ソニー、「HDV規格」対応の業務用ビデオカメラやレコーダーデッキなど
ソニーは9月21日、ハイビジョン映像をDVテープに記録できる「HDV規格」に対応し、新開発のCMOSセンサーを搭載した業務用デジタルビデオカメラ「HVR-V1J」を11月下旬に発売すると発表した。価格は56万7000円。
新たに開発した総画素数112万画素のクリアビッドCMOSセンサーを3枚搭載。光の三原色である「赤」「緑」「青」を、それぞれのセンサーで独立して撮影することで、高い解像度と優れた色再現性を実現した。
レンズには、独カールツァイス製の光学20倍ズームレンズ「バリオ・ゾナーT*」を採用。ズームは、35ミリフィルム換算で、16:9のハイビジョンサイズで37.4-748mm、4:3の通常テレビサイズで45.7-914mm。また、レンズには色収差を低減する新開発の特殊低分散ガラスを使用し、描写力の向上を図った。撮影中の映像を1.5倍に拡大して表示できる「デジタルエクステンダー」機能も備える。
さらに、有効走査線数1080本のハイビジョン映像を、DVテープに毎秒24/30フレームで記録できるプログレッシブ撮影が可能。映像信号は60フィールドで記録する。ボールがバットに当たる瞬間など、肉眼で捕らえられない速い動きを通常撮影の4倍、毎秒240フィールドのスローモーション映像で最大12秒記録できる「Smooth Slow Rec」機能や、フィルムの色調を再現できる「シネマトーンカラー」、好みの階調表現できる機能も搭載した。
そのほか、XLRタイプオーディオコネクター、タイムコード設定に加え、メニュー設定などの設定値をカメラ内部メモリーに2個、メモリースティックDuoに最大20個まで保存できる「カメラプロファイル」、別のカメラにi.LINK(IEEE1394)で接続することで、複数のカメラで同じタイムコード記録ができる「TC LINK」、ボタンを押すだけで、最後に撮影した映像を先頭まで自動で巻き戻し、カメラモードのまま映像を確認できる「ラストシーンレビュー」といった業務用カメラ向け機能を新たに搭載した。
同時に「HDV規格」対応のレコーダーデッキ「HVR-1500」、HDDレコーディングユニット「HVR-DR60」も発表した。「HVR-1500」は07年2月上旬、「HVR-DR60」は11月下旬に発売する。価格は「HVR-1500」が94万5000円、「HVR-DR60」はオープンで、実勢価格は17万円前後の見込み。
「HVR-1500」は、「HDV 1080i」「DVCAM」「DV(SP)」の記録再生に対応し、DVCAMモードでは編集用レコーダーとして使うことも可能。HDV用、DV用のi.LINKの入出力端子やアナログ出力インターフェイスを標準装備しており、別売りのHDデジタルインターフェイスボード「HVBK-1510」を装着することで、HD-SDIの出力もできる。
「HVR-DR60」は、容量60GBの1.8インチHDDを搭載。約230gと軽量ながら最大で4時間30分のハイビジョン映像が記録できる。落下の衝撃からHDDを守る「HDDスマートプロテクション」機能も備えた。大容量リチウムイオンバッテリーで、最大13.5時間の連続運用に対応する。
さらに「HVR-V1J」と組み合わせることで、同機の液晶モニターで「HVR-DR60」の状態を確認したり、テープなしで「HVR-DR60」のHDDに映像を記録するといった使い方ができる。