センドメール、Eメールの父Allman氏が、Eメールの来し方行く末について講演
センドメール(小島國照社長)は、世界初のインターネットメールプログラム「sendmail」の開発25周年を記念して、「Eメールの生みの親」と言われるEric Allman(リック・オールマン)氏によるセミナー「メール四半世紀の歴史を振り返り、2015年のメールのあり方を展望する」を11月21日に開催した。
センドメール(小島國照社長)は、世界初のインターネットメールプログラム「sendmail」の開発25周年を記念して、「Eメールの生みの親」と言われるEric Allman(リック・オールマン)氏によるセミナー「メール四半世紀の歴史を振り返り、2015年のメールのあり方を展望する」を11月21日に開催した。
オールマン氏は1981年に「sendmail」を開発し、98年に米・センドメールを設立。現在はCSOとして製品の技術戦略と開発を指揮している。オールマン氏は講演の冒頭、「よくEメールの生みの親と言われるが、本当の生みの親は71年に世界で初めてEメールの送信を行ったRay Tomlinson氏だ」とコメント。最初のEメールは69年に誕生した国防総省の高等研究計画局(ARPA)が導入したコンピューターネットワーク「ARPANET」を通じて2つのホスト間で行われた。その後、学術的に使われていたEメールは商用でも使われるようになった。
最初のスパムメールが発生したのは78年のこと。悪意のあるいたずらではなく、ある種の事故だった。PCメーカーのセールスマンが新製品の告知メールを「ARPANET」のアドレスを使って大量に送信したことによって起こった。
「このセールスマンはすぐに非を認め、謝罪している。当時、インターネットやEメールは学術研究者の間でリソースを共有したり、分からない問題を解決する手段として、良い形で利用されてきた」とオールマン氏。スパムメールは事故として発生したものしかなく、利用者もセキュリティについて考える必要がなかったと言う。
しかし、インターネット上の平和は87年にリリースされた1本の映画により、打ち破られた。「その映画は“貪欲は善である”という内容だった。映画を作った人にとって、それはちょっとしたジョークだったかもしれないが、“貪欲は善”という考え方が生まれ、またインターネットの世界でもインターネットを使って金儲けをしよう、という考えを持つ人が生まれた」(オールマン氏)と言う。
88年には不特定多数の人々の間を増殖しながら転送されていく「チェーンメール」が発生した。それまでは「チェーンレター」として紙と郵便を使って広がっていたものが、Eメールを使って広がるようになり、被害はねずみ算式に膨れ上がった。そして94年、ついに最初の大規模スパムメール「グリーン・カード・スパム」が発生した。
「グリーン・カード」とはアメリカの「外国人永久居住権及びその証明書」のこと。移民となっている人たちがこの「グリーン・カード」を手に入れるとアメリカ国内で仕事をすることができるようになる。「グリーン・カード・スパム」ではこの「グリーン・カード」が抽選で当たる、という広告メールだった。
オールマン氏はこの「グリーン・カード・スパム」がEメールの歴史の大きなターニング・ポイントだったと語る。その後、インターネットの世界は一変。Eメールにウイルスを添付したウイルスメールまでも発生するようになった。これらのスパムメール、ウイルスメールに対処するため、暗号化技術やドメイン技術などの開発が進められていった。
オールマン氏は「スパムメールとは、いうなれば受信者にとって必要ないメールのこと。ある人にとっては必要なメールも、他の誰かにとってはスパムメールとなる。そのため、スパムメールがなくなることはありえないが、送信元を確認する仕組みが普及することで、問題の一部を解決することはできる」と強調した。
質疑応答では「WEB2.0のようにEメール2.0の誕生は?」という質問に対し、オールマン氏は「Eメールの根本的な部分、例えばSMTPについては今後大きく変化しないだろう。私はGoogle Mapを初めて見たとき、これは素晴らしい、と感動したが、メールにそれと同じことが起こるかということは疑問だ」と述べた。
また「大量のEメールをどのように管理すればいいか」という質問に対し、オールマン氏は苦笑いしつつ、「Eメールの利用を減らせばいい。今の人々はEメールを使いすぎだ」とコメント。「電話で済むことや、ちょっと顔を合わせて話をすれば済むことでも、人々はメールを使いたがる。私に送られてくるメールの半分は、実は大した内容ではない。これを仕分けるのに時間がかかってしまう。みなさんにはもっと顔を合わせて直接会話することをお勧めしたい」と話した。
センドメール(小島國照社長)は、世界初のインターネットメールプログラム「sendmail」の開発25周年を記念して、「Eメールの生みの親」と言われるEric Allman(リック・オールマン)氏によるセミナー「メール四半世紀の歴史を振り返り、2015年のメールのあり方を展望する」を11月21日に開催した。
オールマン氏は1981年に「sendmail」を開発し、98年に米・センドメールを設立。現在はCSOとして製品の技術戦略と開発を指揮している。オールマン氏は講演の冒頭、「よくEメールの生みの親と言われるが、本当の生みの親は71年に世界で初めてEメールの送信を行ったRay Tomlinson氏だ」とコメント。最初のEメールは69年に誕生した国防総省の高等研究計画局(ARPA)が導入したコンピューターネットワーク「ARPANET」を通じて2つのホスト間で行われた。その後、学術的に使われていたEメールは商用でも使われるようになった。
最初のスパムメールが発生したのは78年のこと。悪意のあるいたずらではなく、ある種の事故だった。PCメーカーのセールスマンが新製品の告知メールを「ARPANET」のアドレスを使って大量に送信したことによって起こった。
「このセールスマンはすぐに非を認め、謝罪している。当時、インターネットやEメールは学術研究者の間でリソースを共有したり、分からない問題を解決する手段として、良い形で利用されてきた」とオールマン氏。スパムメールは事故として発生したものしかなく、利用者もセキュリティについて考える必要がなかったと言う。
しかし、インターネット上の平和は87年にリリースされた1本の映画により、打ち破られた。「その映画は“貪欲は善である”という内容だった。映画を作った人にとって、それはちょっとしたジョークだったかもしれないが、“貪欲は善”という考え方が生まれ、またインターネットの世界でもインターネットを使って金儲けをしよう、という考えを持つ人が生まれた」(オールマン氏)と言う。
88年には不特定多数の人々の間を増殖しながら転送されていく「チェーンメール」が発生した。それまでは「チェーンレター」として紙と郵便を使って広がっていたものが、Eメールを使って広がるようになり、被害はねずみ算式に膨れ上がった。そして94年、ついに最初の大規模スパムメール「グリーン・カード・スパム」が発生した。
「グリーン・カード」とはアメリカの「外国人永久居住権及びその証明書」のこと。移民となっている人たちがこの「グリーン・カード」を手に入れるとアメリカ国内で仕事をすることができるようになる。「グリーン・カード・スパム」ではこの「グリーン・カード」が抽選で当たる、という広告メールだった。
オールマン氏はこの「グリーン・カード・スパム」がEメールの歴史の大きなターニング・ポイントだったと語る。その後、インターネットの世界は一変。Eメールにウイルスを添付したウイルスメールまでも発生するようになった。これらのスパムメール、ウイルスメールに対処するため、暗号化技術やドメイン技術などの開発が進められていった。
オールマン氏は「スパムメールとは、いうなれば受信者にとって必要ないメールのこと。ある人にとっては必要なメールも、他の誰かにとってはスパムメールとなる。そのため、スパムメールがなくなることはありえないが、送信元を確認する仕組みが普及することで、問題の一部を解決することはできる」と強調した。
質疑応答では「WEB2.0のようにEメール2.0の誕生は?」という質問に対し、オールマン氏は「Eメールの根本的な部分、例えばSMTPについては今後大きく変化しないだろう。私はGoogle Mapを初めて見たとき、これは素晴らしい、と感動したが、メールにそれと同じことが起こるかということは疑問だ」と述べた。
また「大量のEメールをどのように管理すればいいか」という質問に対し、オールマン氏は苦笑いしつつ、「Eメールの利用を減らせばいい。今の人々はEメールを使いすぎだ」とコメント。「電話で済むことや、ちょっと顔を合わせて話をすれば済むことでも、人々はメールを使いたがる。私に送られてくるメールの半分は、実は大した内容ではない。これを仕分けるのに時間がかかってしまう。みなさんにはもっと顔を合わせて直接会話することをお勧めしたい」と話した。