産総研、木材からのディーゼル燃料生成、工程の簡素化で実用化に大きく一歩

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2006/03/24 20:53

 独立行政法人の産業技術総合研究所(吉川弘之理事長)は3月23日、木材をガス化、合成してディーゼル燃料を製造することに国内で初めて成功したと発表した。

 独立行政法人の産業技術総合研究所(吉川弘之理事長)は3月23日、木材をガス化、合成してディーゼル燃料を製造することに国内で初めて成功したと発表した。

 木材からディーゼル燃料を生成する技術は以前からあったが、製造工程が複雑で大規模な装置が必要という大きな問題があった。産総研では、木材をまず高圧でガス化し、400度前後まで熱し、活性炭などの吸着材を使って不純物を除去。その後、触媒反応を使った合成技術で燃料を生成することに成功した。

 製造工程を減らし効率化を実現し、さらに小型で持ち運べるような装置で燃料を作り出すことも可能になった。生成した燃料は一般的にディーゼル燃料で使われている軽油と成分的にはほとんど同で、材料となる木材も加工されたものでなければ種類を問わない。

 産総研では地方の林業関係者の新規事業として山の中に設置する小型燃料製造プラントといった利用を想定している。07年度には1日1.6リットル規模の燃料生成が可能な小型で移動可能なベンチ試験装置の製作を予定するほか、廃材からも燃料を作れる研究も進める方針。