ニコン、F6とFM10を残しフィルムカメラから事実上の撤退、デジカメに注力
ニコン(刈谷道郎社長)は1月11日、フィルムカメラ事業を大幅に縮小すると発表した。フィルムカメラ本体、マニュアルフォーカス交換レンズ、アクセサリー類の一部製品を除き生産を中止し、在庫がなくなり次第販売を終了する。フィルムカメラの需要が縮小する一方、拡大するデジタルカメラ市場で「市場の見通しに沿った経営判断」(ニコン広報部)として、デジタルカメラ事業に経営資源を集中する。
フィルムカメラ事業で生産を継続するのは、同社のフラッグシップモデル「F6」と入門機マニュアル一眼レフカメラ「FM10」の2機種のみ。マニュアル交換レンズも「AI ニッコール 20mm F2.8S」「AI ニッコール 24mm F2.8S」「AI ニッコール 28mm F2.8S」「AI ニッコール 35mm F1.4S」「AI ニッコール 50mm F1.2S」「AI ニッコール 50mm F1.4S」「AI マイクロニッコール 55mm F2.8S」「AI マイクロニッコール 105mm F2.8S」「PC マイクロニッコール 85mm F2.8D」の9種類を除き生産を中止する。大判カメラ用レンズ、引伸し用レンズも生産を終了する。
同社のフィルム一眼レフの販売台数は01年3月期は108万台だったが、05年3月には24万台、06年3月期は14万台まで落ち込む見通し。一方、デジタル一眼レフカメラは03年3月期の15万台から05年3月期には105万台と大幅に拡大している。