ネクストコム、電波を発信する無線ICタグで児童を守るセキュリティシステム
ネクストコム(山本茂社長)は6月26日、無線ICタグを使い、小学校をはじめとする、児童の登下校時の安全を確保するセキュリティシステムを発売したと発表した。学校や自治体などを対象に販売する。価格は導入するシステム構成や利用方法によって個別に見積もる。
ネクストコムのシステムでは自ら電波を発信する「アクティブ型」と呼ばれる無線ICタグを使用する。校門などにICタグのリーダーを設置し、児童が持つタグの通過を検知すると、その登下校情報を保護者にメールで通知したり、保護者や教職員が専用のWebで児童の所在位置や通学路内のポイントを通過した時刻などを確認できる仕組み。
無線ICタグは数十mの距離で自律発信するため、ランドセルに入れたままでもリーダーで確認できる。7秒間に約500個のタグを同時に読み取れるため、複数の児童を認識することが可能。また、電池寿命が1年の省電力設計を採用した。
児童に加え、教職員、学校関係者もタグを持ち、赤外線センサーなどとシステムを組み合わせることで、タグを持っていない不審者を検知したり、Webカメラと組み合わせ、タグからの電波を受信したタイミングで撮影やカメラ切り替えや児童のいる周辺の映像と位置情報を自動的に保護者に知らせるといった使い方もできる。
第1弾として、埼玉県蕨市にある蕨市立中央小学校と蕨市立中央東小学校での導入が決定している。今回、システムの販売と構築で、蕨ケーブルビジョン(WINK、池田政吉社長)と協業した。
学区内にある約30か所のWINKが持つ電柱の近くに設置されているCATVモデムなどを収容する「クロージャーボックス」と呼ばれる箱の中にリーダーを設置。学区内全域をカバーできるようにした。無線ICタグは2校合わせて100名の児童に配布する。7月から運用テストを開始し、10月から正式運用を開始する。
ネクストコムでは蕨市のほかの小学校などでのシステム利用も開拓する狙いで、その実績をもとに全国にも販売を拡大していく計画。