松下、世界初のBDビデオ再生対応BDレコーダー「ブルーレイDIGA」2機種

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2006/09/20 21:20

 松下電器産業は9月20日、次世代DVD規格「ブルーレイディスク(BD)」に対応し、デジタル放送をハイビジョン画質のまま録画できるHDD搭載BDレコーダー「ブルーレイDIGA(ディーガ)」2機種を11月15日に発売すると発表した。次世代DVDを巡っては、東芝がHD DVDレコーダーを7月に発売。BDでは、ソニーも年内にレコーダーの発売を目指しており、年末商戦に向け次世代DVDの販売競争が本格化しそうだ。

 松下電器産業は9月20日、次世代DVD規格「ブルーレイディスク(BD)」に対応し、デジタル放送をハイビジョン画質のまま録画できるHDD搭載BDレコーダー「ブルーレイDIGA(ディーガ)」2機種を11月15日に発売すると発表した。次世代DVDを巡っては、東芝がHD DVDレコーダーを7月に発売。BDでは、ソニーも年内にレコーダーの発売を目指しており、年末商戦に向け次世代DVDの販売競争が本格化しそうだ。


 松下が今回発売するのは、HDD容量500GBの上位モデル「DMR-BW200」と200GBの「DMR-BR100」。価格はともにオープンで、実勢価格は「DMR-BW200」が30万円前後、「DMR-BR100」は24万円前後の見込み。


 価格設定について、杉田卓也・ビデオビジネスユニットビジネスユニット長は、「HDDは録画した映像の仮置き場で、すぐにBDに保存してもらう使い方を想定しており、HDD容量を抑え、最適な価格設定した」と説明。1TB(テラバイト=1000GB)のHDDを搭載し、実勢価格が約40万円の東芝のHD DVDレコーダーよりも最上位機種で店頭価格を10万円ほど安く設定した。

 「BW200」は地上・BS・110度CSデジタルチューナーをそれぞれ2基、地上アナログチューナー1基を内蔵。デジタル放送の2番組同時録画が可能で、地上デジタル放送のハイビジョン画質(HD画質)でHDDに約63時間の録画ができる。「BR100」は地上・BS・110度CSデジタルチューナー、地上アナログチューナーを1基ずつ内蔵。地上デジタル放送のHD画質で約25時間15分、HDDに録画できる。

 また2機種とも、BDレコーダーでは世界初のBD-Videoフォーマットの次世代DVDソフトの再生が可能。最大7.1ch再生の市販のBDソフトをHD画質で楽しめる。BDディスクへの記録は、片面2層で容量50GBの書き換え型ディスク「BD-RE」、追記型ディスク「BD-R」に対応しており、50GBのディスクでは、5.1chの音声で約6時間のハイビジョン放送が録画できる。HDDからディスクへは、地上デジタルハイビジョン放送の転送レートの約4倍の高速転送も実現した。BDのほか、DVDビデオ、DVD?RAM、DVD?RW、音楽CDなども再生できる。

 デジタル放送特有のノイズや音声の欠落を補完する技術を盛り込んだ専用の画像処理回路「美画質エンジン」を搭載。フルハイビジョン対応の薄型テレビとHDMI端子で接続すれば、ハイビジョン放送を画質や音声を損なうことなく高画質で楽しめる。従来のDVDの映像をHD画質にアップコンバートして出力する機能、ハイビジョン放送をDVDに高画質で保存・再生できる機能も備える。

 従来の同社製DVDレコーダー同様、リモコン1つで簡単に操作できる「VIERA Link(ビエラリンク)」に対応するほか、SDメモリーカードスロットを装備し、写真や動画を再生可能。上位モデル「DMR-BW200」では、CDをHDDにAAC形式の音楽ファイルとして取り込み、SDメモリーカードに転送できる「SD音楽」や、インターネット経由で携帯電話やパソコンから録画予約にも対応する。

 同時に、ノンカードリッジタイプで、2倍速の録画用書き換え型ディスク「BD-RE」、追記型ディスク「BD-R」も発表した。BD-REでは容量50GBの「LM-BE50A」、25GBの「LM-BE25A」、BD-Rは50GBの「LM-BR50A」、25GBの「LM-BR25A」、また25GBディスクの3枚パック「LM-BR25AP3」をレコーダーと同時に発売する。


 価格はすべてオープン。実勢価格は「LM-BE50A」が6000円前後、「LM-BE25A」は2500円前後、「LM-BR50A」が4300円前後、「LM-BR25A」は1800円前後、「LM-BR25AP3」は5000円前後の見通し。

 発表会で平原重信・パナソニックマーケティング本部副本部長は、「BDは薄型テレビメーカーの90%以上、DVDレコーダーメーカーの70%以上が支持、ハリウッドの映画会社も80%以上が支持しており、市場では非常に有利な立場にある」とHD DVDに対するBDの優位性を強調。HD DVDとの競争については「市場が決めることだが、(BD勝利ということで)早い時期に決着がつくだろう。自信を持っている」と述べた。


 松下ではレコーダーは国内のみで販売し、北米や欧州、豪州ではプレーヤーを発売する計画。BDの普及時期について平原副部長は「各社の動向次第だが、08年の北京オリンピックで加速し、11年の地上デジタル放送の完全移行で確実になる」(平原副部長)との見通しを述べた。一方、HD DVDとの規格統一について杉田ビジネスユニット長は「互いに製品が発売されており、規格統一はありえない」との考え方を示した。