日本IBMなど3社、病室の情報端末に新聞を配信する日本初の実証実験
日本IBM(大歳卓麻社長)、高知新聞社(藤戸謙吾社長)、医療関連サービスのパースジャパン(高西正博社長)は9月12日、共同で病室に設置した情報端末に新聞記事を配信する実証実験を日本で初めて実施すると発表した。
実験は高知県の高知医療センター(堀見忠司病院長)の病室590床を対象に9月14日から3日間行う。パースジャパンが販売する「ベッドサイド端末」と呼ぶ、15型タッチパネルモニターの情報端末を使ってデジタル化した新聞を配信するもの。新聞は読みたい部分を画面上でタッチして拡大することが可能で、画面をタッチしたまま指を動かすことで紙面を移動させることもできる。紙面の特定の部分から動画や関連ページに飛ぶ機能も今後追加する。
新聞記事を配信することで、歩行が困難な入院患者や高齢者が、新聞を購入するために売店まで行ったり、売り切れを気にしなく済むようになるほか、読み終わった新聞の処分が不要なるといったメリットがあるという。
配信システムはIBMが担当。高知新聞社が輪転機で印刷直前の新聞紙面のデジタルデータを自動的に電子新聞化し、ストリーミング技術を使って、病院にあるIBMのサーバーに配信、サーバーとネットワークで接続したベッドサイド端末にデジタル新聞を送る。
3社では実験を通じて配信システムの技術的な検証を行うほか、利用者のニーズを確かめ、需要が高いと判断した場合には実用化につなげる考え。