東陽テクニカ、居眠り運転を、頭やまぶたの動きなどから検知するシステム
東陽テクニカ(福本高一郎社)は10月23日、ドライバーの視線や頭部運動などをリアルタイムに収集・分析し、居眠り運転や脇見運転の研究が行えるシステム「AntiSleepシステム」「Proシステム」を発売したと発表した。
2つのシステムともに赤外線発光装置、赤外線CCDカメラ、カメラ用スイッチボックス、専用ソフトを入れたパソコンで構成。赤外線CCDカメラでドライバーの顔を撮影し、リアルタイムで画像情報を収集することで、ドライバーの「視線」「まぶたの開き」「頭部運動」などを分析する。
例えば、まぶたの開きが小さかったり、頭部が左右に動いているようであれば、居眠りをしている可能性が高いというようにドライバーの状態が把握できる。結果は数値やグラフなどで表示する。システムはスウェーデンのスマートアイ社が開発した。
赤外光の波長だけが通過するフィルターを装備したCCDカメラを利用しているため、ドライバーの顔に直射日光があたり、明暗の差が非常に激しくなる状況や突然トンネルに入ったり出たりして瞬時に光の状態が変化する状況などの光環境でも連続で安定した測定が可能。
また、赤外線はメガネやサングラスを透過するため、メガネ、サングラスはもちろん、コンタクトレンズ、さらに目の色が違っても影響を受けることなく、ドライバーの状態を測ることができるという。赤外線の反射は軽減することもできる。
「AntiSleepシステム」はCCDカメラを1台使用。ソフトのスタートボタンを押すだけで、ドライバーの特徴を自動的に認識して計測と解析が行える。画像分析に3次元処理ソフトを利用することで、1台のカメラでも対応できるようにした。
一方、「Proシステム」は複数のカメラを使用し、測定の範囲を広げると同時に精度を高めたシステム。「AntiSleepシステム」同様、スタートボタンを押すだけで、計測と分析が可能。ただし、ドライバーの特徴は最初にカメラで撮影を行い、セミオートマチックか手動での設定が必要。登録作業はセミオートマチックモードならば10分程度、手動でも20分程度で完了する。
税別価格は2システムともに最小構成で600万円から。東陽テクニカでは自動車ドライバーの人間工学研究を行う研究機関などでの利用やフライトシミュレーターといった分野での用途を想定、初年度で1億円の売り上げを見込む。