東電、電線利用の200Mbps級高速LAN、実用化に向けオフィスで実証実験
東京電力は2月7日、総務省関東総合通信局から、オフィスでの利用を想定した高速電力線搬送通信(高速PLC)の実証試験設備の設置許可を獲得、同社内で実証試験を開始した。
電力線を通信回線として利用する高速PLCは、新たにLANケーブルを敷設する必要がなく、光ファイバーに匹敵する高速信が可能になることから、早期の実用化が期待されている。10?450kHzを利用する従来の低速PLCに比べ、2?30MHzと高周波帯を利用。最大200Mbps級の通信速度を達成する技術が開発されているが、現行の電波法では実用化が認められていない。
今回の実証試験では、総務省の「高速電力線搬送通信に関する研究会」が05年12月にとりまとめた「高速PLCと既存の無線利用との共存条件」に準拠するオフィス向け新型モデムを国内で初めて使用。さまざまな配線形態や使用形態を想定した「漏えい電界低減技術」の検証や、複数のモデムを設置した場合の漏えい電界の特性評価など、実用化に向けさらに一歩進んだ試験を実施する。これまで行ってきた住宅利用を想定した実証に加え、オフィス環境での試験を行うことで、さらに幅広い知見も得たい考え。
同社は、今後もさまざまな使用形態を考慮した「漏えい電界低減技術」の効果確認を行い、高品質なブロードバンド環境を、より多くのユーザーに利用してもらえるよう、高速性・利便性に優れた高速PLCの実用化・事業化を視野に入れた検討を推進していく。