マイクロソフトと東大、タブレットPCを活用した先進的教育環境の研究を開始
東京大学(小宮山宏総長)とマイクロソフト(ダレン・ヒューストン社長)は5月22日、昨年11月のITを活用した次世代の教育環境の研究に関する提携の第1弾として、東京大学内に「マイクロソフト先進教育環境寄附研究部門(MEET:Microsoft chair of Educational Environment and Technology)を設置し、5月から研究活動を開始したと発表した。
MEETでは、教育の情報化を目指す「TREEプロジェクト(Todai Redesigning Educational Environment)」の一環として、ITを効果的に応用した「課題発見型教育」を実現するための学習環境の創造に取り組む。主にタブレットPCを活用した先進的教育環境(学習システム)を開発、学習効果などを検証し、同大学の教育現場をはじめ、広く国内外に研究成果を還元していく。
具体的には、学びたい授業を選べる環境を作る、興味・関心から問題を引き出す、「読み・書き・発表」スキルを身につけるという3つの学習段階を設定。各段階に合わせて、(1)学生が学びたい授業を見つけ出せるようなシラバスシステムを研究開発する「MEET コースカタログ」、(2)さまざまな映像資料をタブレットPC上に映し出し、教育・学習活動のなかで柔軟に利用できるようなシステムを研究開発する「MEET ビデオアーカイブス」、(3)タブレットPCによる直感的なマーキング機能などを活用して、アカデミックリーディング・ライティング能力の育成を支援するシステムを研究開発する「MEETMEET e-ジャーナル」、(4)最新のビデオテクノロジーなどを活用して、「PowerPoint」を利用したプレゼンテーション能力を高めることができる教育システムを研究開発する「MEET プレゼンテーショントレーナー」――の4つの研究を実施する。
これらの研究においては、マイクロソフトリサーチが開発した技術や、全世界で実施している他の教育工学研究プロジェクトの成果を積極的に取り入れ、より実践的な研究を展開していく予定。