明電ソフトウエア、重度の障害で話せなくても音声で意思が表現できる装置

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2006/06/07 12:38



 明電舎の子会社、明電ソフトウエア(豊田順一社長)は6月6日、重度障害者のための意志伝達装置「ハートアシスト」を発売したと発表した。テクノエイド協会の支援を受け、静岡県立こども病院、静岡県静岡工業技術センターと共同開発したもの。

 「ハートアシスト」は市販の接点スイッチやPDAなどを使って、言語機能が不自由な人でも、意思を伝達できるようにする装置。視覚シンボルや登録文章で意志伝達を支援し、バッテリーで稼働するPDAを利用しているため、車椅子などでの移動時でも使えるのが特徴。

 画面には伝えたい内容別に項目が、絵や文字であらかじめ表示されており、その上を選択枠が自動的に移動している状態で待機。利用者は選択枠が目的の位置に来た時点でスイッチを押せば項目を決定すると、内容に応じた音声が出力され意思を表現することができる。使用するスイッチはプッシュ式や接触式など、障害度に合わせて市販のものからも選ぶことができる。

 日常的に使う単語やイラスト、挨拶、感情などを表現する「コミュニケーション機能」、50音文字から選択し、オリジナルな文章や言葉を作る「50音文字入力」、医療機関や施設などで使用頻度が高い文章をまとめた「ことば呼び出し機能」がある。また50音文字入力機能で作成したオリジナルの文章や言葉を「ことば呼び出し機能」に登録することもできる。

 このほか、稼働するため、外出先でも利用できる。価格はPDAとPDA接続器、固定ケースのセットで20万7900円。