経産省、「今年のロボット」第1回大賞は自分でエレベーターに乗る掃除ロボ
経済産業省はロボット市場の創出に貢献したロボットを表彰する「今年のロボット大賞」を創設、第1回の「『今年のロボット』大賞2006」を12月21日に発表した。152件の応募の中から大賞に選ばれたのは富士重工業と住友商事が開発したビル清掃ロボット「RFS1」。同日には、東京・青山で表彰式が行われた。式には甘利明・経済産業大臣も出席した。<br />
経済産業省はロボット市場の創出に貢献したロボットを表彰する「今年のロボット大賞」を創設、第1回の「『今年のロボット』大賞2006」を12月21日に発表した。152件の応募の中から大賞に選ばれたのは富士重工業と住友商事が開発したビル清掃ロボット「RFS1」。同日には、東京・青山で表彰式が行われた。式には甘利明・経済産業大臣も出席した。
「RFS1」はオフィスビルの床を掃除するロボット。清掃時間や場所を設定するとロボットが格納場所から自動で発進し掃除を開始する。作業後はスタート位置に自動的に戻る。コンピュータとセンサーを搭載し、障害物を検知・回避しながら作業を行う。また、光ファイバージャイロを利用した方向検出機能と、車輪からの走行距離検出機能を使って自らの位置を確認しながら走行することができる。
走行速度は時速1.8km。大型タイプのバッテリーを使用すれば約4時間20分の稼動が可能。さらに、エレベーターに専用の光信号装置を設置すれば、ロボットが光通信でエレベーターを自ら操作してフロアを移動、清掃作業を行うこともできる。富士重工によると「RFS1」の1平方メートルあたりの清掃コストは80円で、人間で行った場合の130円よりも費用を抑えられるという。
価格はロボット本体が500万円。エレベーターと連動させた場合のシステムでは1000万円。晴海のトリトンスクエア(東京・中央区)や六本木ヒルズ(港区)、新宿エルタワー(新宿区)などで導入されており、現在45台が稼動している。
大賞受賞について、石川和良・富士重工業クリーン事業システム技術課長は「第1回の受賞で歴史に残るので嬉しい。(ビルの清掃を効率的に行いたいという)顧客のニーズとロボット技術が上手くマッチングしたサービスロボットという点が評価されたと思っている。今後は駆動時間の延長や半導体工場などのクリーンルームを清掃するロボットを作っていきたい」と述べた。
大賞のほかにも中小企業ならではの活躍をしたロボットに贈られる「中小企業特別賞」も発表された。「中小企業特別賞」には近藤科学の一般向け二足歩行ロボット「KHR-2HV」が受賞した。
「KHR-2HV」は高さ183×幅353mmで、17の駆動軸で滑らかな動きが特徴。転倒しないようジャイロセンサーを内蔵する。本体は軽量アルミ合金フレーム製。電源にはニッケル水素バッテリーを使用し、10-15分程度の稼動が可能。側転をしたり、ボールを蹴るといった動作もできる。価格はオープンで、実勢価格は9万円程度。近藤俊博社長は「遊びだけでなく、研究や教育用といった用途にも展開していきたい」と今後の抱負を述べた。
また、今回は特別に「審査員特別賞」も発表され、セコムの食事支援ロボット「マイスプーン」が受賞した。手の不自由な高齢者や身体障害者の食事を手助けするロボットで、利用者がジョイスティックの操作で食事トレイの中の食べ物を口元まで運ぶことができる。
ごはんをはじめ、煮物やサラダ、お粥や豆腐といったやわらかい料理まで運ぶことが可能で、利用者の状態や症状に合わせて操作モードを「自動」「半自動」「手動」から選ぶことができる。
表彰式に出席した甘利明・経済産業大臣は大賞について「社会に役立つロボットの開発、実用化につなげたい」と創設理由を語った上で、「日本のロボット技術はトップレベルで、国際競争力の源となっている。今後もロボット産業の振興に向けた整備を行うと同時に、わが国のロボット技術で(世界)市場をリードしていくようにしたい」と抱負を述べた。
経済産業省はロボット市場の創出に貢献したロボットを表彰する「今年のロボット大賞」を創設、第1回の「『今年のロボット』大賞2006」を12月21日に発表した。152件の応募の中から大賞に選ばれたのは富士重工業と住友商事が開発したビル清掃ロボット「RFS1」。同日には、東京・青山で表彰式が行われた。式には甘利明・経済産業大臣も出席した。
「RFS1」はオフィスビルの床を掃除するロボット。清掃時間や場所を設定するとロボットが格納場所から自動で発進し掃除を開始する。作業後はスタート位置に自動的に戻る。コンピュータとセンサーを搭載し、障害物を検知・回避しながら作業を行う。また、光ファイバージャイロを利用した方向検出機能と、車輪からの走行距離検出機能を使って自らの位置を確認しながら走行することができる。
走行速度は時速1.8km。大型タイプのバッテリーを使用すれば約4時間20分の稼動が可能。さらに、エレベーターに専用の光信号装置を設置すれば、ロボットが光通信でエレベーターを自ら操作してフロアを移動、清掃作業を行うこともできる。富士重工によると「RFS1」の1平方メートルあたりの清掃コストは80円で、人間で行った場合の130円よりも費用を抑えられるという。
価格はロボット本体が500万円。エレベーターと連動させた場合のシステムでは1000万円。晴海のトリトンスクエア(東京・中央区)や六本木ヒルズ(港区)、新宿エルタワー(新宿区)などで導入されており、現在45台が稼動している。
大賞受賞について、石川和良・富士重工業クリーン事業システム技術課長は「第1回の受賞で歴史に残るので嬉しい。(ビルの清掃を効率的に行いたいという)顧客のニーズとロボット技術が上手くマッチングしたサービスロボットという点が評価されたと思っている。今後は駆動時間の延長や半導体工場などのクリーンルームを清掃するロボットを作っていきたい」と述べた。
大賞のほかにも中小企業ならではの活躍をしたロボットに贈られる「中小企業特別賞」も発表された。「中小企業特別賞」には近藤科学の一般向け二足歩行ロボット「KHR-2HV」が受賞した。
「KHR-2HV」は高さ183×幅353mmで、17の駆動軸で滑らかな動きが特徴。転倒しないようジャイロセンサーを内蔵する。本体は軽量アルミ合金フレーム製。電源にはニッケル水素バッテリーを使用し、10-15分程度の稼動が可能。側転をしたり、ボールを蹴るといった動作もできる。価格はオープンで、実勢価格は9万円程度。近藤俊博社長は「遊びだけでなく、研究や教育用といった用途にも展開していきたい」と今後の抱負を述べた。
また、今回は特別に「審査員特別賞」も発表され、セコムの食事支援ロボット「マイスプーン」が受賞した。手の不自由な高齢者や身体障害者の食事を手助けするロボットで、利用者がジョイスティックの操作で食事トレイの中の食べ物を口元まで運ぶことができる。
ごはんをはじめ、煮物やサラダ、お粥や豆腐といったやわらかい料理まで運ぶことが可能で、利用者の状態や症状に合わせて操作モードを「自動」「半自動」「手動」から選ぶことができる。
表彰式に出席した甘利明・経済産業大臣は大賞について「社会に役立つロボットの開発、実用化につなげたい」と創設理由を語った上で、「日本のロボット技術はトップレベルで、国際競争力の源となっている。今後もロボット産業の振興に向けた整備を行うと同時に、わが国のロボット技術で(世界)市場をリードしていくようにしたい」と抱負を述べた。