大画面化に「音」も追随、薄型テレビのラック型サラウンドシステムが人気
液晶テレビやプラズマテレビなどの薄型大画面テレビをより楽しむなら「音」にも目を向けたい。最近ではテレビ内蔵のスピーカーも進化してきたが、もっと臨場感あふれる音を求める外付けのサラウンドシステムだ。このところ売れているのが高級路線のシステム。「BCNランキング」で傾向をまとめた。
液晶テレビやプラズマテレビなどの薄型大画面テレビをより楽しむなら「音」にも目を向けたい。最近ではテレビ内蔵のスピーカーも進化してきたが、もっと臨場感あふれる音を求める外付けのサラウンドシステムだ。このところ売れているのが高級路線のシステム。「BCNランキング」で傾向をまとめた。
●「AQUOS」にフィットするスピーカー内蔵のテレビラックが1位に
7月の「BCNランキング」で1位にランクインしたのは、シャープの1ビットシアターラックシステム「AN-45T1-B」。販売台数シェア4.2%。同社の液晶テレビ「AQUOS」向けのラック型で、37V型と45V型の横幅にフィットするデザインが特徴。1ビットデジタルアンプと2chスピーカー、サブウーハーをテレビラックの中に内蔵している。2chスピーカーで5.1chサラウンド効果を実現する「ドルビーバーチャルスピーカー」を搭載し、リアスピーカーなして立体サラウンドを体感できる。また、すべてラックに収められているために、接続や設置の手間もかからない。
実売で9万円台後半とかなり高めの製品だが、これまで1位を獲得してきたホームシアタースピーカーシステムの低価格モデルやミニコンポを抑えて堂々の1位獲得。06年3月の発売以降「AQUOS」の好調を追い風にじわじわと販売台数を伸ばしてきた。同様のテレビラックタイプでは、オンキヨーの3chスピーカー内蔵テレビラック「CB-SP1200XT(B)」が10位に入っており、ラック型はこのジャンルで新しい柱の製品になりそうだ。
●5.1chホームシアターエントリーモデルとミニコンポも人気
2位は、ヤマハの「Cinema Station TSS-15」でシェア3.4%。「手のひらサイズのスピーカー5台」+「狭い場所にも置けるシネマDSP内蔵のタテ型アンプ」+「クリアな重低音のYSTサブウーファー」の計7点とワイヤレスリモコンの構成。同社のホームシアターシステムの中でも一番手軽に始められる超小型の5.1chホームシアターだ。リア用のサラウンドスピーカーをフロントスピーカーに重ねて使えるフロント3.1chバーチャルサラウンドを装備。こちらは実売で2万円程度と価格的にも魅力だ。
同じくシェア3.4%で同率2位に入ったのは、松下電器の「SC-PM930DVD-S」。SDメモリはカードに対応したMDコンポで、DVD再生にも対応した製品だ。5CDイッキ録りや5枚連続ロングプレイが楽しめる5ディスクチェンジャーを搭載しているのが特徴。本体カラーはシルバー。同じ仕様のブラックタイプの「SC-PM930DVD-K」は9位にランクインしている。
●メーカー別ではオンキヨー
ここで、メーカー別のシェアトップ10をチェックしてみよう。ここ1年の動向をみると、トップはオンキヨーで、デノンが2位、ヤマハが3位と音響メーカーの強さが目立つ。オンキヨーは多少の上下はあるものの、20%以上のシェアをキープしている。デノンとヤマハも1年間で若干シェアを落としたものの、ほぼ横ばいといった状況だ。
これまでミニコンポが好調であったビクターは、ミニコンポの伸び悩みからかシェアを10ポイント近く落としている。一方、シェアを伸ばしているのが、薄型テレビが好調な松下電器とシェープ。松下電器は、5%未満であったシェアを8%強まで伸ばしてきた。ミニコンポに加え、サラウンドシステムでも続々と新製品を投入しているのが影響しているようだ。さらにシャープは、今回1位にランクインしたシアターラックが貢献し4.2%までシェアを急激に伸ばしている。
●38万円のラック型スピーカーも登場で、高級化に大きな流れも
薄型テレビとセットで提案するスピーカーということでは、松下電器が「VIERA(ビエラ)」に対応するスピーカーシステムの最上位モデルを9月1日に発売した。フロントセンタースピーカー2本、サラウンドスピーカー2本、アクティブサブウーハー1本の構成で、世界で初めてテレビの画面の中からセリフが聞こえる「リアルセンター」方式を採用したのが特徴。AVコントロールアンプとスピーカーシステムを組み合わせた5.1chサウンドセットになっている。
「リアルセンター」は、独自の音場制御技術を使って独立したセンタースピーカーの設置を不要にしたもの。代わって左右のフロントスピーカーの中にセンター再生用のスピーカーを別途内蔵している。テレビの真正面に座っていなくても画面の中からセリフやボーカルが聞こえるという効果がある。一式で実勢価格が38万円前後と、実に薄型テレビ並みの価格の「高級品」だ。
これまで、どちらかといえば安価で手軽なシステムが人気だったサラウンドシステム。しかし、大画面の薄型テレビが普及するにつれ、デザインの統一性やインテリアとしての美しさ、接続・設置の容易さなどが求められるようになり、高級路線の製品も一定の支持を集めるようになってきた。目前に迫っている世代DVDの時代では、映像だけでなく「音」もさらに進化する。ハイビジョン化して格段に綺麗になった映像。それにあわせて進化した「音」にも、それ相応投資は惜しまない……そんなユーザーが徐々に増えつつあるようだ。
*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など22社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。
液晶テレビやプラズマテレビなどの薄型大画面テレビをより楽しむなら「音」にも目を向けたい。最近ではテレビ内蔵のスピーカーも進化してきたが、もっと臨場感あふれる音を求める外付けのサラウンドシステムだ。このところ売れているのが高級路線のシステム。「BCNランキング」で傾向をまとめた。
●「AQUOS」にフィットするスピーカー内蔵のテレビラックが1位に
7月の「BCNランキング」で1位にランクインしたのは、シャープの1ビットシアターラックシステム「AN-45T1-B」。販売台数シェア4.2%。同社の液晶テレビ「AQUOS」向けのラック型で、37V型と45V型の横幅にフィットするデザインが特徴。1ビットデジタルアンプと2chスピーカー、サブウーハーをテレビラックの中に内蔵している。2chスピーカーで5.1chサラウンド効果を実現する「ドルビーバーチャルスピーカー」を搭載し、リアスピーカーなして立体サラウンドを体感できる。また、すべてラックに収められているために、接続や設置の手間もかからない。
実売で9万円台後半とかなり高めの製品だが、これまで1位を獲得してきたホームシアタースピーカーシステムの低価格モデルやミニコンポを抑えて堂々の1位獲得。06年3月の発売以降「AQUOS」の好調を追い風にじわじわと販売台数を伸ばしてきた。同様のテレビラックタイプでは、オンキヨーの3chスピーカー内蔵テレビラック「CB-SP1200XT(B)」が10位に入っており、ラック型はこのジャンルで新しい柱の製品になりそうだ。
●5.1chホームシアターエントリーモデルとミニコンポも人気
2位は、ヤマハの「Cinema Station TSS-15」でシェア3.4%。「手のひらサイズのスピーカー5台」+「狭い場所にも置けるシネマDSP内蔵のタテ型アンプ」+「クリアな重低音のYSTサブウーファー」の計7点とワイヤレスリモコンの構成。同社のホームシアターシステムの中でも一番手軽に始められる超小型の5.1chホームシアターだ。リア用のサラウンドスピーカーをフロントスピーカーに重ねて使えるフロント3.1chバーチャルサラウンドを装備。こちらは実売で2万円程度と価格的にも魅力だ。
同じくシェア3.4%で同率2位に入ったのは、松下電器の「SC-PM930DVD-S」。SDメモリはカードに対応したMDコンポで、DVD再生にも対応した製品だ。5CDイッキ録りや5枚連続ロングプレイが楽しめる5ディスクチェンジャーを搭載しているのが特徴。本体カラーはシルバー。同じ仕様のブラックタイプの「SC-PM930DVD-K」は9位にランクインしている。
●メーカー別ではオンキヨー
ここで、メーカー別のシェアトップ10をチェックしてみよう。ここ1年の動向をみると、トップはオンキヨーで、デノンが2位、ヤマハが3位と音響メーカーの強さが目立つ。オンキヨーは多少の上下はあるものの、20%以上のシェアをキープしている。デノンとヤマハも1年間で若干シェアを落としたものの、ほぼ横ばいといった状況だ。
これまでミニコンポが好調であったビクターは、ミニコンポの伸び悩みからかシェアを10ポイント近く落としている。一方、シェアを伸ばしているのが、薄型テレビが好調な松下電器とシェープ。松下電器は、5%未満であったシェアを8%強まで伸ばしてきた。ミニコンポに加え、サラウンドシステムでも続々と新製品を投入しているのが影響しているようだ。さらにシャープは、今回1位にランクインしたシアターラックが貢献し4.2%までシェアを急激に伸ばしている。
●38万円のラック型スピーカーも登場で、高級化に大きな流れも
薄型テレビとセットで提案するスピーカーということでは、松下電器が「VIERA(ビエラ)」に対応するスピーカーシステムの最上位モデルを9月1日に発売した。フロントセンタースピーカー2本、サラウンドスピーカー2本、アクティブサブウーハー1本の構成で、世界で初めてテレビの画面の中からセリフが聞こえる「リアルセンター」方式を採用したのが特徴。AVコントロールアンプとスピーカーシステムを組み合わせた5.1chサウンドセットになっている。
「リアルセンター」は、独自の音場制御技術を使って独立したセンタースピーカーの設置を不要にしたもの。代わって左右のフロントスピーカーの中にセンター再生用のスピーカーを別途内蔵している。テレビの真正面に座っていなくても画面の中からセリフやボーカルが聞こえるという効果がある。一式で実勢価格が38万円前後と、実に薄型テレビ並みの価格の「高級品」だ。
これまで、どちらかといえば安価で手軽なシステムが人気だったサラウンドシステム。しかし、大画面の薄型テレビが普及するにつれ、デザインの統一性やインテリアとしての美しさ、接続・設置の容易さなどが求められるようになり、高級路線の製品も一定の支持を集めるようになってきた。目前に迫っている世代DVDの時代では、映像だけでなく「音」もさらに進化する。ハイビジョン化して格段に綺麗になった映像。それにあわせて進化した「音」にも、それ相応投資は惜しまない……そんなユーザーが徐々に増えつつあるようだ。
*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など22社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。