松下と松下電池、エネルギー密度740Wh/Lの高容量リチウムイオン電池を開発
松下電器産業と松下電池工業は1月9日、リチウムイオン電池用合金系負極を使った、高容量の第3世代リチウムイオン電池を試作したと発表した。合金系負極は、従来のカーボン系負極よりも電極容量が向上する一方、極板が充放電で膨張・収縮し破壊されるため寿命性能の低下が課題だったが、極板の動きを緩和する技術にメドをつけ、開発に漕ぎ着けた。
両社は負極組成を最適化し、新たに開発した工法を採用することで、極板の膨張・収縮を抑えることに成功。負極の寿命性能を、従来のカーボン負極と同等まで高めた。エネルギー密度も740Wh/Lと、コバルト系正極とカーボン系負極を使った従来の電池よりも40%向上させた。充電電圧は4.2Vで、従来世代のリチウムイオン電池と同じだが、最適放電終止電圧は2.0Vで、幅広い電圧範囲で利用できるという。
実用化の時期は未定。両社では開発した電池の試作品を、米ラスベガスで1月8日から開催されている「2007インターナショナルCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)」に参考出展している。