トレンドマイクロ、スパイウェア対策ソフト、一般向けで初の単体機能ツール
トレンドマイクロ(エバ・チェン社長)は1月23日、一般消費者向けセキュリティソフトとしてスパイウェア対策専門ソフト「スパイバスター 2006」を2月10日に発売すると発表した。価格は4725円(パッケージ版)。発売後1年間で50万ユーザーの獲得を狙う。一般消費者向けソフトで同社が「ウイルスバスター」以外のソフトを発売するのは今回が初めて。
スパイバスターは、個人情報を知らぬ間に盗んだり、ブラウザの設定を変更するスパイウェアを発見・駆除するツール。スパイバスター2006では、「駆除するのが技術的に困難」(トレンドマイクロ)といわれるスパイウェア「CoolWebSerch」を駆除する専用ツールを備えているほか、システム設定改変の監視や履歴情報の削除などを行える。05年5月に買収した米インターミュートのスパイウェア対策技術とトレンドのセキュリティ技術を組み合わせて開発した。統合セキュリティソフト「ウイルスバスター」にもスパイウェア対策機能は備わっているが、システムの設定改変の監視や履歴情報の削除などは行えない。
他社製セキュリティソフトとの併用が可能で、現段階では、シマンテックの「ノートン・インターネットセキュリティ2005」と「同2006」との動作保証確認は取れているという。2月10日の発売時には、「他の他社製品にも対応する」(田中淳一・コンシューマビジネス統括本部プロダクトマーケティングマネージャー)予定だ。
トレンドが、一般消費者向け事業で「ウイルスバスター」以外にソフトを投入するのは今回が初めてとなる。他社が、パーソナルファイアウォールやスパム対策ソフトなど、統合セキュリティソフト以外にラインアップを持っているのに対し、トレンドは一貫してすべての機能をウイルスバスターに備え“ワンラインアップ”戦略を進めていた。
スパイバスターで戦略転換した理由について、沢昭彦・コンシューマビジネス統括本部統括本部長バイスプレジデントは、「1つのプロダクトで包括的な対策を施せるようにするため、ウイルスバスターにあらゆる機能を備えウイルスバスターのみの提供にこだわってきた。だが、スパイウェアについては全く新しい分野であり、今後市場が大きく成長する可能性があるため、専門ツールとして提供する価値があると判断した」と話している。
また、法人市場への投入については、「米国ではすでに法人向けに投入しており、時期は未定だが進出する」とした。