KDDIとソニー、6月にウォークマン携帯発売、その狙いは?
KDDIは5月22日、日本初となるソニーの「ウォークマン」ブランドの第三世代携帯電話を6月に発売すると発表した。ソニーグループの携帯電話機メーカー、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズと共同開発し、携帯電話で最長の再生時間と音楽保存用の大容量メモリを搭載しているのが特徴。KDDIは「ウォークマン」ブランドを活用し利用者獲得につなげる一方、ソニーも音楽再生携帯電話市場の開拓を狙う。
KDDIは5月22日、日本初となるソニーの「ウォークマン」ブランドの第三世代携帯電話を6月に発売すると発表した。ソニーグループの携帯電話機メーカー、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズと共同開発し、携帯電話で最長の再生時間と音楽保存用の大容量メモリを搭載しているのが特徴。KDDIは「ウォークマン」ブランドを活用し利用者獲得につなげる一方、ソニーも音楽再生携帯電話市場の開拓を狙う。
ソニーが開発した携帯電話端末「ウォークマンケータイ W42S」は「着うたフル」、携帯とPC連携型の音楽配信サービス「LISMO(リスモ)」に対応する。音楽データ専用メモリを1GB内蔵しており、最大630曲を保存が可能。新開発の半導体を搭載し、音楽再生時間が30時間とauの従来機よりも約4倍に伸ばした。
「着うた」「着うたフル」「LISMO(リスモ)」で先行するKDDIは、音楽サービスを携帯電話事業戦略の中心に据えており、音楽機能を強化した端末を投入することで今年秋に始まる同じ電話番号で携帯会社を変更できる「ナンバーポータビリティー」制度でも利用者獲得の切り札としたい考え。
そのほかにも、Bluetoothでワイヤレスで音楽を楽しめる1GBメモリ内蔵の東芝製「W44T」や耐水・耐衝撃性が特徴のカシオ製「G'z One W42CA」、携帯機器向け地上デジタル放送「ワンセグ」が視聴できる三洋電機製「W33SAII」など6機種も発表した。
発表会でKDDIの川井徹・執行役員au事業本部長は「ナンバーポータビリティーに向け、音楽対応携帯電話のラインアップ強化し、コンテンツ、定額・割引などの料金サービスを組み合わせることでユーザーの期待に応える」と利用者獲得に自信を見せた。
一方、ソニーが「ウォークマン」ブランドの音楽再生携帯電話を発売するのは、アップルコンピュータのiPodに押されている携帯オーディオ分野で新たな市場を開拓し、巻き返しを図る狙いがあると見られる。
BCNランキング05-06年の携帯オーディオのメーカー別販売台数シェアでは、ソニーは05年4月に発売した新製品効果で6月時点では20%のシェアを獲得していた。しかし、8月のiTunes Music Store(iTMS)の日本での開始、9月のiPod nano発売といったアップルの矢継ぎばやの攻勢を受け、ソニーはシェアを落とし、その後も伸び悩んでいる。
06年4月現在ではアップルが51.9%とシェアの半分を握っているに対し、ソニーは15.2%と大きく水をあけられているのが現状。そこで、携帯電話というこれまでとは異なるプラットフォームで新たな展開を狙っているようだ。
また、有料音楽配信サービス市場での日本独特の利用動向も背景にある。海外ではPCでダウンロードし携帯電話に転送するのが一般的なのに対し、日本では「着メロ」の普及もあり携帯電話での直接ダウンロードが定着している。日本レコード協会の調べによると、音楽配信の売り上げは9割以上が携帯電話からの購入と圧倒的。携帯電話会社と組み、こうした層を取り込めば新たなユーザーの開拓が見込める。さらに、携帯電話の音楽配信では携帯電話会社が配信・購入のチャネルを構築しており、「iTMS」のような配信プラットフォームを用意する必要なく、ハードの販売のみに集中できるという利点もある。
発表会見でソニー・エリクソンの石塚宏一・常務取締役営業本部長は「『ウォークマン』はソニーで最も伝統あるブランド。『ウォークマンケータイ』で携帯音楽携帯市場を牽引していきたい」と抱負を述べた。ソニー・エリクソンは05年8月から海外でウォークマン携帯をすでに発売。06年5月までに累計550万台以上を販売しており、日本でもその勢いに乗りたい考えだ。また、「われわれはグローバルな会社だからコンセプトが合えば(KDDI以外への)展開も検討する」とNTTドコモなどへの端末供給する可能性も示唆した。
一方、アップルは日本でも携帯電話市場に参入するため「ソフトバンクとiPod機能を搭載した携帯電話開発の提携で交渉中」と一部で報道されている。今後大きく拡大することが期待されている音楽配信ビジネスでは、楽曲を端末で直接ダウンロードできるという優位性は高い。携帯オーディオ市場は携帯電話という新たなフィールドを得て、携帯電話会社も巻き込んだ戦いが繰り広げられることになりそうだ。
KDDIは5月22日、日本初となるソニーの「ウォークマン」ブランドの第三世代携帯電話を6月に発売すると発表した。ソニーグループの携帯電話機メーカー、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズと共同開発し、携帯電話で最長の再生時間と音楽保存用の大容量メモリを搭載しているのが特徴。KDDIは「ウォークマン」ブランドを活用し利用者獲得につなげる一方、ソニーも音楽再生携帯電話市場の開拓を狙う。
ソニーが開発した携帯電話端末「ウォークマンケータイ W42S」は「着うたフル」、携帯とPC連携型の音楽配信サービス「LISMO(リスモ)」に対応する。音楽データ専用メモリを1GB内蔵しており、最大630曲を保存が可能。新開発の半導体を搭載し、音楽再生時間が30時間とauの従来機よりも約4倍に伸ばした。
「着うた」「着うたフル」「LISMO(リスモ)」で先行するKDDIは、音楽サービスを携帯電話事業戦略の中心に据えており、音楽機能を強化した端末を投入することで今年秋に始まる同じ電話番号で携帯会社を変更できる「ナンバーポータビリティー」制度でも利用者獲得の切り札としたい考え。
そのほかにも、Bluetoothでワイヤレスで音楽を楽しめる1GBメモリ内蔵の東芝製「W44T」や耐水・耐衝撃性が特徴のカシオ製「G'z One W42CA」、携帯機器向け地上デジタル放送「ワンセグ」が視聴できる三洋電機製「W33SAII」など6機種も発表した。
発表会でKDDIの川井徹・執行役員au事業本部長は「ナンバーポータビリティーに向け、音楽対応携帯電話のラインアップ強化し、コンテンツ、定額・割引などの料金サービスを組み合わせることでユーザーの期待に応える」と利用者獲得に自信を見せた。
一方、ソニーが「ウォークマン」ブランドの音楽再生携帯電話を発売するのは、アップルコンピュータのiPodに押されている携帯オーディオ分野で新たな市場を開拓し、巻き返しを図る狙いがあると見られる。
BCNランキング05-06年の携帯オーディオのメーカー別販売台数シェアでは、ソニーは05年4月に発売した新製品効果で6月時点では20%のシェアを獲得していた。しかし、8月のiTunes Music Store(iTMS)の日本での開始、9月のiPod nano発売といったアップルの矢継ぎばやの攻勢を受け、ソニーはシェアを落とし、その後も伸び悩んでいる。
06年4月現在ではアップルが51.9%とシェアの半分を握っているに対し、ソニーは15.2%と大きく水をあけられているのが現状。そこで、携帯電話というこれまでとは異なるプラットフォームで新たな展開を狙っているようだ。
また、有料音楽配信サービス市場での日本独特の利用動向も背景にある。海外ではPCでダウンロードし携帯電話に転送するのが一般的なのに対し、日本では「着メロ」の普及もあり携帯電話での直接ダウンロードが定着している。日本レコード協会の調べによると、音楽配信の売り上げは9割以上が携帯電話からの購入と圧倒的。携帯電話会社と組み、こうした層を取り込めば新たなユーザーの開拓が見込める。さらに、携帯電話の音楽配信では携帯電話会社が配信・購入のチャネルを構築しており、「iTMS」のような配信プラットフォームを用意する必要なく、ハードの販売のみに集中できるという利点もある。
発表会見でソニー・エリクソンの石塚宏一・常務取締役営業本部長は「『ウォークマン』はソニーで最も伝統あるブランド。『ウォークマンケータイ』で携帯音楽携帯市場を牽引していきたい」と抱負を述べた。ソニー・エリクソンは05年8月から海外でウォークマン携帯をすでに発売。06年5月までに累計550万台以上を販売しており、日本でもその勢いに乗りたい考えだ。また、「われわれはグローバルな会社だからコンセプトが合えば(KDDI以外への)展開も検討する」とNTTドコモなどへの端末供給する可能性も示唆した。
一方、アップルは日本でも携帯電話市場に参入するため「ソフトバンクとiPod機能を搭載した携帯電話開発の提携で交渉中」と一部で報道されている。今後大きく拡大することが期待されている音楽配信ビジネスでは、楽曲を端末で直接ダウンロードできるという優位性は高い。携帯オーディオ市場は携帯電話という新たなフィールドを得て、携帯電話会社も巻き込んだ戦いが繰り広げられることになりそうだ。