米MSのビル・ゲイツ会長がCES前夜祭で講演、接続性がキーワード
米マイクロソフト(米MS)のビル・ゲイツ会長兼ソフトウェアチーフアーキテクトは米国時間の1月7日夜、世界最大の国際家電見本市「2007インターナショナルCES」の前夜祭の基調講演に登場。1月30日に発売の迫った新OS「Windows Vista(ビスタ)」の機能紹介などを行い、Vistaによるデジタル機器の接続性をアピールした。
08年7月に退任予定のビル・ゲイツ会長が、マイクロソフトの会長としてCES基調講演を行うのは今年が最後といわれていた。そのため、毎年恒例となっている同氏の最終講演を視聴しようと来場者が殺到。会場は、一般者や報道関係者などでごった返した。ゲイツ氏は冒頭の挨拶で、来場者の気持ちを勘ぐるように「(私の講演が)今年で最後と噂されているが、今後も(講演に)出るつもりだ」と、オファーがあれば受ける意志を示した。
講演ではまず、「誰もがインターネットを活用するようになり、デジタルライフの世界が当たり前になりつつある。しかし、デジタル機器を取り巻く環境をみると、コネクティビリティ(接続性)がまだ足りない」と説明。新OS「Vista」が登場することで、「これまでの枠を超え、1つの製品として提供するのではなく、“サービス”として提供できるようになる」と述べ、デジタル機器の接続性を一段と可能にするのが同社であるとアピールした。
また講演では「Vista」の機能を、デモを交えて説明。「ハードメーカーが(接続性を実現する)製品を作りやすい環境を提供するのが『Vista』だ」と述べた。Vista発売とあわせ、各メーカーが新製品を発売することになるが、ヒューレット・パッカード(HP)のタッチパネルで操作可能な「TouchSmartPC」をはじめ、東芝やソニーもVistaの機能に効果的なきょう体の製品を販売する予定という。
パソコンやゲーム機「Xbox」などとの接続が可能なWindowsベースのホームサーバーを、HPと共同で開発したとも発表した。07年上半期中に発売するという。ほかにも、携帯オーディオプレーヤー「Zune(ズーン)」や、スマートフォンに対応したOS「Windows Mobile」の発売で、エンタテインメントやモバイルの分野での接続性が出ていることや、インターネット映像配信の「マイクロソフトTV」でテレビ分野、HD DVDを再生できる「Xbox」の発売で映画とのつながりが高まることを挙げた。フォードがWindows OSを搭載した自動車の市場投入することも明らかにし、接続性が自動車業界にも広がっていることを示した。
さらに、すべてが統合された5年後の世界として、同社では家庭内で食材を乗せれば料理のレシピを表示するキッチン台や、BGMなどで模様や絵が変わる壁などの研究開発を進めているという。ゲイツ氏は、「“コネクティド・エクスペリエンス(これまでになかった接続性)”を追求していけば、デジタルライフが実現する。デジタル・エフォートの可能性を見出していく」と締めくくった。