ネット販売、高いほうが売れる? 「意外な素顔」の実態分析
BCN(奥田喜久男社長)は8月1日、都内で会見を開き、「BCNランキング」で分析した「ネット販売の意外な素顔」について発表した。一見「安い」と思われがちなネット販売だが、購入単価はネット販売が店頭を上回る。平均単価はネットが1万6300円、店頭が1万600円でネットのほうが約6000円高い。PC・デジタル家電関連115品目のうち、70品目でネットの購入単価が店頭より高いという実態が明らかになった。
BCN(奥田喜久男社長)は8月1日、都内で会見を開き、「BCNランキング」で分析した「ネット販売の意外な素顔」について発表した。一見「安い」と思われがちなネット販売だが、購入単価はネット販売が店頭を上回る。平均単価はネットが1万6300円、店頭が1万600円でネットのほうが約6000円高い。PC・デジタル家電関連115品目のうち、70品目でネットの購入単価が店頭より高いという実態が明らかになった。
●ネットでは「ワンランク上」が売れている
ネットショップでの購入単価が高い要因として、BCNの田中繁廣取締役は、「同一商品ならネットの単価は店頭より最大で2割程度安い。価格が安いためにワンランク上の高機能商品が売れる傾向にある」と分析。さらに、HDD-DVDレコーダーや液晶テレビなど成長分野の商品では、店頭よりも大容量・大型といった先端型商品の販売比率が高いほか、企業向けの比較的高価な業務用商品が売り上げを伸ばしている点を指摘した。
7月第1週からの4週分(6月26日-7月23日)のデータを見ると、PC、デジタル家電115品目のネット販売比率は、台数ベースで4.7%、金額ベースで7.1%を占めた。経済産業省が平成16年度にまとめた「電子商取引に関する実態・市場調査」によると、「PC及び関連商品」と「家電」のネット販売比率(金額ベース)は4.96%。田中取締役は「ネット販売の実数を掴むことは難しいが、経産省調査が実施された後の伸び率を考えると、今回のBCNランキングでの分析結果は、ほぼ実態に即している」と見る。
また、ネット販売の割合が台数よりも金額で高いことについては「ネット販売では単価が店頭よりも高いため、金額が占める割合が高くなっている。製品では、ソフトウェア、周辺機器などの販売比率が高いが、これまでネット販売向けと思われていなかった情報家電なども(ネット販売で)よく売れている」(同)と解説した。
●携帯オーディオやHDD-DVDレコーダーはより大容量タイプが人気
ネットの購入単価が高い理由を商品別に分析すると、携帯オーディオではネット販売で大容量の1GB以上が7割を超えている。一方、店頭では1GB以上は58.7%。平均単価も店頭が1万7300円なのに対し、ネットでは1万8400円となった。ネット販売の台数構成比率が高い液晶ディスプレイでは、ネット販売では19型以上が49.5%で約半数を占めるのに対し、店頭では35.7%にとどまっている。
デジタル家電を見ると、購入単価ではHDD-DVDレコーダーが、ネット単価5万9400円、店頭単価6万2100円、液晶テレビはネット単価13万1100円、店頭単価14万7500円で、店頭のほうが単価が高い。しかし、HDD-DVDレコーダーは、HDDの容量が400GB以上の大容量タイプの占める割合がネットでは34.6%で、店頭の19.8%を大きく上回っている。さらに液晶テレビでは30V型以上の占める割合が店頭では53.4%なのに対し、ネットでは56.7%を占めるとし、店頭とは異なる売上構成を指摘した。また、ネットと店頭でのメーカーシェアの入れ替わりは若干あるものの、顔ぶれが大きく変わることはないという。
また、ノートPCでは、購入単価はネット、店頭ともほぼ変わらないものの、B5型、ミニノートといった軽量ノートPCの販売比率がネットでは2割を占め、店頭の6.3%を上回った。「松下のLet's noteや東芝のdynabook SSなどモバイルモデルが人気がある」としている。
●企業ユーザーはページプリンターやプロジェクターもネットで買っている
最後に、企業ユーザーが多く買っていると思われるビジネス向け商品はネットの隠れた売れ筋であることを指摘。ページプリンターは、ネットが全体販売数量の37.5%、プロジェクターが25.9%を占めるといったように高い割合を示し、ネット売り上げが全体の2割を超すビジネス向け商品も多い。
一方で、用紙・CD/DVDメディア・インクといったメディアや消耗品はネット販売比率が1-2%程度と低い。「消耗品などはもっと売れているというイメージもあり、意外な結果だった。理由は推測でしかないが、事務用品、OA、PCサプライ用品の通信販売といった集計データに含まれていないショップや店頭での購入が中心になっているとも考えられる」と述べ、これまでのネット販売のイメージとは違った傾向も指摘した。
全国の大手家電量販店のPOSデータを集計する「BCNランキング」では、7月からアマゾンジャパン、サクセス、ストリーム、ミドリ電化、ムラウチの5社をデータ取得社として追加した。とくに、アマゾンジャパンをはじめとする専業販社が4社が加わったことで、実際の店舗とネット販売での販売動向の違いが分析できるようになった。今回の分析では、アマゾンジャパン、サクセス、ストリーム、ムラウチドットコムのネット専業販社の売り上げと、「BCNランキング」にデータ提供している大手家電量販店が、楽天やヤフーなどのウェブ通販サイトで販売した売り上げの合計を「ネット販売」データとして集計した。
*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など22社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。
BCN(奥田喜久男社長)は8月1日、都内で会見を開き、「BCNランキング」で分析した「ネット販売の意外な素顔」について発表した。一見「安い」と思われがちなネット販売だが、購入単価はネット販売が店頭を上回る。平均単価はネットが1万6300円、店頭が1万600円でネットのほうが約6000円高い。PC・デジタル家電関連115品目のうち、70品目でネットの購入単価が店頭より高いという実態が明らかになった。
●ネットでは「ワンランク上」が売れている
ネットショップでの購入単価が高い要因として、BCNの田中繁廣取締役は、「同一商品ならネットの単価は店頭より最大で2割程度安い。価格が安いためにワンランク上の高機能商品が売れる傾向にある」と分析。さらに、HDD-DVDレコーダーや液晶テレビなど成長分野の商品では、店頭よりも大容量・大型といった先端型商品の販売比率が高いほか、企業向けの比較的高価な業務用商品が売り上げを伸ばしている点を指摘した。
7月第1週からの4週分(6月26日-7月23日)のデータを見ると、PC、デジタル家電115品目のネット販売比率は、台数ベースで4.7%、金額ベースで7.1%を占めた。経済産業省が平成16年度にまとめた「電子商取引に関する実態・市場調査」によると、「PC及び関連商品」と「家電」のネット販売比率(金額ベース)は4.96%。田中取締役は「ネット販売の実数を掴むことは難しいが、経産省調査が実施された後の伸び率を考えると、今回のBCNランキングでの分析結果は、ほぼ実態に即している」と見る。
また、ネット販売の割合が台数よりも金額で高いことについては「ネット販売では単価が店頭よりも高いため、金額が占める割合が高くなっている。製品では、ソフトウェア、周辺機器などの販売比率が高いが、これまでネット販売向けと思われていなかった情報家電なども(ネット販売で)よく売れている」(同)と解説した。
●携帯オーディオやHDD-DVDレコーダーはより大容量タイプが人気
ネットの購入単価が高い理由を商品別に分析すると、携帯オーディオではネット販売で大容量の1GB以上が7割を超えている。一方、店頭では1GB以上は58.7%。平均単価も店頭が1万7300円なのに対し、ネットでは1万8400円となった。ネット販売の台数構成比率が高い液晶ディスプレイでは、ネット販売では19型以上が49.5%で約半数を占めるのに対し、店頭では35.7%にとどまっている。
デジタル家電を見ると、購入単価ではHDD-DVDレコーダーが、ネット単価5万9400円、店頭単価6万2100円、液晶テレビはネット単価13万1100円、店頭単価14万7500円で、店頭のほうが単価が高い。しかし、HDD-DVDレコーダーは、HDDの容量が400GB以上の大容量タイプの占める割合がネットでは34.6%で、店頭の19.8%を大きく上回っている。さらに液晶テレビでは30V型以上の占める割合が店頭では53.4%なのに対し、ネットでは56.7%を占めるとし、店頭とは異なる売上構成を指摘した。また、ネットと店頭でのメーカーシェアの入れ替わりは若干あるものの、顔ぶれが大きく変わることはないという。
また、ノートPCでは、購入単価はネット、店頭ともほぼ変わらないものの、B5型、ミニノートといった軽量ノートPCの販売比率がネットでは2割を占め、店頭の6.3%を上回った。「松下のLet's noteや東芝のdynabook SSなどモバイルモデルが人気がある」としている。
●企業ユーザーはページプリンターやプロジェクターもネットで買っている
最後に、企業ユーザーが多く買っていると思われるビジネス向け商品はネットの隠れた売れ筋であることを指摘。ページプリンターは、ネットが全体販売数量の37.5%、プロジェクターが25.9%を占めるといったように高い割合を示し、ネット売り上げが全体の2割を超すビジネス向け商品も多い。
一方で、用紙・CD/DVDメディア・インクといったメディアや消耗品はネット販売比率が1-2%程度と低い。「消耗品などはもっと売れているというイメージもあり、意外な結果だった。理由は推測でしかないが、事務用品、OA、PCサプライ用品の通信販売といった集計データに含まれていないショップや店頭での購入が中心になっているとも考えられる」と述べ、これまでのネット販売のイメージとは違った傾向も指摘した。
全国の大手家電量販店のPOSデータを集計する「BCNランキング」では、7月からアマゾンジャパン、サクセス、ストリーム、ミドリ電化、ムラウチの5社をデータ取得社として追加した。とくに、アマゾンジャパンをはじめとする専業販社が4社が加わったことで、実際の店舗とネット販売での販売動向の違いが分析できるようになった。今回の分析では、アマゾンジャパン、サクセス、ストリーム、ムラウチドットコムのネット専業販社の売り上げと、「BCNランキング」にデータ提供している大手家電量販店が、楽天やヤフーなどのウェブ通販サイトで販売した売り上げの合計を「ネット販売」データとして集計した。
*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など22社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。