紀伊國屋書店、DVDネット通販に本格参入、DVD取次の最大手との提携で
紀伊國屋書店は、DVD専門ショッピングサイト「フォレストプラス」を11月21日に開設した。初年度15億円の売り上げを見込む。
100社を超えるDVDメーカーや取次業者の協力を得て、コンシェルジュ(情報案内人)による商品の推薦や豊富な検索項目の設置、マニアックな検索への対応など、専門サイトならではの機能を装備。とくに、ユーザーの利便性を高める「マイページ」に注力しており、「DVD化作品お知らせ通知」「人物新作お知らせ通知」「コンシェルジュ更新通知」や、購入希望商品の流通状況(予約受付中/在庫有無など)が一覧できる「商品ウォッチリスト」など、さまざまな機能の拡充を図った。
販売価格を柔軟に設定しているのも特徴で、新譜を最大20%ディスカウントで提供する。ポイント制も導入し、獲得したポイントを商品代金の一部として随時消化できるようにした。配送料は5000円以上の注文で無料となる。
同社はこれまで、新宿本店および新宿南店の在庫を利用した会員制ネットショップ「BookWeb」を運営。書籍とDVDを同時検索できる特長を生かし、年間約5億円のDVDを販売していたが、商品が自社の店頭在庫に限られるため、品種、商品量ともに限界があった。
これに対し、新サービスの「フォレストプラス」は、DVD取次の最大手ハピネットと提携。市場に流通しているタイトルの90%を超える在庫カバー率をもつハピネットの物流倉庫在庫をそのまま利用することで、商品をエンドユーザーに直送する「即日発送、翌日配送」を可能にした。さらに、紀伊國屋書店のオリジナル商品、独自の流通ルートによる品揃えも用意する。
今後、「フォレストプラス」では、映像商品中心の購買層に特化した独自のサービスを提供していく計画。既存の「BookWeb」会員に対しては、「フォレストプラス」への入会を誘導し、ニーズに応じて両サイトを使い分けてもらえるよう働きかけていく。これらの施策により、08年度には登録者100万人、50億円の売り上げを目指す。