今買い得の容量は? 売れ筋に見る外付けHDD選びのポイント
昔アルバム今ディスク。デジカメの普及とともに「HDDに写真を保存する」のはあたりまえになりつつある。そのうえ携帯オーディオに入れるための音楽ファイルや動画ファイルを扱い始めると、HDDの空き容量はどんどん心細くなっていく。そろそろHDDを増設して広々とすごしたいと感じている人も多いのではないだろうか? そこで、外付けHDDのトレンドを「BCNランキング」で分析、買い得の容量やインターフェイスなど、選ぶポイントを考えてみた。
昔アルバム今ディスク。デジカメの普及とともに「HDDに写真を保存する」のはあたりまえになりつつある。そのうえ携帯オーディオに入れるための音楽ファイルや動画ファイルを扱い始めると、HDDの空き容量はどんどん心細くなっていく。そろそろHDDを増設して広々とすごしたいと感じている人も多いのではないだろうか? そこで、外付けHDDのトレンドを「BCNランキング」で分析、買い得の容量やインターフェイスなど、選ぶポイントを考えてみた。
●市場の中心は「250GB」、今後は「300GB」が主流に?
HDD購入する際に最も気になるのは、「どれくらいの容量の製品を買えばいいのか」という点だろう。「そんなにたくさんいらないから」とか「安いから」という理由で容量が少なめのディスクを買ったらすぐ一杯に……ということもありがちな話。価格自体は安くても、かえって割高だったりして、必ずしも賢い買い物と言えない場合もある。逆に先を見越して「巨大な」ディスクを大枚はたいて買ったところ、すぐに値段が下がって……ということもありそうだ。HDDも他の製品と同じく、数多く売れているものが結果的に割安になる。つまり、売れているものが買い得、ということだ。
そこでまず、売れている容量からチェックしよう。「BCNランキング」で容量別販売台数シェアの推移を見てみると、最も売れているのは「250GB」。継続してほぼ4割の水準を維持している。理由としては、価格がこなれてきたこもさることながら「今自分が持っているPCのHDDの倍か同程度の容量を目安にして購入する人が多い」(都内大手ショップの販売員)という側面もあるようだ。
一方、昨年秋以降、シェアを伸ばし始めているのが300GBだ。05年11月の6.5%から年末以降大きく伸び、06年1月では13.4%まで拡大してきた。個人が扱うファイルの容量はどんどん拡大し続けており、HDDの大容量化はまだまだ続きそうだ。そんな中、今後主役の容量は徐々に300GBにシフトしていくものと思われる。300GBも視野に入れていいだろう。
また「1GBあたりの単価」でも、お買い得の容量はやはり250GB。58円と最も安かった。次が300GBで65円。容量が大きければ大きいほどGB単価は安くなると考えがちだが、TB(テラバイト)を超える大容量の1.2TB(1200GB)が73円で、売れ筋の250GB、300GBクラスよりも割高という結果だった。
●機種別ランキングでも250GBの人気は高い
それでは、実際にどの機種が売れているのか、「BCNランキング」でトップ10を見てみよう。ランクインしたのは据置型が7機種、ポータブルタイプが3機種。容量別では、1位、2位をはじめ4機種が250GB。一方、300GB製品も3位、5位にランクインしている。また40GBの3機種はポータブルタイプの製品だ。
販売台数シェア17.9%で1位となったのは、バッファローの「HD-H250U2」。容量は250GB、電源内蔵型のHDDでUSB2.0、1.1に対応する。また、PCと連動して電源のオン・オフができる「PC連動AUTO電源機能」も搭載しているのが特徴。
2位は、アイ・オー・データ機器の「HDC-U250」でシェア14%。幅38×高さ121mmの省スペース設計が特徴。容量は250GB、USB2.0、1.1に対応し、データバックアップや完全データ消去ソフトも付属する。
ポータブルタイプは「耐衝撃」がトレンドとなっており、7位の「HD-PHS40U2/UC」には衝撃吸収材と耐衝撃バンパーボディが、8位の「HDP-U40」にはバンパー構造の耐衝撃シリコンジャケットが、9位の「LHD-PBC40U2」にはHDDを衝撃吸収素材クッションで支えるフローティング構造がそれぞれ採用されている。
●首位を走るメーカーはバッファロー、アイ・オー・データとデッドヒート
一方、メーカー別ではバッファローとアイ・オー・データの2社が市場の80%を占め、首位を争っている。機種別トップ10に登場するのは、バッファローが5種、アイ・オー・データは4機種となっている。
シェア推移を見てみるとバッファローが強い。8月に一度アイ・オー・データに首位を奪われたものの、9月に奪還。その後順調にシェアを伸ばし、06年1月では50.7%と市場の半分を占めるまでに成長した。アイ・オー・データは逆にじりじりとシェアを下げ、この1月で33.2%となった。
バッファローはランキング1位の「HD-H250U2」、4位の「HD-H160U2」や耐衝撃設計のポータブルタイプ「HD-PHS40U2/UC」を7月に新製品として発売しており、同社では「2シリーズが相乗効果となって、シェアの伸びにつながったのではないか」(広報)と分析している。
●インターフェイスはUSBが9割と圧倒的
ここで少し視点を変えて、インターフェイス別の動向を見てみよう。ユーザーにとってはPCとの接続方法も購入の重要なポイント。トップ10の機種はすべて「USB接続タイプ」だが、そのほかのインターフェイスとして、「LAN接続タイプ」や「IEEE1394接続タイプ」があり、さらに複数のインターフェイスに対応したものもある。
「BCNランキング」でインターフェイス別の販売台数で見ると、1位がUSBで、89.6%、2位がIEEE1394/USBで4.8%、3位がLANで3.7%。ほとんどがUSBだ。都内のあるショップの販売員は「USBはケーブルとつなぐだけですぐに使えるから初心者を中心に幅広い層が購入している。一方LANタイプは、ネットワークの知識が必要で難しい、というイメージもあり、限られた中・上級者のユーザーが購入している」と、USB人気の理由を語ってくれた。
では、1GB単価ではどうだろう。売れ筋の250GBと300GBで比較したところ、いずれもUSBが最も安く、300GBで61円、250GBで55円という結果になった。
●USB+LANという機種も
USB接続だけでは、複数のパソコンでディスクを共有する際でも接続したPCが立ち上がっている必要があり、不便なことも多い。そこで、現在注目されているのが、LAN接続の機種だ。先ほどのインターフェイス別単価では倍近く割高にも見えるが、実は中身は立派なパソコンで簡易ファイルサーバーになっていることを考えると、逆にお買い得と考えることもできる。
LAN接続は設定が難しいと敬遠されがちだが、手軽に利用できるような工夫は各社行っている。例えばバッファローではIPアドレスやサブネットマスクなどを自動設定する「LinkNavigator」「TeraNavigator」といったユーティリティソフトが付属。アイ・オー・データもソフトだけでなく、ブラウザからも簡単に設定できるようにするなど、簡単接続をアピールしている。
さらに「LANとUSB」と2つのインターフェイスを持つ機種もある。例えば、家族で使った場合、1人がUSBでデジカメなどの画像を保存するPCのバックアップ用記憶装置として使う一方、ネットワークでその画像を共有するといった利用ができる。数は少ないものの、「ローカル」と「ネットワーク」の使い分けができる便利なインターフェイスと言える。
「IEEE1394(FireWire)」については、アップルのMacが主に採用している。こちらも「IEEE1394とUSB」という機種が登場。主にMacintoshユーザーが中心となる。条件は限られるがUSB接続でWindowsPCにつなぐこともできるといったメリットがある。
外付けHDDはディスク容量、インターフェイスでは差異化しにくい。また、意外とHDDの動作音がうるさかったりする。そこで、そうしたノイズを抑える「ファンレス」機能をはじめ、「耐衝撃性」機能、個人情報保護用のセキュリティソフトやスロットなど、メーカーでは「付加価値」部分でそれぞれ独自性を打ち出している。容量、インターフェイス、価格でターゲットを絞ったあとは、自分がHDDを使う場所やシーンよって、こうした付加機能に注目して選んでみるのも面白いかもしれない。
*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など18社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。
昔アルバム今ディスク。デジカメの普及とともに「HDDに写真を保存する」のはあたりまえになりつつある。そのうえ携帯オーディオに入れるための音楽ファイルや動画ファイルを扱い始めると、HDDの空き容量はどんどん心細くなっていく。そろそろHDDを増設して広々とすごしたいと感じている人も多いのではないだろうか? そこで、外付けHDDのトレンドを「BCNランキング」で分析、買い得の容量やインターフェイスなど、選ぶポイントを考えてみた。
●市場の中心は「250GB」、今後は「300GB」が主流に?
HDD購入する際に最も気になるのは、「どれくらいの容量の製品を買えばいいのか」という点だろう。「そんなにたくさんいらないから」とか「安いから」という理由で容量が少なめのディスクを買ったらすぐ一杯に……ということもありがちな話。価格自体は安くても、かえって割高だったりして、必ずしも賢い買い物と言えない場合もある。逆に先を見越して「巨大な」ディスクを大枚はたいて買ったところ、すぐに値段が下がって……ということもありそうだ。HDDも他の製品と同じく、数多く売れているものが結果的に割安になる。つまり、売れているものが買い得、ということだ。
そこでまず、売れている容量からチェックしよう。「BCNランキング」で容量別販売台数シェアの推移を見てみると、最も売れているのは「250GB」。継続してほぼ4割の水準を維持している。理由としては、価格がこなれてきたこもさることながら「今自分が持っているPCのHDDの倍か同程度の容量を目安にして購入する人が多い」(都内大手ショップの販売員)という側面もあるようだ。
一方、昨年秋以降、シェアを伸ばし始めているのが300GBだ。05年11月の6.5%から年末以降大きく伸び、06年1月では13.4%まで拡大してきた。個人が扱うファイルの容量はどんどん拡大し続けており、HDDの大容量化はまだまだ続きそうだ。そんな中、今後主役の容量は徐々に300GBにシフトしていくものと思われる。300GBも視野に入れていいだろう。
また「1GBあたりの単価」でも、お買い得の容量はやはり250GB。58円と最も安かった。次が300GBで65円。容量が大きければ大きいほどGB単価は安くなると考えがちだが、TB(テラバイト)を超える大容量の1.2TB(1200GB)が73円で、売れ筋の250GB、300GBクラスよりも割高という結果だった。
●機種別ランキングでも250GBの人気は高い
それでは、実際にどの機種が売れているのか、「BCNランキング」でトップ10を見てみよう。ランクインしたのは据置型が7機種、ポータブルタイプが3機種。容量別では、1位、2位をはじめ4機種が250GB。一方、300GB製品も3位、5位にランクインしている。また40GBの3機種はポータブルタイプの製品だ。
販売台数シェア17.9%で1位となったのは、バッファローの「HD-H250U2」。容量は250GB、電源内蔵型のHDDでUSB2.0、1.1に対応する。また、PCと連動して電源のオン・オフができる「PC連動AUTO電源機能」も搭載しているのが特徴。
2位は、アイ・オー・データ機器の「HDC-U250」でシェア14%。幅38×高さ121mmの省スペース設計が特徴。容量は250GB、USB2.0、1.1に対応し、データバックアップや完全データ消去ソフトも付属する。
ポータブルタイプは「耐衝撃」がトレンドとなっており、7位の「HD-PHS40U2/UC」には衝撃吸収材と耐衝撃バンパーボディが、8位の「HDP-U40」にはバンパー構造の耐衝撃シリコンジャケットが、9位の「LHD-PBC40U2」にはHDDを衝撃吸収素材クッションで支えるフローティング構造がそれぞれ採用されている。
●首位を走るメーカーはバッファロー、アイ・オー・データとデッドヒート
一方、メーカー別ではバッファローとアイ・オー・データの2社が市場の80%を占め、首位を争っている。機種別トップ10に登場するのは、バッファローが5種、アイ・オー・データは4機種となっている。
シェア推移を見てみるとバッファローが強い。8月に一度アイ・オー・データに首位を奪われたものの、9月に奪還。その後順調にシェアを伸ばし、06年1月では50.7%と市場の半分を占めるまでに成長した。アイ・オー・データは逆にじりじりとシェアを下げ、この1月で33.2%となった。
バッファローはランキング1位の「HD-H250U2」、4位の「HD-H160U2」や耐衝撃設計のポータブルタイプ「HD-PHS40U2/UC」を7月に新製品として発売しており、同社では「2シリーズが相乗効果となって、シェアの伸びにつながったのではないか」(広報)と分析している。
●インターフェイスはUSBが9割と圧倒的
ここで少し視点を変えて、インターフェイス別の動向を見てみよう。ユーザーにとってはPCとの接続方法も購入の重要なポイント。トップ10の機種はすべて「USB接続タイプ」だが、そのほかのインターフェイスとして、「LAN接続タイプ」や「IEEE1394接続タイプ」があり、さらに複数のインターフェイスに対応したものもある。
「BCNランキング」でインターフェイス別の販売台数で見ると、1位がUSBで、89.6%、2位がIEEE1394/USBで4.8%、3位がLANで3.7%。ほとんどがUSBだ。都内のあるショップの販売員は「USBはケーブルとつなぐだけですぐに使えるから初心者を中心に幅広い層が購入している。一方LANタイプは、ネットワークの知識が必要で難しい、というイメージもあり、限られた中・上級者のユーザーが購入している」と、USB人気の理由を語ってくれた。
では、1GB単価ではどうだろう。売れ筋の250GBと300GBで比較したところ、いずれもUSBが最も安く、300GBで61円、250GBで55円という結果になった。
●USB+LANという機種も
USB接続だけでは、複数のパソコンでディスクを共有する際でも接続したPCが立ち上がっている必要があり、不便なことも多い。そこで、現在注目されているのが、LAN接続の機種だ。先ほどのインターフェイス別単価では倍近く割高にも見えるが、実は中身は立派なパソコンで簡易ファイルサーバーになっていることを考えると、逆にお買い得と考えることもできる。
LAN接続は設定が難しいと敬遠されがちだが、手軽に利用できるような工夫は各社行っている。例えばバッファローではIPアドレスやサブネットマスクなどを自動設定する「LinkNavigator」「TeraNavigator」といったユーティリティソフトが付属。アイ・オー・データもソフトだけでなく、ブラウザからも簡単に設定できるようにするなど、簡単接続をアピールしている。
さらに「LANとUSB」と2つのインターフェイスを持つ機種もある。例えば、家族で使った場合、1人がUSBでデジカメなどの画像を保存するPCのバックアップ用記憶装置として使う一方、ネットワークでその画像を共有するといった利用ができる。数は少ないものの、「ローカル」と「ネットワーク」の使い分けができる便利なインターフェイスと言える。
「IEEE1394(FireWire)」については、アップルのMacが主に採用している。こちらも「IEEE1394とUSB」という機種が登場。主にMacintoshユーザーが中心となる。条件は限られるがUSB接続でWindowsPCにつなぐこともできるといったメリットがある。
外付けHDDはディスク容量、インターフェイスでは差異化しにくい。また、意外とHDDの動作音がうるさかったりする。そこで、そうしたノイズを抑える「ファンレス」機能をはじめ、「耐衝撃性」機能、個人情報保護用のセキュリティソフトやスロットなど、メーカーでは「付加価値」部分でそれぞれ独自性を打ち出している。容量、インターフェイス、価格でターゲットを絞ったあとは、自分がHDDを使う場所やシーンよって、こうした付加機能に注目して選んでみるのも面白いかもしれない。
*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など18社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。