしており、800万画素以上の高画素機へのシフトが進んでいる。一眼レフカメラは1000-1200万画素が主流で、4月以降は70%台をキープしている。
価格帯別の販売台数シェア推移では、コンパクトカメラは3-4万円未満が40%前後、一眼レフカメラは8-10万円未満と10-12万円未満の2つの価格帯を合わせて40%前後。一眼レフに関しては、ボディ単体より、初心者向けで値ごろ感のあるレンズキットが売れ筋だ。5月の販売台数シェアはレンズキットが75.9%、ボディ単体が24.1%だった。コンパクトカメラは、高画質化に加えて高倍率ズーム化を図ることで一定の価格を維持しているようだ。
●低価格化が進むパソコン市場、売れ筋はVistaの「Home Premium」
パソコンでは、新OSのVista発売を控えた06年10月-07年1月は伸びが低迷。月別に見た対前年の販売台数比では、ノートとデスクトップを合わせた全体では80%前後で推移。しかし2月以降は95%前後まで回復してきている。特にノートPCについては2月の時点で107.4%と、前年割れから脱した。
Vistaのエディション別では「Home Premium」が好調。搭載OS別販売台数シェア推移では、「Home Premium」搭載機種がVista発売月の1月では3.9%だったのが、5月には54.5%まで上昇した。
また1月以降、徐々に低価格化が進んでいる。Vistaのエディション別で価格帯シェアを見ると、ノートPCは「Home Basic」が1-4月まで10-15万円未満が80%前後を占めていたが、5月には5-10万円未満が47.6%と半数近くまで拡大した。「Home Premium」でも、1-2月に15-20万円未満が50%台後半だったが、3月以降シェアが下がり、10-15万円未満が50%前後に増加。デスクトップPCも同様、2月以降「Home Basic」「Home Premium」ともに価格が下がる傾向にある。XPやそれ以前のOSを使用するユーザーの買い替え需要を刺激するねらいがあると見られる。
*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など21社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。
BCN(奥田喜久男社長)は6月6日、都内で記者会見を開き、「BCNランキング」による07年前半の市場動向分析と夏のボーナス商戦の見通しを発表した。1月以降の販売台数では、薄型テレビが前年比120%前後で推移。デジタルカメラも同110%台と安定した成長を見せている。一方パソコンは、新OS「Windows Vista」の発売を受け、ノートPCの販売台数が前年割れの水準を脱した。
●薄型テレビはフルHD対応と「リンク機能」で需要拡大へ
薄型テレビの月別対前年販売台数比では、06年の年末商戦期が、11月で145.9%、12月が145.1%と堅調に推移した。一方07年前半では2月が129.3%、5月が117.3%と一時的に落ち込んでいる。これは急激な伸びを見せた06年2月のトリノ五輪、同5月のワールドカップの2大需要の影響と見られる。07年3月は136.9%で、全体としては順調な成長を維持している。
平均単価の動向を見ると06年6月-07年3月の間では下落傾向を維持。この9か月で液晶テレビが21.8%、プラズマテレビも30%値下がりした。しかし、07年4-5月では液晶・プラズマともに価格が上昇に転じている。この背景には、薄型テレビ全体におけるフルハイビジョンモデルの比率が、06年9月の9.2%から07年5月では19.2%と、一気に倍増していることが挙げられる。
また価格上昇の背景には、松下電機産業やシャープなどが採用する「リンク機能」対応機種の増加もありそうだ。HDMI接続のコントロール機能を利用して薄型テレビとHDD-DVDレコーダーなどを接続し1つのリモコンで操作できるリンク機能に対応する機種が、薄型テレビ全体で3月に35.8%だったのが、5月に55.5%とシェアが拡大している。薄型テレビのボーナス商戦は、大画面化に加え、フルハイビジョンや「リンク機能」などの付加価値のあるモデルが売れ筋になりそうだ。
HDD-DVDレコーダーの平均単価も、1月に5.9万円だったのが、5月には7.2万円と上昇。地上デジタル放送対応機種が1月には67.4%だったのが、5月時点では92%と上昇したことと、「リンク機能」を備える機種が、1月は32.4%だったのが5月には58.7%と急激に拡大しているのが要因と見られる。
●コンパクトデジカメは800万画素が急伸、一眼はレンズキットが人気
デジタルカメラの月別の対前年販売台数比は、コンパクトカメラは07年1月以降は110%前後の緩やかな伸びだが、一眼レフカメラは200%前後と大きく拡大している。また、コンパクトカメラの画素数帯別の販売台数シェア推移では、主流は600-800万画素クラスだが、シェアは減少傾向。一方、800-1000万画素が1月の0.6%から5月には11%と急上昇している。1000-1200画素とともにシェアを伸ばしており、800万画素以上の高画素機へのシフトが進んでいる。一眼レフカメラは1000-1200万画素が主流で、4月以降は70%台をキープしている。
価格帯別の販売台数シェア推移では、コンパクトカメラは3-4万円未満が40%前後、一眼レフカメラは8-10万円未満と10-12万円未満の2つの価格帯を合わせて40%前後。一眼レフに関しては、ボディ単体より、初心者向けで値ごろ感のあるレンズキットが売れ筋だ。5月の販売台数シェアはレンズキットが75.9%、ボディ単体が24.1%だった。コンパクトカメラは、高画質化に加えて高倍率ズーム化を図ることで一定の価格を維持しているようだ。
●低価格化が進むパソコン市場、売れ筋はVistaの「Home Premium」
パソコンでは、新OSのVista発売を控えた06年10月-07年1月は伸びが低迷。月別に見た対前年の販売台数比では、ノートとデスクトップを合わせた全体では80%前後で推移。しかし2月以降は95%前後まで回復してきている。特にノートPCについては2月の時点で107.4%と、前年割れから脱した。
Vistaのエディション別では「Home Premium」が好調。搭載OS別販売台数シェア推移では、「Home Premium」搭載機種がVista発売月の1月では3.9%だったのが、5月には54.5%まで上昇した。
また1月以降、徐々に低価格化が進んでいる。Vistaのエディション別で価格帯シェアを見ると、ノートPCは「Home Basic」が1-4月まで10-15万円未満が80%前後を占めていたが、5月には5-10万円未満が47.6%と半数近くまで拡大した。「Home Premium」でも、1-2月に15-20万円未満が50%台後半だったが、3月以降シェアが下がり、10-15万円未満が50%前後に増加。デスクトップPCも同様、2月以降「Home Basic」「Home Premium」ともに価格が下がる傾向にある。XPやそれ以前のOSを使用するユーザーの買い替え需要を刺激するねらいがあると見られる。
*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など21社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。