セイコーウオッチ、初の電子インク腕時計、世界限定500個、26万2500円で

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2005/11/30 15:47



 セイコーウオッチ(服部真二社長)は、マイクロカプセル型電子インクを使った世界初の腕時計「セイコー スペクトラム(SPECTRUM)」を06年1月27日に発売する。全世界で500個限定とし、日本国内では200個を販売する。価格は26万2500円。

 バングル(腕輪)状の腕時計で、曲面全体を使った大型曲面ディスプレイに時刻を表示する独特のデザイン。今回、時計の表示画面に「マイクロカプセル型電子インク」を利用したディスプレイを搭載した。

 「マイクロカプセル型電子インク」は電子ディスプレイの素材で、髪の毛の直径ほどの何百万個もの微小なマイクロカプセルで構成する。カプセル内は透明な液体で満たされ、正に荷電された白い粒子と負に荷電された黒い粒子が浮遊する。負の電界をかけると白い粒子がマイクロカプセルの上部に移動し、カプセルの表面が白く見え、正の電界をかけると黒い粒子が上部に現れ、カプセル表面が黒く見える。この特性を文字や数字を表示するディスプレイに利用した。

 ディスプレイは180度の視野角を持ち、バックライトは不要。反射型液晶表示体(LCD)よりもはっきりしたコントラストの白色、黒色を表示ができる。LCDの半分の薄さで、軽く自由に曲げることができるうえ、消費電力が少なくて済む。こうした特性により、従来では難しかった曲面の腕時計用大型ディスプレイが可能となった。米E Ink Corporationが開発、製造する「電子インク・マイクロカプセル」を利用し、セイコーエプソンが駆動用ICを含めたディスプレイのモジュールとして完成させた。

 表示画面は、グラフィックデザイナーの長谷川踏太氏を起用し、文字や数字とストライプ柄が組み合わさるようなデザインにした。また、昼間と夜間で表示の白と黒が反転する機能も持たせた。ボタン操作はタッチセンサーでタイムモードとカレンダーモードを装備する。重さは134g。