東芝など5社、家電の環境効率の改善度合いを示す統一ガイドライン
東芝、日立製作所、富士通、松下電器産業、三菱電機の5社は11月27日、電気製品の環境効率の改善度合いを示す指標について、エアコン、冷蔵庫、ランプ、照明器具で指標算出方法などを統一した「標準化ガイドライン」を制定したと発表した。
ガイドラインでは、標準化する製品の環境効率指標を「共通ファクター(仮称)」という名称で統一し、別途定めるマークや簡単な数値などを用いて表示する。「共通ファクター(仮称)」は、「製品の価値」を、その製品による「環境への影響」で割った「環境効率」の評価製品と基準年度における同種の製品との比を示すもので、当面は2000年度を基準年とする。
「製品の価値」は、対象製品の主要機能や性能を考慮して適用製品ごとに決定。たとえば、主要な機能の性能と標準使用期間の積として表す。「環境への影響」については、当面は、「製品のライフサイクル全体で温室効果ガスの排出量」とし、「素材・部品製造」「製品製造」「使用」「廃棄・リサイクル」といったライフサイクル全体ごとの温室効果ガスの発生量などを合算する。
第一段階として、家庭での電力消費量が大きいエアコン、冷蔵庫、ランプ(電球、蛍光灯)、ランプ含む照明器具で適用する。策定したガイドラインを利用することで、メーカーは新製品と過去に販売した同型製品を比べて機能の向上と環境対策の改善度合いを示すことが可能になる。過去の製品は各社で異なるため他社製品との比較はできないが、同じメーカー間では「買い替え効果の目安」として活用することもできる。
5社では、これまでも性能や使いやすさの向上と環境に対する影響の低減を同時に達成した家電製品を「ファクターX」と呼ぶ指標名で表してきた。しかし、各社で表示形式や算出方法が異なる上、算出の基礎データなどの公開も限られていたため、消費者には浸透しなかった。
そこで今回、一般への認知度を高められるように指標名と算出方法を統一、ガイドラインを制定することにした。今後はパソコンや携帯電話など適用製品の拡大や技術的な課題の解決に取り組むと同時に、名称や表示形式の検討も進めていく方針。