NECエンジニアリング、最大256kbpsでFOMAからデータを送信できるルータ

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2006/11/29 10:13

 NECエンジニアリングは11月28日、NTTドコモの第三世代携帯電話「FOMA(フォーマ)」のデータ通信サービスを使って動画などをダイヤルアップ接続で送信するルータ「IPBird(アイピーバード)-5040」を開発、07年3月に発売すると発表した。

 NECエンジニアリングは11月28日、NTTドコモの第三世代携帯電話「FOMA(フォーマ)」のデータ通信サービスを使って動画などをダイヤルアップ接続で送信するルータ「IPBird(アイピーバード)-5040」を開発、07年3月に発売すると発表した。

 本体にFOMAのデータ通信カードを差し込み、64Kbps(キロビット/秒)のFOMAのデータ通信を利用してデータを送信できる。同時に接続した複数の回線を1つの仮想回線として扱うことで通信速度を高速化する技術「マルチリンク接続」に対応。最大4回線をマルチリンク接続することで、理論値で最高256Kbpsの高速通信を実現する。有線LANポートも2基装備する。

 同社では、火災など災害の現場や工場、踏み切りの監視といった、映像での情報収集や監視システムでのデータ送信機器としての利用を想定。火災現場の映像伝送の場合には、ビデオカメラなどで現場を撮影した映像をエンコーダーで圧縮し、「IPBird-5040」を使ってFOMA網で送信。データを受信した管理センターがデコーダーで映像を再生することで、火災現場の対策に役立てる。

 受信側は、FOMAで送信された通信を固定網のISDN(総合デジタル通信網)経由で受けることもできる。今後は3.5Gの携帯電話網を使った高速パケット通信サービス「HSDPA」にも対応していく予定。電源はDC12Vのバッテリーを使用するため、車両への搭載や持ち運び機器への組み込みもできる。

 価格は39万9000円。NECエンジニアリングでは、NTTドコモをはじめ、監視システムなどを手がけるシステムインテグレーターなどに販売し、発売3年で5000台の出荷を見込んでいる。