BCN、年末年始商戦題材にフォーラム、プラズマと液晶の逆転現象など指摘
BCN(奥田喜久男社長)は3月3日、秋葉原ダイビルで「第7回BCNフォーラム」を開催した。同社が発行するIT系業界紙「週刊BCN」の読者を対象に開くイベントで、今回は秋葉原再開発の現状や年末年始商戦をテーマに開催。160名の参加者が集まった。
BCN(奥田喜久男社長)は3月3日、秋葉原ダイビルで「第7回BCNフォーラム」を開催した。同社が発行するIT系業界紙「週刊BCN」の読者を対象に開くイベントで、今回は秋葉原再開発の現状や年末年始商戦をテーマに開催。160名の参加者が集まった。
冒頭、秋葉原電気街振興会の鈴木淳一副会長(九十九電機社長)が、再開発が進む秋葉原について、これまでの経緯と今後について語った。「再開発事業は順調に進んでおり、現在計画の40%以上が完成している。3?4年後にはすべてが終了する予定。この3月9日には秋葉原UDXがオープンし、昨年3月にオープンしたダイビルなどとあわせ、新たな秋葉原利用者は4万人近くにのぼると見込んでいる。今後は、電気街“も”あるIT拠点として、情報を発信する街に生まれ変わっていく。これからの秋葉原を楽しみにしてほしい」と語った。
続いて、BCNの田中繁廣・取締役編集統括部長が「店頭で何が起きているのか――BCNランキングで見る年末年始商戦」と題し、パソコンやデジタルカメラ、携帯オーディオ、DVDレコーダー、薄型テレビなどデジタル家電の最新販売動向について講演した。
まず、06年1月のパソコンの販売動向については、ノートとデスクトップをあわせた全体で、販売台数の伸び率が前年同期比104.5%とゆるやかな伸びを示した。内訳は、ノートパソコンが前年同月比110%と10%台の伸びを見せた一方、デスクトップは同95.7%と前年を下回っており、ノートが市場をけん引していることがわかった。また田中取締役は「平均実売価格ではノートパソコンは下落傾向であるのに比べ、デスクトップは上昇傾向。05年11月時点では1万5000円あった平均価格差が06年1月では9000円となっている」と平均価格差の縮小を指摘した。
さらに、デスクトップのけん引役と考えられているテレビ機能付きパソコンは、06年1月に販売されたパソコンの58.3%にのぼる。「しかし前月、半年前と比較してもその数値はさほど変わらない。(テレビ機能付きパソコンの構成比の伸びとしては)すでに頭打ちになったと考えられる」(同)と分析した。
ノートパソコンでは、台数伸び率がもっとも高いのはA4タイプ。05年11月から06年1月まで、前年同月比10%以上の伸び率を3か月連続でキープしている。しかし、重量別に見ると2.5kg以上が80%を占め、ノートパソコンを据え置きマシンとして使用するニーズが依然高いことがわかる。A4タイプのメーカー別販売台数シェアは06年1月で東芝が22.0%とトップ。これについては「テレビ機能が充実したQosmioシリーズとAX・TXといった値ごろ感のあるシリーズの両方を用意したことにより、AV機能の充実を求める層と価格の安さを求める層に2極化しているユーザーの双方を取り込むことに成功したためだろう」とした。
デジタルカメラではメーカー5社が接戦を繰り広げるコンパクトタイプで台数が前年同月比92.3%と減速。一方一眼レフでは同129.8%と高い伸びを示した。とはいえ「台数構成比では一眼レフはデジカメ市場の4%に過ぎず、一眼レフの勢いもデジカメ市場全体の活性化につながるほどではないようだ」と語った。
これまで驚異的な伸び率を示してきた携帯オーディオ市場は依然堅調。06年1月も台数伸び率で前年同月比191.1%を記録した。しかし伸び率は徐々に鈍化し始めており「昨年のように前年比2倍以上の推移は難しいだろう」と見通しを語った。
台数構成比率を見ると、06年1月ではメモリタイプが79.6%、HDDタイプが20.4%となり、メモリタイプが市場の中心となっている。アップルのiPodが相変わらずの強さを維持しているなか、メモリ増設型の伸びが目立つ。その代表は松下のD-snapだが、新モデルが発売された11月を契機に売り上げが急伸している。メモリタイプに占める割合が05年8月では4.9%だったものが、06年1月には19.5%まで拡大。「今後はパソコンレスでの利用にも有利なメモリ増設型の伸びも予想され、携帯オーディオのユーザーを広げる一翼を担いそうだ」とした。
DVDレコーダーでは、台数伸び率が06年1月に88.5%と前年同月比で大きく下回った。一部ハイビジョン対応機種は同484.9%と大きく伸びているものの、まだ市場全体の3割程度。今後「ハイビジョン対応機種の価格が5-6万円程度まで値が下がりするか、DVDの規格が統一されればさらに販売台数を伸ばすだろう」との見通しを語った。
薄型テレビは依然好調で、前年同月比の販売台数で30%を超える伸び率を維持している。そんななか、プラズマと液晶のバランスに大きな変化が生じている。40V型以上の台数構成比率では05年8月ではプラズマテレビ60.5%、液晶テレビ39.5%であったのに対し、06年1月ではプラズマテレビ43.2%、液晶テレビ56.8%とわずか半年の間で完全に逆転。「これまでの“中-小型の液晶”“大型のプラズマ”という構図が崩れてきた」と、薄型テレビ市場の構造変化を指摘した。
BCN(奥田喜久男社長)は3月3日、秋葉原ダイビルで「第7回BCNフォーラム」を開催した。同社が発行するIT系業界紙「週刊BCN」の読者を対象に開くイベントで、今回は秋葉原再開発の現状や年末年始商戦をテーマに開催。160名の参加者が集まった。
冒頭、秋葉原電気街振興会の鈴木淳一副会長(九十九電機社長)が、再開発が進む秋葉原について、これまでの経緯と今後について語った。「再開発事業は順調に進んでおり、現在計画の40%以上が完成している。3?4年後にはすべてが終了する予定。この3月9日には秋葉原UDXがオープンし、昨年3月にオープンしたダイビルなどとあわせ、新たな秋葉原利用者は4万人近くにのぼると見込んでいる。今後は、電気街“も”あるIT拠点として、情報を発信する街に生まれ変わっていく。これからの秋葉原を楽しみにしてほしい」と語った。
続いて、BCNの田中繁廣・取締役編集統括部長が「店頭で何が起きているのか――BCNランキングで見る年末年始商戦」と題し、パソコンやデジタルカメラ、携帯オーディオ、DVDレコーダー、薄型テレビなどデジタル家電の最新販売動向について講演した。
まず、06年1月のパソコンの販売動向については、ノートとデスクトップをあわせた全体で、販売台数の伸び率が前年同期比104.5%とゆるやかな伸びを示した。内訳は、ノートパソコンが前年同月比110%と10%台の伸びを見せた一方、デスクトップは同95.7%と前年を下回っており、ノートが市場をけん引していることがわかった。また田中取締役は「平均実売価格ではノートパソコンは下落傾向であるのに比べ、デスクトップは上昇傾向。05年11月時点では1万5000円あった平均価格差が06年1月では9000円となっている」と平均価格差の縮小を指摘した。
さらに、デスクトップのけん引役と考えられているテレビ機能付きパソコンは、06年1月に販売されたパソコンの58.3%にのぼる。「しかし前月、半年前と比較してもその数値はさほど変わらない。(テレビ機能付きパソコンの構成比の伸びとしては)すでに頭打ちになったと考えられる」(同)と分析した。
ノートパソコンでは、台数伸び率がもっとも高いのはA4タイプ。05年11月から06年1月まで、前年同月比10%以上の伸び率を3か月連続でキープしている。しかし、重量別に見ると2.5kg以上が80%を占め、ノートパソコンを据え置きマシンとして使用するニーズが依然高いことがわかる。A4タイプのメーカー別販売台数シェアは06年1月で東芝が22.0%とトップ。これについては「テレビ機能が充実したQosmioシリーズとAX・TXといった値ごろ感のあるシリーズの両方を用意したことにより、AV機能の充実を求める層と価格の安さを求める層に2極化しているユーザーの双方を取り込むことに成功したためだろう」とした。
パソコンの台数伸び率(前年同月比)
デジタルカメラではメーカー5社が接戦を繰り広げるコンパクトタイプで台数が前年同月比92.3%と減速。一方一眼レフでは同129.8%と高い伸びを示した。とはいえ「台数構成比では一眼レフはデジカメ市場の4%に過ぎず、一眼レフの勢いもデジカメ市場全体の活性化につながるほどではないようだ」と語った。
デジタルカメラの台数伸び率(前年同月比)
これまで驚異的な伸び率を示してきた携帯オーディオ市場は依然堅調。06年1月も台数伸び率で前年同月比191.1%を記録した。しかし伸び率は徐々に鈍化し始めており「昨年のように前年比2倍以上の推移は難しいだろう」と見通しを語った。
台数構成比率を見ると、06年1月ではメモリタイプが79.6%、HDDタイプが20.4%となり、メモリタイプが市場の中心となっている。アップルのiPodが相変わらずの強さを維持しているなか、メモリ増設型の伸びが目立つ。その代表は松下のD-snapだが、新モデルが発売された11月を契機に売り上げが急伸している。メモリタイプに占める割合が05年8月では4.9%だったものが、06年1月には19.5%まで拡大。「今後はパソコンレスでの利用にも有利なメモリ増設型の伸びも予想され、携帯オーディオのユーザーを広げる一翼を担いそうだ」とした。
DVDレコーダーでは、台数伸び率が06年1月に88.5%と前年同月比で大きく下回った。一部ハイビジョン対応機種は同484.9%と大きく伸びているものの、まだ市場全体の3割程度。今後「ハイビジョン対応機種の価格が5-6万円程度まで値が下がりするか、DVDの規格が統一されればさらに販売台数を伸ばすだろう」との見通しを語った。
薄型テレビは依然好調で、前年同月比の販売台数で30%を超える伸び率を維持している。そんななか、プラズマと液晶のバランスに大きな変化が生じている。40V型以上の台数構成比率では05年8月ではプラズマテレビ60.5%、液晶テレビ39.5%であったのに対し、06年1月ではプラズマテレビ43.2%、液晶テレビ56.8%とわずか半年の間で完全に逆転。「これまでの“中-小型の液晶”“大型のプラズマ”という構図が崩れてきた」と、薄型テレビ市場の構造変化を指摘した。
液晶vsプラズマの台数構成比率