沖電気など3社、世界初の電池不要で温度もわかる無線ICタグ
沖電気工業(沖電気、篠塚勝正社長)、日本郵船の関連会社NYKロジスティックスジャパン(NYKロジ、深津正彦社長)、HILLS(ヒルズ、坂井清明社長)は、商品の輸送・保管用の定温輸送容器に装着可能な、世界初となる電池不要のパッシブ型(自ら電波を出さないタイプ)の温度センサーRFIDタグ(無線ICタグ)を開発したと発表した。
温度管理が必要な食品や医薬品、化学品、精密機械などを、安定して輸送したり一時保管できるように開発した。タグは、温度センサーとデータを記録し無線で伝送する沖電気のRFID用LSI「ML7216」で構成され、輸送用・保管用の容器外部に装着することで、容器内の温度を検知し、その結果をLSI内に記録する。このため、電磁波を遮断する保冷材で覆われたものでも、開封せずに内部の温度を検知・記録できる。
防水設計で電池を使用しないため、長期間繰り返し使用できるのも特徴。タグには、温度の検知に加え、受け取り・引き渡し日時、担当者などの管理データも書き込める。また、記録されたデータは専用のリーダ/ライタを使ってPCに取り込むことができる。
実用化に向け、ヒルズが容器、沖電気が状態検知用センサRFIDタグとリーダライタ、NYKロジが日本郵船の物流会社との提携を通じて、グローバルな輸送・保管環境をそれぞれ提供する。
3社では、まず顧客企業のメーカーや流通・物流会社などのタグを提供し、試験的に使ってもらうことで実用化につなげたい考え。06年10月から試験販売を開始し、07年3月には量産を始める計画で、08年度までに100万個の販売を見込んでいる。