NEC、顔見せると開くキャビネット、1秒で100万人を認証するエンジン搭載で
NEC(金杉明信社長)は、顔認証技術を利用した製品・システム開発用の顔検出・顔照合エンジンソフトの最新版「NeoFace Ver2.4」を発表した。業界最高速レベルとなる1秒間で100万人の顔データが照合できるのが特徴。5月から出荷を開始する。税別価格は250万円から。
「NeoFace Ver2.4」は顔の部分領域ごとで個人の違いが出やすい箇所をあらかじめ定義し、個人を識別するための情報量を減らすことで、照合精度を維持しながら照合の高速化を実現。1秒間で100万人の顔データの照合が可能になった。従来版では1秒間に40万人までしか認証できなかった。
NECでは同時にソフト開発会社のグッドフェローズ(磯部昌美代表取締役)とソフトの製品開発、販売で協業することも発表した。グッドフェローズでは第1弾として、顔認証で扉の開閉管理を行うオフィス用キャビネット「フェイスキーキャビネット」、顔認証で時刻を登録する出退勤管理システム「NeoFace朝顔」を4月3日、3月6日にそれぞれ発売する。
「フェイスキーキャビネット」は事前に登録した顔データを鍵としてキャビネットの扉の開閉管理と利用者すべての操作履歴の顔画像を記録するシステム。不正利用者の特定やオフィス内の重要書類や機密データの流出を防止に利用する。
顧客ファイルなど重要書類の貸し出し・返却を管理する「物品管理モード」と私物の預け入れ・取り出しを管理する「スペース管理モード」の設定ができる。集中制御ユニット1台で49の扉まで管理が可能で、非接触ICカードや磁気カード、暗証番号と組み合わせた運用も行える。
一方、「NeoFace朝顔」はタッチパネル画面を装備し、「出勤」「退勤」「外出」「戻り」などのボタンを押すとUSBカメラで顔画像を撮影、データベース内の顔データと照合して本人を認証し時刻を登録。本人以外による代理登録を防止することができる。
価格は「フェイスキーキャビネット」が24扉で税別価格が296万円、「NeoFace朝顔」は68万円から。グッドフェローズでは顔画像入りのチケットを印刷する「チケット発行システム」、顧客が名乗る前に顧客情報を把握し接客する「フロント受付支援システム」などの開発も予定している。