さながら「ハイビジョン祭り」のCEATEC、蛇行OKに成長したセイサク君も登場
10月3日から千葉の幕張メッセで開幕した家電展示会「CEATEC 2006」。今年は国内外から前年より19社多い、807社・団体が参加した。中でも主要家電メーカーがテーマにしているのが「高精細・高画質映像」。薄型テレビや次世代DVDなど家庭でハイビジョン映像を楽しめる機器を前面に打ち出した展示で来場者の注目を集めている。
10月3日から千葉の幕張メッセで開幕した家電展示会「CEATEC 2006」。今年は国内外から前年より19社多い、807社・団体が参加した。中でも主要家電メーカーがテーマにしているのが「高精細・高画質映像」。薄型テレビや次世代DVDなど家庭でハイビジョン映像を楽しめる機器を前面に打ち出した展示で来場者の注目を集めている。
●フルHDの4倍の画素で迫る次世代液晶をシャープが参考出品
液晶テレビ最大手のシャープのブースでは、今年8月に稼動した亀山第2工場製のフルハイビジョン(フルHD)の大型液晶テレビ「AQUOS(アクオス)」を中心にシリーズすべての機種を展示。フルHD液晶の画質の高さをアピールしている。
シャープの出展で注目されるのが次世代液晶ディスプレイの展示。その1つが今回参考出品されたフルHDの4倍、884万画素を持つ64V型の超高精細液晶パネル。4096×2160画素のデジタルシネマに対応した世界初のディスプレイで、商品化は未定だ。
もう1つが、放送局などの業務用に開発された100万:1以上と高コントラストの液晶パネル「メガコントラスト液晶」。出品されのは65V型でフルHDに対応した世界初のパネル。展示スペースではメガコントラスト液晶が持つ映像のメリハリ感、暗い部分のディテール再現性といった特徴を従来の液晶パネルとの比較を通じてアピールしていた。
シャープでは、これら2つの展示で「他社に先駆けて次世代ディスプレイを見据えた技術力を持っている証をアピールしたい」(広報)としている。
一方ソニーは「ハイビジョン生活」をテーマに次世代DVD規格「ブルーレイディスク(BD)」をテーマに製品展示。中心となるのは10月3日に発表した12月発売のBDレコーダー「BDZ-V9」「BDZ-7V」。さらにハイビジョンハンディカムや液晶テレビ「BRAVIA(ブラビア)」、などと連携したデモンストレーションを行っていた。
BD関連製品で来場者の注目を集めていたのが11月に発売される次世代ゲーム機「プレイステーション3(PS3)」。再生用のBDドライブを搭載し、ゲームのみならずBDソフトの再生も可能。展示では映画ソフトを再生して、「BDプレーヤー」としてのPS3の画質の高さをアピールしていた。
●もっとも注目を集めたのは、キヤノン・東芝共同開発のSEDディスプレイ
松下電器産業ではフルHD対応のプラズマテレビを中心とした薄型テレビ「VIERA(ビエラ)」を中心にデジタルカメラや11月発売のBDレコーダーなどの製品群を展示している。
特に「ハイビジョンで拡がる豊かな生活」をテーマに世界最大の103V型フルHDプラズマパネルを使って行われた製品紹介のデモンストレーションには、黒山の人だかり。
103V型プラズマパネル2枚を使い、左のパネルが回転すると、そのパネルに映った女性が右のパネルに移動していくといった2枚のパネルを連動させた映像を表示。103V型の大画面の迫力とフルHDの高画質を見た人たちに訴えながら、BDレコーダーやデジタル一眼レフなどの製品紹介を行っていた。
松下では、SDメモリーカードにハイビジョン映像が記録できる「AVCHD」方式のデジタルハイビジョンビデオカメラも出展。試作機はハイビジョン用に新開発のCCDを3枚使った「3CCDカメラシステム」と「映像信号処理LSI」を搭載する。「SD」と「SDHC」に対応し、4GBのSDHCで約85分のハイビジョン映像を録画できる。年内の商品化を目指しており、価格は未定だという。
薄型テレビの展示でもっとも注目を集めていたのが、キヤノン・東芝が共同で開発を進めている「SED(表面電界)ディスプレイ」のブース。明るい家庭のリビングと薄暗いホームシアター環境でSEDを使って映画や音楽などの映像を上映するデモは毎回常に満員状態だった。
出品されたのは55型のフルHDタイプのSEDディスプレイ。従来のワイドXGAから大幅にバージョンアップを図った。輝度も450cd/m2、暗所コントラストも5万:1に向上。暗い色から明るい色まで鮮やかに表示できるようにした。会場では「文楽」のパフォーマンスを行い、その様子をSEDに映すといったデモも行われた。
キヤノン、東芝では07年までにSEDテレビを市場に投入し、08年内には本格的な量産体制を固める予定。薄型テレビ市場でシェアを二分するプラズマテレビ、液晶テレビに対しSEDがどこまで食い込めるかが今後注目される。
●S字カーブもOKになったムラタセイサク君、実用間近の小型音声翻訳機も
このほか、村田製作所のブースに登場したのは「ムラタセイサク君」。身長約50cmで体重5k、時速2kmで走行する自転車に乗る小型ロボットで、村田製作所が開発した。
セイサク君は、障害物や傾き、曲がりを感知するセンサーを搭載。旧バージョンでは自転車に乗りながらも倒れずに平均台を直線走行したり、停止するといった動作で注目を集めた。今回は改良を加えバージョンアップ。なんと坂道走行やS字平均台走行なども自転車でこなせるようになった。
さらに無線規格「Bluetooth」を使い、携帯電話などからの無線操作もできるようになった。S字平均台カーブを走行するデモではセイサク君が無事ゴールに辿り着くと、ブースに集まった来場者から拍手が送られていた。
携帯型音声翻訳端末を出品したのはシャープ。サイズは幅62×高さ100×厚さ19mm程度と手のひらに納まる大きさで、重さは100g。日本語-英語、英語-日本語の翻訳に対応する。本体のボタンを押しながら日本語または英語で話しかけると数秒で自動的に翻訳され、それぞれの対訳を画面に表示しながら音声でも「しゃべる」。
旅行会話用の日本語、英語の文例データベースを内蔵し、発話した言葉を文例と照らし合わせて翻訳できる。音声認識技術と音声合成ソフトは日本IBMの技術を採用し、端末用に共同開発した。
シャープでは旅行会話に翻訳範囲を絞り込むことで、パソコン並みの処理能力が必要な音声翻訳機能を小型・高速化した。価格は未定で、年内の商品化を目指している。
CEATEC 2006は10月7日まで開催。7日までの5日間で過去最多となる20万人の来場者を見込んでいる。
10月3日から千葉の幕張メッセで開幕した家電展示会「CEATEC 2006」。今年は国内外から前年より19社多い、807社・団体が参加した。中でも主要家電メーカーがテーマにしているのが「高精細・高画質映像」。薄型テレビや次世代DVDなど家庭でハイビジョン映像を楽しめる機器を前面に打ち出した展示で来場者の注目を集めている。
●フルHDの4倍の画素で迫る次世代液晶をシャープが参考出品
液晶テレビ最大手のシャープのブースでは、今年8月に稼動した亀山第2工場製のフルハイビジョン(フルHD)の大型液晶テレビ「AQUOS(アクオス)」を中心にシリーズすべての機種を展示。フルHD液晶の画質の高さをアピールしている。
シャープの出展で注目されるのが次世代液晶ディスプレイの展示。その1つが今回参考出品されたフルHDの4倍、884万画素を持つ64V型の超高精細液晶パネル。4096×2160画素のデジタルシネマに対応した世界初のディスプレイで、商品化は未定だ。
もう1つが、放送局などの業務用に開発された100万:1以上と高コントラストの液晶パネル「メガコントラスト液晶」。出品されのは65V型でフルHDに対応した世界初のパネル。展示スペースではメガコントラスト液晶が持つ映像のメリハリ感、暗い部分のディテール再現性といった特徴を従来の液晶パネルとの比較を通じてアピールしていた。
シャープでは、これら2つの展示で「他社に先駆けて次世代ディスプレイを見据えた技術力を持っている証をアピールしたい」(広報)としている。
一方ソニーは「ハイビジョン生活」をテーマに次世代DVD規格「ブルーレイディスク(BD)」をテーマに製品展示。中心となるのは10月3日に発表した12月発売のBDレコーダー「BDZ-V9」「BDZ-7V」。さらにハイビジョンハンディカムや液晶テレビ「BRAVIA(ブラビア)」、などと連携したデモンストレーションを行っていた。
BD関連製品で来場者の注目を集めていたのが11月に発売される次世代ゲーム機「プレイステーション3(PS3)」。再生用のBDドライブを搭載し、ゲームのみならずBDソフトの再生も可能。展示では映画ソフトを再生して、「BDプレーヤー」としてのPS3の画質の高さをアピールしていた。
●もっとも注目を集めたのは、キヤノン・東芝共同開発のSEDディスプレイ
松下電器産業ではフルHD対応のプラズマテレビを中心とした薄型テレビ「VIERA(ビエラ)」を中心にデジタルカメラや11月発売のBDレコーダーなどの製品群を展示している。
特に「ハイビジョンで拡がる豊かな生活」をテーマに世界最大の103V型フルHDプラズマパネルを使って行われた製品紹介のデモンストレーションには、黒山の人だかり。
103V型プラズマパネル2枚を使い、左のパネルが回転すると、そのパネルに映った女性が右のパネルに移動していくといった2枚のパネルを連動させた映像を表示。103V型の大画面の迫力とフルHDの高画質を見た人たちに訴えながら、BDレコーダーやデジタル一眼レフなどの製品紹介を行っていた。
松下では、SDメモリーカードにハイビジョン映像が記録できる「AVCHD」方式のデジタルハイビジョンビデオカメラも出展。試作機はハイビジョン用に新開発のCCDを3枚使った「3CCDカメラシステム」と「映像信号処理LSI」を搭載する。「SD」と「SDHC」に対応し、4GBのSDHCで約85分のハイビジョン映像を録画できる。年内の商品化を目指しており、価格は未定だという。
薄型テレビの展示でもっとも注目を集めていたのが、キヤノン・東芝が共同で開発を進めている「SED(表面電界)ディスプレイ」のブース。明るい家庭のリビングと薄暗いホームシアター環境でSEDを使って映画や音楽などの映像を上映するデモは毎回常に満員状態だった。
出品されたのは55型のフルHDタイプのSEDディスプレイ。従来のワイドXGAから大幅にバージョンアップを図った。輝度も450cd/m2、暗所コントラストも5万:1に向上。暗い色から明るい色まで鮮やかに表示できるようにした。会場では「文楽」のパフォーマンスを行い、その様子をSEDに映すといったデモも行われた。
キヤノン、東芝では07年までにSEDテレビを市場に投入し、08年内には本格的な量産体制を固める予定。薄型テレビ市場でシェアを二分するプラズマテレビ、液晶テレビに対しSEDがどこまで食い込めるかが今後注目される。
●S字カーブもOKになったムラタセイサク君、実用間近の小型音声翻訳機も
このほか、村田製作所のブースに登場したのは「ムラタセイサク君」。身長約50cmで体重5k、時速2kmで走行する自転車に乗る小型ロボットで、村田製作所が開発した。
セイサク君は、障害物や傾き、曲がりを感知するセンサーを搭載。旧バージョンでは自転車に乗りながらも倒れずに平均台を直線走行したり、停止するといった動作で注目を集めた。今回は改良を加えバージョンアップ。なんと坂道走行やS字平均台走行なども自転車でこなせるようになった。
さらに無線規格「Bluetooth」を使い、携帯電話などからの無線操作もできるようになった。S字平均台カーブを走行するデモではセイサク君が無事ゴールに辿り着くと、ブースに集まった来場者から拍手が送られていた。
携帯型音声翻訳端末を出品したのはシャープ。サイズは幅62×高さ100×厚さ19mm程度と手のひらに納まる大きさで、重さは100g。日本語-英語、英語-日本語の翻訳に対応する。本体のボタンを押しながら日本語または英語で話しかけると数秒で自動的に翻訳され、それぞれの対訳を画面に表示しながら音声でも「しゃべる」。
旅行会話用の日本語、英語の文例データベースを内蔵し、発話した言葉を文例と照らし合わせて翻訳できる。音声認識技術と音声合成ソフトは日本IBMの技術を採用し、端末用に共同開発した。
シャープでは旅行会話に翻訳範囲を絞り込むことで、パソコン並みの処理能力が必要な音声翻訳機能を小型・高速化した。価格は未定で、年内の商品化を目指している。
CEATEC 2006は10月7日まで開催。7日までの5日間で過去最多となる20万人の来場者を見込んでいる。