Vista特需? 人気高まるデータや環境の「お引っ越し」ソフト
新OS「Windows Vista」が1月に無事発売され、PCの買い換え需要が立ち上がりつつある。Vista搭載の新しいPCを手に入れたはいいが、面倒なのは旧マシンからデータを移行したり新マシンでの環境を整えたりといった「お引っ越し」作業。デジタルカメラの画像や購入した音楽、文書やメールデータ、さらにはメールアカウントなどのさまざまな環境を移行させることを考えると、気が遠くなりそうだ。こうした作業に役立ちそうなのは「バックアップソフト」。なかでも、PCの買い換えを想定した「お引っ越し」に焦点をあてたソフトも販売されている。そこで「BCNランキング」でデータのバックアップや移行に使えるソフトの売れ筋を探ってみた。
まず、Vista発売日を含む2月第1週(1月29日-2月4日)の週次データで、「バックアップソフト」の販売本数シェアトップ10を見てみよう。バックアップソフトにはいくつかのタイプがあるが、ランクインしたものを分類すると、データとシステム両方のバックアップに対応する「総合」タイプが5タイトル、データのバックアップのみに対応するタイプが2タイトル、システムのバックアップも行うタイプが1タイトル、PC間の引っ越しに対応する「移行」タイプが2タイトルだった。
ランキング1位はソースネクストが1月に発売したばかりの「引越おまかせパック 2」でシェア23.7%、タイプは「移行」。2位は同じくソースネクストの「Acronis True Image Personal 2」で15.2%、タイプは「システム」。また3位は「総合」タイプのプロトン「Acronis True Image 9.0」で4.9%、という結果になった。
トップ10のなかでもVistaに対応する製品はさすがにまだ少ないが、1位の「引越おまかせパック 2」が対応しているほか、シェア2.9%で5位に登場しているライフボートの「LB コピーコマンダー9」もVistaに対応する。06年12月発売の「総合」タイプで、Windowsを起動したままOSやアプリケーション、HDDのデータをリムーバブルディスクや外付けHDDに移行できるのが特徴。差分コピーにも対応する。HDDやHDD内のパーティションに含まれるデータを、他のHDDに直接コピーするので、Linuxの環境などが含まれていてもそのままコピーできる。価格は6300円。このほか、8位にはAOSテクノロジーズの「ファイナルパソコン引っ越し2006 PRO 専用ケーブル付き」が、シェア2.1%でランクイン。06年5月発売ながら、無料最新バージョンをダウンロードすればWindows Vista対応になる。
さて、Windows Vista搭載のPCが発売されたばかりのこの時期、特に需要が高まりそうなのは、いわゆる「お引っ越しソフト」。旧マシンからVista搭載マシンに簡単にデータ移行ができるこうしたソフトたちを見ていこう。
バックアップソフト全体のランキングで早くも1位を獲得したソースネクストの「引越おまかせパック 2」は、2台のPCを付属のLANケーブルでつないでデータを移行するソフト。「2」になってメールやInternet Explorerなどのシステム環境を移行する「環境の引越」にも対応した。もちろんデータ類を移行する「ファイルのコピー」も可能。価格が1980円と安価なのが人気の理由だろう。
また、8位のAOSテクノロジーズ「ファイナルパソコン引越し2006 PRO 専用ケーブル付き」は、旧PCと新PCの両方にソフトをインストールし、LANケーブル、付属の専用USBリンクケーブル、リムーバブルディスク、外付けHDDのいずれかを利用する。ウィザードに従って作業すれば簡単にデータを移行できる。価格は7140円。
専用ケーブルが付属しない通常版のほか、データ抹消ソフト「ターミネータ4.0 データ完全抹消」とのセット版、PCのパフォーマンスを向上させる「ファイナル高速・快適化2006 PRO」と、HDDを常に監視しデータの喪失を事前に防ぐ「ファイナルハードディスク診断2006」の2タイトルセット版などもある。
そのほか、バックアップソフトの販売本数シェアトップ10のランク外ではあるが、「お引っ越し」に便利なソフトを2つ紹介しておこう。まず、ランキング11位の丸紅インフォテック「VistaへGo!」。ICチップ内蔵の専用ケーブル付きソフトで、価格は3980円。マイクロソフトから正式認定を受けた製品で、ケーブルを各PCに接続するだけでウィザードが自動的に起動。コピーする項目を選択すれば画像、音楽、電子メール、OSの設定などが簡単に転送できる。Vista搭載の引っ越し先PCにはインストールが不要で、引っ越し元のOSはWindows XPのみに対応する。
また、24位のシーピーアイ「即!Vistaへお引越し」は、引っ越し元と引っ越し先双方のPCに付属CDをセットして使用する。価格は5040円。あらかじめ決められた環境の移行を行う「自動で引越し」と、アプリケーションの設定やファイルを指定して移行する「選んで引越し」のいずれかを選択できる。移行の際に使用できる機器は、付属の専用LANケーブルと外付けHDDの2種類。外付けHDDで引っ越しする場合は、ファイルを暗号化するのでデータ漏えいの心配も少ない。また、移行作業を中断しても途中から再開できる。引っ越し元のPCはWindows XP、2000に対応。
専用ソフトを使わないデータ移行方法、というものもある。例えば専用ケーブルを使う方法。バッファローが3月下旬に発売するUSBトランスファーケーブル「USBC2-TC18/BK」は、ケーブルをつなげるだけでWindows XP搭載のPCからVista搭載のPCにデータの移行ができる。マイクロソフト認定USBトランスファーケーブルで、USBポートに挿すだけで転送ツールが自動起動し、指示に従って操作すれば「お引っ越し」が完了する。価格は4883円。
また、Vistaに搭載されている転送ツールを使う方法もある。転送方法はケーブル、ネットワーク接続、CD・DVD・その他のリムーバブルメディアのいずれかを選択でき、保存先のメディアもCD、USBメモリ、外付けHDDまたはネットワーク上のエリアからも選べる。
部屋や家を移る本物の「お引っ越し」ならサービスの幅が広く、お金をかければほとんど何もしなくても引っ越しできるものもある。経済的に済ませる場合でも、タンスやベッドを傷つけないようにトラックで運んでくれたりとプロのサービスが受けられるのは当たり前の世界だ。しかしPCの場合は、大抵自分でやるか、詳しい友人に頼むなどしなければならないのがつらいところ。どうしようかと途方にくれる前に「お引っ越し」の専用ソフトを使うことも考えてみてはどうだろう。時間の節約ということもさることながら、気分もずいぶん軽くなるのではないだろうか? (WebBCNランキング編集部・井上真希子)
*「BCNランキング」では、「システムメンテナンスソフト」というカテゴリーで、「診断・修復」「データ抹消」「バックアップ」「マルチブート」「パーティション」などの用途のソフトを集計していますが、本稿では、この中から特に「Windowsに対応するバックアップソフト」のみを抜き出して集計したデータを使用しました。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。
1月発売の「お引っ越し」ソフトが早くも1位
まず、Vista発売日を含む2月第1週(1月29日-2月4日)の週次データで、「バックアップソフト」の販売本数シェアトップ10を見てみよう。バックアップソフトにはいくつかのタイプがあるが、ランクインしたものを分類すると、データとシステム両方のバックアップに対応する「総合」タイプが5タイトル、データのバックアップのみに対応するタイプが2タイトル、システムのバックアップも行うタイプが1タイトル、PC間の引っ越しに対応する「移行」タイプが2タイトルだった。
ランキング1位はソースネクストが1月に発売したばかりの「引越おまかせパック 2」でシェア23.7%、タイプは「移行」。2位は同じくソースネクストの「Acronis True Image Personal 2」で15.2%、タイプは「システム」。また3位は「総合」タイプのプロトン「Acronis True Image 9.0」で4.9%、という結果になった。
トップ10のなかでもVistaに対応する製品はさすがにまだ少ないが、1位の「引越おまかせパック 2」が対応しているほか、シェア2.9%で5位に登場しているライフボートの「LB コピーコマンダー9」もVistaに対応する。06年12月発売の「総合」タイプで、Windowsを起動したままOSやアプリケーション、HDDのデータをリムーバブルディスクや外付けHDDに移行できるのが特徴。差分コピーにも対応する。HDDやHDD内のパーティションに含まれるデータを、他のHDDに直接コピーするので、Linuxの環境などが含まれていてもそのままコピーできる。価格は6300円。このほか、8位にはAOSテクノロジーズの「ファイナルパソコン引っ越し2006 PRO 専用ケーブル付き」が、シェア2.1%でランクイン。06年5月発売ながら、無料最新バージョンをダウンロードすればWindows Vista対応になる。
「お引っ越し」方法にもいろいろあります
さて、Windows Vista搭載のPCが発売されたばかりのこの時期、特に需要が高まりそうなのは、いわゆる「お引っ越しソフト」。旧マシンからVista搭載マシンに簡単にデータ移行ができるこうしたソフトたちを見ていこう。
バックアップソフト全体のランキングで早くも1位を獲得したソースネクストの「引越おまかせパック 2」は、2台のPCを付属のLANケーブルでつないでデータを移行するソフト。「2」になってメールやInternet Explorerなどのシステム環境を移行する「環境の引越」にも対応した。もちろんデータ類を移行する「ファイルのコピー」も可能。価格が1980円と安価なのが人気の理由だろう。
また、8位のAOSテクノロジーズ「ファイナルパソコン引越し2006 PRO 専用ケーブル付き」は、旧PCと新PCの両方にソフトをインストールし、LANケーブル、付属の専用USBリンクケーブル、リムーバブルディスク、外付けHDDのいずれかを利用する。ウィザードに従って作業すれば簡単にデータを移行できる。価格は7140円。
専用ケーブルが付属しない通常版のほか、データ抹消ソフト「ターミネータ4.0 データ完全抹消」とのセット版、PCのパフォーマンスを向上させる「ファイナル高速・快適化2006 PRO」と、HDDを常に監視しデータの喪失を事前に防ぐ「ファイナルハードディスク診断2006」の2タイトルセット版などもある。
そのほか、バックアップソフトの販売本数シェアトップ10のランク外ではあるが、「お引っ越し」に便利なソフトを2つ紹介しておこう。まず、ランキング11位の丸紅インフォテック「VistaへGo!」。ICチップ内蔵の専用ケーブル付きソフトで、価格は3980円。マイクロソフトから正式認定を受けた製品で、ケーブルを各PCに接続するだけでウィザードが自動的に起動。コピーする項目を選択すれば画像、音楽、電子メール、OSの設定などが簡単に転送できる。Vista搭載の引っ越し先PCにはインストールが不要で、引っ越し元のOSはWindows XPのみに対応する。
また、24位のシーピーアイ「即!Vistaへお引越し」は、引っ越し元と引っ越し先双方のPCに付属CDをセットして使用する。価格は5040円。あらかじめ決められた環境の移行を行う「自動で引越し」と、アプリケーションの設定やファイルを指定して移行する「選んで引越し」のいずれかを選択できる。移行の際に使用できる機器は、付属の専用LANケーブルと外付けHDDの2種類。外付けHDDで引っ越しする場合は、ファイルを暗号化するのでデータ漏えいの心配も少ない。また、移行作業を中断しても途中から再開できる。引っ越し元のPCはWindows XP、2000に対応。
専用ケーブルやVista搭載の転送ツールを使う方法も
専用ソフトを使わないデータ移行方法、というものもある。例えば専用ケーブルを使う方法。バッファローが3月下旬に発売するUSBトランスファーケーブル「USBC2-TC18/BK」は、ケーブルをつなげるだけでWindows XP搭載のPCからVista搭載のPCにデータの移行ができる。マイクロソフト認定USBトランスファーケーブルで、USBポートに挿すだけで転送ツールが自動起動し、指示に従って操作すれば「お引っ越し」が完了する。価格は4883円。
また、Vistaに搭載されている転送ツールを使う方法もある。転送方法はケーブル、ネットワーク接続、CD・DVD・その他のリムーバブルメディアのいずれかを選択でき、保存先のメディアもCD、USBメモリ、外付けHDDまたはネットワーク上のエリアからも選べる。
部屋や家を移る本物の「お引っ越し」ならサービスの幅が広く、お金をかければほとんど何もしなくても引っ越しできるものもある。経済的に済ませる場合でも、タンスやベッドを傷つけないようにトラックで運んでくれたりとプロのサービスが受けられるのは当たり前の世界だ。しかしPCの場合は、大抵自分でやるか、詳しい友人に頼むなどしなければならないのがつらいところ。どうしようかと途方にくれる前に「お引っ越し」の専用ソフトを使うことも考えてみてはどうだろう。時間の節約ということもさることながら、気分もずいぶん軽くなるのではないだろうか? (WebBCNランキング編集部・井上真希子)
*「BCNランキング」では、「システムメンテナンスソフト」というカテゴリーで、「診断・修復」「データ抹消」「バックアップ」「マルチブート」「パーティション」などの用途のソフトを集計していますが、本稿では、この中から特に「Windowsに対応するバックアップソフト」のみを抜き出して集計したデータを使用しました。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。