東証、注文件数上限を1日1400万件に、ライブドア事件後の一連の増強終える
東京証券取引所(東証、西室泰三代表取締役社長兼会長)は11月6日、株式・CB売買システムと相場報道システムについての増強を完了し、運用を開始したと発表した。株式とCBの売買システムについては、1日あたり注文件数をこれまでの1200万件から1400万件に増強。また相場報道システムについては、1分あたりの売買情報配信件数をこれまでの2万件から3万件に増強した。
これで、1月に発覚した、いわゆるライブドア事件を発端とする東証のシステム増強が完了した。東証では09年に取引システム全般の刷新を予定しているため、「現システムでは今のところ増強予定はないが、今後も状況をみて増強することもあり得る」(広報)としている。
1月16日、東京地検特捜部が証券取引法違反の疑いでライブドア本社などに対して強制捜査を行ったことで、翌日からライブドア関連株を中心に売買が集中。1月18日には注文や約定が膨らんでシステム処理能力を超える可能性がでてきたため、東証は場中にもかかわらず株式・CBの全面売買停止を余儀なくされた。以降後場の開始時刻を遅らせたりライブドア株の取引時間を限定するなどの緊急対策で急場をしのぎ、緊急増強を含め複数回のシステム増強などを行ってきた。その結果、事件発覚当初の1月現在で450万件だった約定件数の上限は、1月の緊急増強を経て、5月に実施したシステム増強で約1.9倍の840万件に、また同900万件だった注文件数も5月の増強や今回の増強で約1.6倍の1400万件になった。