BCNが年末商戦予測、デジカメは晴れ、薄型テレビは晴れところにより曇り
BCN(奥田喜久男社長)は9月28日、都内で記者会見を開き、「BCNランキング」をもとにした06年の年末商戦予測を発表した。天気予報になぞらえて、薄型テレビは「晴れところにより曇り」、DVDレコーダーは「曇り」。また、一眼レフが好調のデジタルカメラは「晴れ」とした。
BCN(奥田喜久男社長)は9月28日、都内で記者会見を開き、「BCNランキング」をもとにした06年の年末商戦予測を発表した。天気予報になぞらえて、薄型テレビは「晴れところにより曇り」、DVDレコーダーは「曇り」。また、一眼レフが好調のデジタルカメラは「晴れ」とした。
●順調な立ち上がりを見せる薄型テレビの新モデル
薄型テレビ市場は、サッカー・ワールドカップ(W杯)需要の反動で8-9月に大きく落ち込んだが、在庫調整はほぼ終了。9月に各社が投入した年末商戦用の新モデルが順調に立ち上がり始め、9月(9月1日-20日)の台数ベースでは前年同月比138.2%、金額ベースで同126.0%と回復。9月第4週での新/旧モデルの台数構成比では、前年では新モデルの構成比が12.7%であったのに対し、今年は19.2%と上昇。価格下落に歯止めがかかりそうだ。
液晶テレビとプラズマテレビの販売台数比率は「9対1」で、依然として液晶テレビが大多数を占めるものの、プラズマが徐々にシェアを上げてきている。液晶テレビの需要の中心は価格の下落が激しい32-37型。市場全体の低価格化に歯止めをかけるため、各社は「大画面化」を唱えているが、液晶テレビの大型化は、まだ足踏み状態だ。例えば、30型台と40型台の価格差は10万円ほどで、こうした要因も大型化シフトの足を鈍らせているようだ。
●徐々に回復の兆しを見せるHDD-DVDレコーダー市場
HDD-DVDレコーダー市場は、W杯需要で一時的に対前年比プラスに転じた5月と6月を除き、昨年末から前年同月比80%前後で推移している。ここにきてメーカー各社は年末商戦用モデルとして「ビエラリンク」「AQUOSリンク」などの機能を搭載し、薄型テレビと連携する新製品を投入。9月には台数ベースで同88.4%、金額ベースで同96.1%と、わずかにもち直してきた。
特にフルハイビジョンに対応した画像エンジンなどを搭載する、単価の高い新モデルが好調で、平均単価を押し上げている。年末には台数ベースでも前年同月比90%程度までに回復しそうだ。
一方、注目されている「HD DVD」「BD」の各次世代レコーダーは、価格が高く、年末商戦での立ち上がりはあまり期待できない。本格的に需要が喚起されるのは来年の夏商戦あたりと見られる。
●一眼レフがけん引し、デジタルカメラ市場は「晴れ」マーク
需要が一巡し、前年割れのまま推移するデジタルカメラ市場だが、06年6月の台数ベースは前年同月比92.0%、金額ベースで同92.8%を谷底とし、緩やかな回復を見せている。9月には台数ベースで同104.8%、金額ベースで同106.5%と前年実績を超えた。
タイプ別ではレンズ交換式の一眼レフカメラが健闘し、デジタルカメラ市場全体をけん引。新たにソニーと松下が参入して市場が活性化した7月以降、大きく伸びている。キヤノンが新モデル「EOS Kiss Digital X」を投入した9月に入って、一眼レフタイプは台数ベースで前年同月比173.5%、金額ベースで同172.2%と高い伸びを記録した。この大きな伸びは一時的なものと思われるが、年末までは同130%程度を維持しそう。デジタルカメラ全体でも同105-110%ほどと前年を越える水準で推移するものと思われる。
●前年割れのPC市場に久々のけん引役が登場
PC市場は、春先から夏までの間、スポーツイベントの影響でAV家電に需要を奪われ、2ケタの大幅なマイナス成長で推移してきた。しかし8月には底を打ち、回復基調に入っている。回復をけん引しているのは「Core 2 Duo」で、PC市場全体にやっと光明が見え始めている。
自作PC向けのCPU単体の販売台数と金額は06年7月まで2ケタのマイナスが続いていたが、「Core 2 Duo」発売後の8月から台数ベースで前年同月比119.3%、金額ベースで同128.8%とプラスに急転。また「Core 2 Duo」搭載PCが市場投入され始めており、今後自作PC市場だけではなく、デスクトップ・ノート市場も回復する見込みだ。
*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など22社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。
BCN(奥田喜久男社長)は9月28日、都内で記者会見を開き、「BCNランキング」をもとにした06年の年末商戦予測を発表した。天気予報になぞらえて、薄型テレビは「晴れところにより曇り」、DVDレコーダーは「曇り」。また、一眼レフが好調のデジタルカメラは「晴れ」とした。
●順調な立ち上がりを見せる薄型テレビの新モデル
薄型テレビ市場は、サッカー・ワールドカップ(W杯)需要の反動で8-9月に大きく落ち込んだが、在庫調整はほぼ終了。9月に各社が投入した年末商戦用の新モデルが順調に立ち上がり始め、9月(9月1日-20日)の台数ベースでは前年同月比138.2%、金額ベースで同126.0%と回復。9月第4週での新/旧モデルの台数構成比では、前年では新モデルの構成比が12.7%であったのに対し、今年は19.2%と上昇。価格下落に歯止めがかかりそうだ。
液晶テレビとプラズマテレビの販売台数比率は「9対1」で、依然として液晶テレビが大多数を占めるものの、プラズマが徐々にシェアを上げてきている。液晶テレビの需要の中心は価格の下落が激しい32-37型。市場全体の低価格化に歯止めをかけるため、各社は「大画面化」を唱えているが、液晶テレビの大型化は、まだ足踏み状態だ。例えば、30型台と40型台の価格差は10万円ほどで、こうした要因も大型化シフトの足を鈍らせているようだ。
●徐々に回復の兆しを見せるHDD-DVDレコーダー市場
HDD-DVDレコーダー市場は、W杯需要で一時的に対前年比プラスに転じた5月と6月を除き、昨年末から前年同月比80%前後で推移している。ここにきてメーカー各社は年末商戦用モデルとして「ビエラリンク」「AQUOSリンク」などの機能を搭載し、薄型テレビと連携する新製品を投入。9月には台数ベースで同88.4%、金額ベースで同96.1%と、わずかにもち直してきた。
特にフルハイビジョンに対応した画像エンジンなどを搭載する、単価の高い新モデルが好調で、平均単価を押し上げている。年末には台数ベースでも前年同月比90%程度までに回復しそうだ。
一方、注目されている「HD DVD」「BD」の各次世代レコーダーは、価格が高く、年末商戦での立ち上がりはあまり期待できない。本格的に需要が喚起されるのは来年の夏商戦あたりと見られる。
●一眼レフがけん引し、デジタルカメラ市場は「晴れ」マーク
需要が一巡し、前年割れのまま推移するデジタルカメラ市場だが、06年6月の台数ベースは前年同月比92.0%、金額ベースで同92.8%を谷底とし、緩やかな回復を見せている。9月には台数ベースで同104.8%、金額ベースで同106.5%と前年実績を超えた。
タイプ別ではレンズ交換式の一眼レフカメラが健闘し、デジタルカメラ市場全体をけん引。新たにソニーと松下が参入して市場が活性化した7月以降、大きく伸びている。キヤノンが新モデル「EOS Kiss Digital X」を投入した9月に入って、一眼レフタイプは台数ベースで前年同月比173.5%、金額ベースで同172.2%と高い伸びを記録した。この大きな伸びは一時的なものと思われるが、年末までは同130%程度を維持しそう。デジタルカメラ全体でも同105-110%ほどと前年を越える水準で推移するものと思われる。
●前年割れのPC市場に久々のけん引役が登場
PC市場は、春先から夏までの間、スポーツイベントの影響でAV家電に需要を奪われ、2ケタの大幅なマイナス成長で推移してきた。しかし8月には底を打ち、回復基調に入っている。回復をけん引しているのは「Core 2 Duo」で、PC市場全体にやっと光明が見え始めている。
自作PC向けのCPU単体の販売台数と金額は06年7月まで2ケタのマイナスが続いていたが、「Core 2 Duo」発売後の8月から台数ベースで前年同月比119.3%、金額ベースで同128.8%とプラスに急転。また「Core 2 Duo」搭載PCが市場投入され始めており、今後自作PC市場だけではなく、デスクトップ・ノート市場も回復する見込みだ。
*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など22社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。