今「買い」の大型液晶TVは32V型? 24%もの値下がりで一層お手頃に
32V型クラスの大型液晶テレビが売れている。その大きな要因のひとつが「値下がり」。「BCNランキング」で価格推移を集計したところ、32V型はこの10か月の間に24%も価格が下がっている。そろそろこのクラスは買い時ではないだろうか? そこで年末商戦真っ只中の大型液晶テレビ市場について、ランキングを交えてまとめた。
32V型クラスの大型液晶テレビが売れている。その大きな要因のひとつが「値下がり」。「BCNランキング」で価格推移を集計したところ、32V型はこの10か月の間に24%も価格が下がっている。そろそろこのクラスは買い時ではないだろうか? そこで年末商戦真っ只中の大型液晶テレビ市場について、ランキングを交えてまとめた。
●液晶のシャープ健在、1位と2位、ともに「液晶AQUOS」
「BCNランキング」11月第4週(11月21日?11月27日)の液晶テレビ機種別ランキングから、大型と分類される32V型以上の液晶テレビを抽出した「大型液晶テレビランキング」では、今年8月発売のシャープ「LC-32GD7」がシェア11.2%で1位、同じくシャープの「LC-32AD5」が10.9%で2位となった。
1位の「LC-32GD7」は「LC-32AD5」の上位モデルに当たる機種。「LC-32AD5」では省かれているPC入力端子、HDMI端子などを搭載し、音質や画質面でも強化されている。ただ、パネルサイズや、輝度やコントラスト比といった基本スペックは両者同じなので、とくにこだわりがない場合は、デザインで選んでも良いかもしれない。
2位の「LC-32AD5」は2月の発売以降、常にランキング上位に位置していたロングセラー。各社から新モデルが投入された夏以降も、勢いは衰えなかったが、今回、初めて「LC-32GD7」に首位の座を譲った。とはいえ、差はわずかに0.3ポイント。人気を二分しているといっていい。
3位には、11月発売のソニーの新モデル「KDL-32V1000」がランクインした。ソニーは、今秋発売モデルからブランド名を「BRAVIA」に変更。新たに、韓国サムスンとの合弁会社から調達する「ソニーパネル」を搭載し、三重県亀山産を掲げるシャープと勝負に出た。40V型の「KDL-40V1000」も7位に入っており、まずまずのスタートといえるだろう。
なお、表中、デジタル放送のハイビジョン信号フォーマット(1080i)をそのまま再現できる「フルHD(1920X1080画素)」タイプを赤字で示した。ランキング上位10以内にはフルHDタイプは1機種も該当モデルがない。11位以降に、シャープ「LC-45GE2」「LC-45AE5」「LC-37GE2」、ソニー「KDL-40X1000」の4機種が登場してくる。画質や将来性を考慮するなら、フルHDかどうかは重要な選択ポイントといえるだろう。
今回取り上げている32V型以上の液晶テレビでは、チューナーに地上デジタルとBSデジタルを搭載した「地デジ」対応が一般的。当然、上位20位以内はすべて地デジ対応となっており、その点では、どの機種を選んでも問題はないだろう。
●10か月で24%、32V型で顕著な価格下落
11月第4週で販売された32V型以上の液晶テレビは全部で68モデル。そこから、画面サイズ別のシェアを算出すると、32V型が66.0%、37V型が18.2%で、この2サイズが全体の8割以上を占めている。手頃な大きさと価格というバランスの良さが人気を呼んでいるようだ。
このように32V型が突出して売れている要因のひとつとして「価格」がある。「BCNランキング」の月次データから32V型・37V型と、小型サイズを含む液晶テレビの平均価格推移を検証してみた。
05年1月の平均価格を100とした指数で価格推移を見ると、10月までで、32V型で24%、37V型で20.6%安くなっていることがわかる。37V型の方は少しブレがあるが、32V型は滑らかに下降している。実際、ランキング2位の「LC-32AD5」について平均価格の推移を見ると、2月の発売直後は20万円台後半だったものが、最新週では20万円前後にまで落ちてきている。一方、10インチ台の小型から最大65V型まで含む液晶テレビ全体の平均価格は、ほとんど変化がない。
液晶テレビ全体の販売台数は、同じく05年1月を100とすると137%に増加。金額ベースはさらにそれを上回り、142%と大幅に増加している。これらの結果から、安くなった30インチ台に人気が集まると同時に、より高額な大型テレビへとシフトしつつある様子が見て取れる。
あるメーカーの販売担当者は、「価格下落の激しい32V型はもうあまりウマミがない。まだ価格的に安定しているワンランク大きなテレビにシフトしてもらいたいというのがホンネ。そのため店頭では37V型や40V型の間に、わざと32V型の製品を置いて小さく見せ、大きいサイズに誘導するといった陳列も行われている。いずれにせよ、どうやって大きいサイズを売るかということに腐心しているのが現状だ」と教えてくれた。こうした戦略はいまのところ成功しているといえそうだ。
●大画面は32V型で十分?ならば、今が買い時!
大型液晶テレビが現在、32V型と37V型が中心となっている背景には、液晶テレビを作るマザーガラスのサイズも関係している。マザーガラスの現在の主流は、「第6世代」と呼ばれるもので、1枚のガラスから32型パネルが8枚、37型パネルが6枚取れ、効率が良い。これがより大きい、第7世代・第8世代になると、必然的に効率の良いパネルサイズも大きくなり、テレビ自体の大画面化が進むことになる。
今後は、フルHD化やマザーガラスの大型化などで、各社の主力がより大型サイズにシフトしていくことは明らか。地域や店舗により温度差はあるものの、すでに店頭の展示は37V型以上が中心に移行しており、実際、ランキングにもこうした傾向が見え始めている。
40超以上の大画面に挟まれた32V型のテレビは何だか小さく見える。そこで、つい1ランク上のモデルが欲しくなるのが人情。しかし、店頭で見るときと、実際に自室に持ち込んだときのサイズの感覚はかなり異なるもの。大きすぎず小さすぎないサイズを選ぶためにも、購入の際にはぜひメジャー持参で出かけ、店頭で実際に測って選びたい。その上で32V型のサイズに納得するなら、価格がこなれてきたこの冬のボーナス商戦では、一番狙い目のサイズといえるだろう。
*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など18社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。
32V型クラスの大型液晶テレビが売れている。その大きな要因のひとつが「値下がり」。「BCNランキング」で価格推移を集計したところ、32V型はこの10か月の間に24%も価格が下がっている。そろそろこのクラスは買い時ではないだろうか? そこで年末商戦真っ只中の大型液晶テレビ市場について、ランキングを交えてまとめた。
●液晶のシャープ健在、1位と2位、ともに「液晶AQUOS」
「BCNランキング」11月第4週(11月21日?11月27日)の液晶テレビ機種別ランキングから、大型と分類される32V型以上の液晶テレビを抽出した「大型液晶テレビランキング」では、今年8月発売のシャープ「LC-32GD7」がシェア11.2%で1位、同じくシャープの「LC-32AD5」が10.9%で2位となった。
1位の「LC-32GD7」は「LC-32AD5」の上位モデルに当たる機種。「LC-32AD5」では省かれているPC入力端子、HDMI端子などを搭載し、音質や画質面でも強化されている。ただ、パネルサイズや、輝度やコントラスト比といった基本スペックは両者同じなので、とくにこだわりがない場合は、デザインで選んでも良いかもしれない。
2位の「LC-32AD5」は2月の発売以降、常にランキング上位に位置していたロングセラー。各社から新モデルが投入された夏以降も、勢いは衰えなかったが、今回、初めて「LC-32GD7」に首位の座を譲った。とはいえ、差はわずかに0.3ポイント。人気を二分しているといっていい。
3位には、11月発売のソニーの新モデル「KDL-32V1000」がランクインした。ソニーは、今秋発売モデルからブランド名を「BRAVIA」に変更。新たに、韓国サムスンとの合弁会社から調達する「ソニーパネル」を搭載し、三重県亀山産を掲げるシャープと勝負に出た。40V型の「KDL-40V1000」も7位に入っており、まずまずのスタートといえるだろう。
なお、表中、デジタル放送のハイビジョン信号フォーマット(1080i)をそのまま再現できる「フルHD(1920X1080画素)」タイプを赤字で示した。ランキング上位10以内にはフルHDタイプは1機種も該当モデルがない。11位以降に、シャープ「LC-45GE2」「LC-45AE5」「LC-37GE2」、ソニー「KDL-40X1000」の4機種が登場してくる。画質や将来性を考慮するなら、フルHDかどうかは重要な選択ポイントといえるだろう。
今回取り上げている32V型以上の液晶テレビでは、チューナーに地上デジタルとBSデジタルを搭載した「地デジ」対応が一般的。当然、上位20位以内はすべて地デジ対応となっており、その点では、どの機種を選んでも問題はないだろう。
●10か月で24%、32V型で顕著な価格下落
11月第4週で販売された32V型以上の液晶テレビは全部で68モデル。そこから、画面サイズ別のシェアを算出すると、32V型が66.0%、37V型が18.2%で、この2サイズが全体の8割以上を占めている。手頃な大きさと価格というバランスの良さが人気を呼んでいるようだ。
このように32V型が突出して売れている要因のひとつとして「価格」がある。「BCNランキング」の月次データから32V型・37V型と、小型サイズを含む液晶テレビの平均価格推移を検証してみた。
05年1月の平均価格を100とした指数で価格推移を見ると、10月までで、32V型で24%、37V型で20.6%安くなっていることがわかる。37V型の方は少しブレがあるが、32V型は滑らかに下降している。実際、ランキング2位の「LC-32AD5」について平均価格の推移を見ると、2月の発売直後は20万円台後半だったものが、最新週では20万円前後にまで落ちてきている。一方、10インチ台の小型から最大65V型まで含む液晶テレビ全体の平均価格は、ほとんど変化がない。
液晶テレビ全体の販売台数は、同じく05年1月を100とすると137%に増加。金額ベースはさらにそれを上回り、142%と大幅に増加している。これらの結果から、安くなった30インチ台に人気が集まると同時に、より高額な大型テレビへとシフトしつつある様子が見て取れる。
あるメーカーの販売担当者は、「価格下落の激しい32V型はもうあまりウマミがない。まだ価格的に安定しているワンランク大きなテレビにシフトしてもらいたいというのがホンネ。そのため店頭では37V型や40V型の間に、わざと32V型の製品を置いて小さく見せ、大きいサイズに誘導するといった陳列も行われている。いずれにせよ、どうやって大きいサイズを売るかということに腐心しているのが現状だ」と教えてくれた。こうした戦略はいまのところ成功しているといえそうだ。
●大画面は32V型で十分?ならば、今が買い時!
大型液晶テレビが現在、32V型と37V型が中心となっている背景には、液晶テレビを作るマザーガラスのサイズも関係している。マザーガラスの現在の主流は、「第6世代」と呼ばれるもので、1枚のガラスから32型パネルが8枚、37型パネルが6枚取れ、効率が良い。これがより大きい、第7世代・第8世代になると、必然的に効率の良いパネルサイズも大きくなり、テレビ自体の大画面化が進むことになる。
今後は、フルHD化やマザーガラスの大型化などで、各社の主力がより大型サイズにシフトしていくことは明らか。地域や店舗により温度差はあるものの、すでに店頭の展示は37V型以上が中心に移行しており、実際、ランキングにもこうした傾向が見え始めている。
40超以上の大画面に挟まれた32V型のテレビは何だか小さく見える。そこで、つい1ランク上のモデルが欲しくなるのが人情。しかし、店頭で見るときと、実際に自室に持ち込んだときのサイズの感覚はかなり異なるもの。大きすぎず小さすぎないサイズを選ぶためにも、購入の際にはぜひメジャー持参で出かけ、店頭で実際に測って選びたい。その上で32V型のサイズに納得するなら、価格がこなれてきたこの冬のボーナス商戦では、一番狙い目のサイズといえるだろう。
*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など18社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。