売れ筋Officeは「Professional」、マイクロソフト製品で一色の統合ソフト
マイクロソフトは新OS「Windows Vista」(Vista)を1月にリリースしたが、同時に統合ソフトも一新。装いも新たに「the 2007 Microsoft Office system」(Office 2007)として発売した。直近の「BCNランキング」統合ソフト部門では上位をこのOffice 2007が独占。しかしVistaと同様、複数のエディションを含むいくつものパッケージが販売されているため、選択に迷うところ。そこで、統合ソフトの売れ筋パッケージを紹介し、あわせて「Microsoft Of
マイクロソフトは新OS「Windows Vista」(Vista)を1月にリリースしたが、同時に統合ソフトも一新。装いも新たに「the 2007 Microsoft Office system」(Office 2007)として発売した。直近の「BCNランキング」統合ソフト部門では上位をこのOffice 2007が独占。しかしVistaと同様、複数のエディションを含むいくつものパッケージが販売されているため、選択に迷うところ。そこで、統合ソフトの売れ筋パッケージを紹介し、あわせて「Microsoft Office 2003 Editions」(Office 2003)から進化したポイントもチェックしてみたい。
●エディション別では「Professional」が3タイトルを占める
ワープロや表計算、グラフィックなどを1つにまとめたのが統合ソフトだが、「Office 2007」の個人向け製品は、同梱するソフトの種類によって「Ultimate」「Professional」「Standard」「Personal」の4種類のエディションがある。すべてのエディションにアップグレード版があり、上位エディションの「Ultimate」「Professional」には学校関係者向けのアカデミック版が用意されている。
まず、エディション別の同梱ソフトを確認しておこう。「Personal」は、Word 2007、Excel 2007、Outlook 2007の3本のみで、個人向けの最も基本的な構成。「Standard」は、PersonalにPowerPoint 2007が加わったビジネス向け基本タイプ。「Professional」は、Standardにデータベースを構築できるAccess 2007、パンフレットやウェブページが作成できるPublisher 2007の2ソフトを追加したビジネス向けの上級タイプ。「Ultimate」は、Professionalにファイル、スケジュールの共有ができるGroove 2007、テキストや画像、ウェブページやメモなどを保存しておけるOneNote 2007、名刺管理や人とのやり取りを記録できるInterConnect 2007、経費精算や休暇申請などの提携業務を行えるInfoPath 2007の4ソフトを盛り込んだオールマイティータイプだ。また、いずれのエディションにもOffice IME 2007を同梱する。
それでは「BCNランキング」07年2月第3週(2月12-18日)の週次データで、統合ソフトの販売本数シェアトップ10を見てみよう。シェア18%で1位になったのは「Microsoft Office Professional 2007 アカデミック版」。マイクロソフトが発表する参考価格は3万4440円。アカデミック版の対象者は、教育機関で働く職員または学生、生徒、児童で、製品購入時に身分証を提示すると、通常のほぼ半額で購入できる。例えば、同Professionalの通常版は6万2790円。アカデミック版の方が2万8350円お得になる計算だ。
2位の「Microsoft Office Standard 2007 アップブレード版」はシェア14.4%。参考価格は2万9400円。3位の「Microsoft Office Personal 2007 アップグレード版」はシェア9.2%で参考価格は2万2890円。
なお、アップグレード版は、現在使用しているOfficeの種類を問わず使用でき、WordやExcelなどの単体ソフトのみ導入している場合でも対応する。さらに対応するエディションが決まっているVistaのアップグレード版とは異なり、Office 2007のどのエディションにもアップグレードできる。さらに、エントリータイプのPersonalからStandard、Professional、Ultimateといった上位タイプへもアップグレードが可能だ。
ちなみに7位の「Microsoft Office Ultimate 2007 アカデミック版」はシェア3.8%で、参考価格は4万1790円。同Ultimateの通常版が8万9040円なので、こちらも4万7250円お得になっている。このほか、ランキング全体ではエディション別に「Ultimate」が1タイトル、「Professional」が3タイトル、「Standard」が2タイトル、「Personal」が2タイトルという内訳で、Office 2007では「Professional」が一番売れているという結果になった。また、1位に加え7位、10位にアカデミック版、2位、3位に加え4位にもアップグレード版がランクインした。
●「キュート」「クール」など24種類から「テーマ」が選べる
さて、Office 2007はOffice 2003と比べてどこがどのように新しくなったのか、簡単に見ていこう。まず、全ソフト共通で改善されたのは、直感的な操作ができるようになった点だ。「リボン」と呼ばれる横長のインターフェイスをウィンドウの上部に採用し、「ホーム」「挿入」「ページレイアウト」などの作業目的別カテゴリにはタブを採用。必要なタブを選択すれば機能が一覧で表示されるので、使いたい機能が選択しやすい。
また、Word、Excel、Outlook、PowerPointなどアプリケーションの種類をまたいで、美しく統一感のある文書・図表・スライドを作成できるようになったのも特徴。配色・フォント・効果の3つを組み合わせた「テーマ」からデザインを選択すれば、異なるアプリケーションの書類でも統一したデザインで仕上げることができる。「テーマ」は「キュート」「クール」「ビジネス」など全部で24種類。デザインだけでなく図表の種類も豊富になり、相関図、プロセス図、ドーナツ型図表など「SmartArtグラフィック」機能で一覧から選択できる。
さらに、個々のソフトで新しくなった機能もある。例えばWord 2007は、ヘッダー・フッター・表紙などをあらかじめ登録しておくと新規文書に挿入できる「クイックパーツ」が特徴で、定型文書が効率よく作成できる。挿入した画像をぼかしたり、楕円やひし形に切り抜いたりといった効果や、画像の差し替えも可能。また、文書の表紙はデザインの雛形を選んで作成でき、引用文献もダイヤログボックスで必要項目を入力すれば簡単に挿入できる。
Excel 2007の新機能は、前述の「SmartArtグラフィック」によって、グラフや表のデザインの選択肢が大幅に増えたことが挙げられる。また、従来の「印刷プレビュー」と異なり、印刷イメージを確認しながら直接編集ができる「ページレイアウトビュー」が追加された。ワークシートについては、行数と列数がExcel 2003では上限6万5536行×256列だったのが、Excel 2007では上限104万8576行×1万6384列に増えた。
●ジャストシステム「JUST Suite 2007」など、MS以外の統合ソフトも
Office 2007の売れ筋や新機能について見てきたが、最近ではマイクロソフトのOffice製品と互換性のある製品も販売されている。例えば、ジャングルが2月22日に発売した「StarSuite 8(スタースイート8)」は、Office 2007に対応する予定。ワープロ・表計算・プレゼンテーション・データベース・ドローの5種類のソフトを1つにしたもので、Word、Excel、PowerPointと高い互換性を持つ。価格は1万290円。そのほか、キングソフトなどからもOfficeシリーズ互換の製品が発売されている。
マイクロソフトのOffice系以外では、日本語ワープロの老舗ジャストシステムが3月9日に発売する「JUST Suite 2007」がある。7つのソフトを1本にまとめた統合ソフトで、DVD版の価格は、通常版が2万6250円、特別優待版が1万8900円、特別バージョンアップ版が1万5750円、アカデミック版が1万5750円。いずれもフルカラーの公式ガイドブックが付属する。対応OSはWindows Vista/XP/2000。
搭載するソフトは、日本語ワープロ「一太郎2007」、日本語表計算ソフト「三四郎2007」、日本語入力システム「ATOK 2007 for Windows」、プレゼンテーションソフト「Agree 2007」、統合グラフィックソフト「花子2007」、インターネットメールソフト「Shuriken Pro4 /R.2」、PDF作成・編集ソフト「Justsystem PDF Suite」の7つ。
統合ソフトは、さまざまなソフトがパックになっているが、必要な機能が利用できるかどうか一目でわかりにくい部分もある。どの製品を選ぶにせよ利用するソフトが含まれているかどうかは十分確認してから購入したい。(WebBCNランキング編集部・井上真希子)
*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など21社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。
マイクロソフトは新OS「Windows Vista」(Vista)を1月にリリースしたが、同時に統合ソフトも一新。装いも新たに「the 2007 Microsoft Office system」(Office 2007)として発売した。直近の「BCNランキング」統合ソフト部門では上位をこのOffice 2007が独占。しかしVistaと同様、複数のエディションを含むいくつものパッケージが販売されているため、選択に迷うところ。そこで、統合ソフトの売れ筋パッケージを紹介し、あわせて「Microsoft Office 2003 Editions」(Office 2003)から進化したポイントもチェックしてみたい。
●エディション別では「Professional」が3タイトルを占める
ワープロや表計算、グラフィックなどを1つにまとめたのが統合ソフトだが、「Office 2007」の個人向け製品は、同梱するソフトの種類によって「Ultimate」「Professional」「Standard」「Personal」の4種類のエディションがある。すべてのエディションにアップグレード版があり、上位エディションの「Ultimate」「Professional」には学校関係者向けのアカデミック版が用意されている。
まず、エディション別の同梱ソフトを確認しておこう。「Personal」は、Word 2007、Excel 2007、Outlook 2007の3本のみで、個人向けの最も基本的な構成。「Standard」は、PersonalにPowerPoint 2007が加わったビジネス向け基本タイプ。「Professional」は、Standardにデータベースを構築できるAccess 2007、パンフレットやウェブページが作成できるPublisher 2007の2ソフトを追加したビジネス向けの上級タイプ。「Ultimate」は、Professionalにファイル、スケジュールの共有ができるGroove 2007、テキストや画像、ウェブページやメモなどを保存しておけるOneNote 2007、名刺管理や人とのやり取りを記録できるInterConnect 2007、経費精算や休暇申請などの提携業務を行えるInfoPath 2007の4ソフトを盛り込んだオールマイティータイプだ。また、いずれのエディションにもOffice IME 2007を同梱する。
それでは「BCNランキング」07年2月第3週(2月12-18日)の週次データで、統合ソフトの販売本数シェアトップ10を見てみよう。シェア18%で1位になったのは「Microsoft Office Professional 2007 アカデミック版」。マイクロソフトが発表する参考価格は3万4440円。アカデミック版の対象者は、教育機関で働く職員または学生、生徒、児童で、製品購入時に身分証を提示すると、通常のほぼ半額で購入できる。例えば、同Professionalの通常版は6万2790円。アカデミック版の方が2万8350円お得になる計算だ。
2位の「Microsoft Office Standard 2007 アップブレード版」はシェア14.4%。参考価格は2万9400円。3位の「Microsoft Office Personal 2007 アップグレード版」はシェア9.2%で参考価格は2万2890円。
なお、アップグレード版は、現在使用しているOfficeの種類を問わず使用でき、WordやExcelなどの単体ソフトのみ導入している場合でも対応する。さらに対応するエディションが決まっているVistaのアップグレード版とは異なり、Office 2007のどのエディションにもアップグレードできる。さらに、エントリータイプのPersonalからStandard、Professional、Ultimateといった上位タイプへもアップグレードが可能だ。
ちなみに7位の「Microsoft Office Ultimate 2007 アカデミック版」はシェア3.8%で、参考価格は4万1790円。同Ultimateの通常版が8万9040円なので、こちらも4万7250円お得になっている。このほか、ランキング全体ではエディション別に「Ultimate」が1タイトル、「Professional」が3タイトル、「Standard」が2タイトル、「Personal」が2タイトルという内訳で、Office 2007では「Professional」が一番売れているという結果になった。また、1位に加え7位、10位にアカデミック版、2位、3位に加え4位にもアップグレード版がランクインした。
●「キュート」「クール」など24種類から「テーマ」が選べる
さて、Office 2007はOffice 2003と比べてどこがどのように新しくなったのか、簡単に見ていこう。まず、全ソフト共通で改善されたのは、直感的な操作ができるようになった点だ。「リボン」と呼ばれる横長のインターフェイスをウィンドウの上部に採用し、「ホーム」「挿入」「ページレイアウト」などの作業目的別カテゴリにはタブを採用。必要なタブを選択すれば機能が一覧で表示されるので、使いたい機能が選択しやすい。
また、Word、Excel、Outlook、PowerPointなどアプリケーションの種類をまたいで、美しく統一感のある文書・図表・スライドを作成できるようになったのも特徴。配色・フォント・効果の3つを組み合わせた「テーマ」からデザインを選択すれば、異なるアプリケーションの書類でも統一したデザインで仕上げることができる。「テーマ」は「キュート」「クール」「ビジネス」など全部で24種類。デザインだけでなく図表の種類も豊富になり、相関図、プロセス図、ドーナツ型図表など「SmartArtグラフィック」機能で一覧から選択できる。
さらに、個々のソフトで新しくなった機能もある。例えばWord 2007は、ヘッダー・フッター・表紙などをあらかじめ登録しておくと新規文書に挿入できる「クイックパーツ」が特徴で、定型文書が効率よく作成できる。挿入した画像をぼかしたり、楕円やひし形に切り抜いたりといった効果や、画像の差し替えも可能。また、文書の表紙はデザインの雛形を選んで作成でき、引用文献もダイヤログボックスで必要項目を入力すれば簡単に挿入できる。
Excel 2007の新機能は、前述の「SmartArtグラフィック」によって、グラフや表のデザインの選択肢が大幅に増えたことが挙げられる。また、従来の「印刷プレビュー」と異なり、印刷イメージを確認しながら直接編集ができる「ページレイアウトビュー」が追加された。ワークシートについては、行数と列数がExcel 2003では上限6万5536行×256列だったのが、Excel 2007では上限104万8576行×1万6384列に増えた。
●ジャストシステム「JUST Suite 2007」など、MS以外の統合ソフトも
Office 2007の売れ筋や新機能について見てきたが、最近ではマイクロソフトのOffice製品と互換性のある製品も販売されている。例えば、ジャングルが2月22日に発売した「StarSuite 8(スタースイート8)」は、Office 2007に対応する予定。ワープロ・表計算・プレゼンテーション・データベース・ドローの5種類のソフトを1つにしたもので、Word、Excel、PowerPointと高い互換性を持つ。価格は1万290円。そのほか、キングソフトなどからもOfficeシリーズ互換の製品が発売されている。
マイクロソフトのOffice系以外では、日本語ワープロの老舗ジャストシステムが3月9日に発売する「JUST Suite 2007」がある。7つのソフトを1本にまとめた統合ソフトで、DVD版の価格は、通常版が2万6250円、特別優待版が1万8900円、特別バージョンアップ版が1万5750円、アカデミック版が1万5750円。いずれもフルカラーの公式ガイドブックが付属する。対応OSはWindows Vista/XP/2000。
搭載するソフトは、日本語ワープロ「一太郎2007」、日本語表計算ソフト「三四郎2007」、日本語入力システム「ATOK 2007 for Windows」、プレゼンテーションソフト「Agree 2007」、統合グラフィックソフト「花子2007」、インターネットメールソフト「Shuriken Pro4 /R.2」、PDF作成・編集ソフト「Justsystem PDF Suite」の7つ。
統合ソフトは、さまざまなソフトがパックになっているが、必要な機能が利用できるかどうか一目でわかりにくい部分もある。どの製品を選ぶにせよ利用するソフトが含まれているかどうかは十分確認してから購入したい。(WebBCNランキング編集部・井上真希子)
*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など21社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。