IPA、2月のウイルスと不正アクセスの届出状況を発表、Winnyの危険性に警鐘
情報処理推進機構(IPA、藤原武平太理事長)は3月3日、06年2月のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況を発表した。
これによると、2月のウイルス検出数は約256万個と、1月の約413万個から約4割減少した。05年12月に発生した「W32/Sober」の亜種が完全に収束したためとみられる。ウイルス届出件数も、1月の4499件から4324件へ3.9%減少した。しかし、新たにMacintoshを対象としたウイルス「OSX/Inqtana」の届出もあり、Windowsはもちろん、これまで安全と言われていたMacやLinuxでもウイルス対策を実施しておくことが重要と指摘する。
不正アクセス届出件数は26件で、そのうち被害にあった件数は15件だった。被害届出の内訳は、侵入9件、DoS攻撃2件、アドレス詐称1件、その他3件。そのうち、SSHで使用するポートへの攻撃を受け、侵入されたという届出が7件と多く寄せられた。
相談件数は834件で、前月同様、いわゆる「ワンクリック不正請求」に関する相談が多く168件に及んだ。また、「ワンクリック不正請求」の相談者のほぼ9割は、スパイウェアなどの不正なプログラムを埋め込まれていた。
また、IPAでは、ファイル交換ソフト「Winny」を介した情報漏えい事故が頻発していることを受け、ファイル交換ソフトの使用に際しては、情報漏えいにつながる危険性が潜んでいることを理解するよう呼びかけた。
Winnyによる情報漏えいは、Winnyのネットワークに流通している「W32/Antinny」ウイルスをダウンロードして、それを実行することで発生する。「W32/Antinny」に感染すると、パソコン内のメールやデータファイルが集約され、公開フォルダにコピーされてしまう。公開フォルダのデータは、Winnyを利用しているユーザー誰もが入手できるため、いったん、Winnyのネットワークに流出したデータを後から回収することはほぼ不可能という。
感染を未然に防ぐ対策としては、最新のパターンファイルを適用したウイルス対策ソフトを利用する、圧縮ファイルの解凍を含めてダウンロードしたファイルを安易に実行しないといった一般的な対策のほか、企業などでファイル交換ソフトの利用が禁止されている場合は、ルールを必ず守ることなどを挙げている。