産総研、土壌汚染現場の健康リスクを評価するシステム「GERAS」を開発
産業技術総合研究所(産総研、吉川弘之理事長)は、土壌汚染の健康リスクを現場ごとに定量化できる地圏環境リスク評価システム「GERAS」を開発、一般に公開した。
「GERAS」は、土壌や地下水を汚染している化学物質の人への暴露量とリスクを算出ができ、事業所などの自主的なリスク管理を実施するために使用する評価システム。WindowsPC上で使用が可能で、土壌汚染対策法で規定されている重金属や揮発性有機化合物、油分、PCB、ダイオキシン類などの汚染物質についてのリスク評価が行える。
「GERAS」は、土壌の健康への影響判定、浄化目標の濃度レベル、リスク設定をする「スクリーニングモデル」と、汚染現場の土壌特性、汚染物質の分解特性などを個別のリスクを評価する「サイトモデル」で構成する。「スクリーニングモデル」はすでに多数の事業所や自治体などに試験的な使用が行われている。産総研では今回、「サイトモデル」の開発が完了、専門家の審査・評価を受け公開することになった。
産総研では今後、汚染物質の移流・拡散、土壌吸着、微生物分解などの特性を解析できる3次元リスク評価モデル「詳細型モデル」を開発する予定。