土日の初動、ソニー・松下は携帯オーディオ新製品でアップルを捉えたか?
日本の携帯オーディオ市場で、アップルが59.8%と大きな販売シェアを獲得してほぼ1週間が経過した先週末の11月19日、ソニーと松下が新製品を相次いで発売した。これで役者はほぼ揃い、事実上の年末商戦がスタート。これからの商戦を占う上で、重要な最初の週末とも言える19日と20日の2日間、各社の奮闘ぶりはどうだったのか? 「BCNランキング」日次集計による速報値から、その模様をレポートする。
日本の携帯オーディオ市場で、アップルが59.8%と大きな販売シェアを獲得してほぼ1週間が経過した先週末の11月19日、ソニーと松下が新製品を相次いで発売した。これで役者はほぼ揃い、事実上の年末商戦がスタート。これからの商戦を占う上で、重要な最初の週末とも言える19日と20日の2日間、各社の奮闘ぶりはどうだったのか? 「BCNランキング」日次集計による速報値から、その模様をレポートする。
●競合の新製品発売直後の2日間でも依然アップルは販売シェア45%
まず、ソニーが発売したのは「ウォークマン」Aシリーズ。HDDタイプでは容量6GBの「NW-A1000」と20GBの「NW-A3000」の2機種。メモリタイプでは512MBの「NW-A605」、1GBタイプの「NW-A607」、2GBタイプの「NW-A608」の3タイプを投入した。また松下は、SDカードに対応する「D-snap Audio」の新モデルを発売。ディスプレイ表示が7行でFMチューナーつきの「SD750V」とFMなしの「SD700」、さらにディスプレイ表示が4行でFMつきの「SD350V」とFMなしの「SD300」の4モデルを投入した。
こうした新製品の立ち上がりの動きはどうだったのか、速報値でみてみることにしよう。集計期間は11月19日の土曜日と翌20日の日曜日の2日間。この期間に限ると、メーカー別での携帯オーディオ全体での販売シェアはアップルが45.0%となり、直近の59.8%(11月第2週 週次の数値)に比べ約15%低い販売シェアとなった。一方、ソニーは9.7%(同)から22.2%とシェア倍増、松下も2.1%(同)から9.1%にまでシェアを大きく伸ばした。ただし、新製品発売直後のわずか2日間の集計値であるため、この傾向が今後も継続していくものなのかどうかはまだわからない。
では、この2日間での機種別トップ10を見てみよう。カラーバリエーションを合算して集計したシェアでは、1位から4位までがアップル、5位からソニーが登場し、松下は9位に食い込み、10位に再びアップルという結果になった。iPod nano が相変わらずの強さを見せている一方で、ソニーでは6GB-HDDモデルの「NW-A1000」が、松下では、最上位機種の「SD750V」が今のところの人気モデルとなっている。
●大きくシェアを伸ばしたソニーだが、4月のような勢いはない
今年4月、ソニーはMP3に本格的に対応し旧来のラインアップを一新して「ネットウォークマン」を発売した。その際、メモリタイプのカテゴリー集計で発売最初の週末にアップルのiPod Shuffleをいきなり抜き去るという離れ業を見せたソニーだが、今回はどうだろう。
HDDタイプでは、アップルはほぼ6割の販売シェアを確保している一方で、ソニーも3割のシェアを獲得。また、メモリタイプでは、トップのアップルが41.1%で、それにソニーが20%で追いかける構図。HDDタイプを投入しなかった松下は、メモリタイプでは3位につけ、販売シェアも11.7%となった。ソニーも松下も新製品の投入で大変健闘してはいる。しかし、いずれも今のところアップルを抜き去るような勢いは感じられない。
iPod nano と動画に対応した第5世代iPodに加えて、iTunes Music Storeというハードとソフトの両面作戦をとり万全の体制で迎え撃つアップルに、ソニーや松下を始めとする各社がどこまで迫ることができるのか? 年末商戦本番を迎えるこれから、雌雄を決する戦いがいよいよ始まる。(WebBCNランキング編集長・道越一郎)
*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など18社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。
日本の携帯オーディオ市場で、アップルが59.8%と大きな販売シェアを獲得してほぼ1週間が経過した先週末の11月19日、ソニーと松下が新製品を相次いで発売した。これで役者はほぼ揃い、事実上の年末商戦がスタート。これからの商戦を占う上で、重要な最初の週末とも言える19日と20日の2日間、各社の奮闘ぶりはどうだったのか? 「BCNランキング」日次集計による速報値から、その模様をレポートする。
●競合の新製品発売直後の2日間でも依然アップルは販売シェア45%
まず、ソニーが発売したのは「ウォークマン」Aシリーズ。HDDタイプでは容量6GBの「NW-A1000」と20GBの「NW-A3000」の2機種。メモリタイプでは512MBの「NW-A605」、1GBタイプの「NW-A607」、2GBタイプの「NW-A608」の3タイプを投入した。また松下は、SDカードに対応する「D-snap Audio」の新モデルを発売。ディスプレイ表示が7行でFMチューナーつきの「SD750V」とFMなしの「SD700」、さらにディスプレイ表示が4行でFMつきの「SD350V」とFMなしの「SD300」の4モデルを投入した。
こうした新製品の立ち上がりの動きはどうだったのか、速報値でみてみることにしよう。集計期間は11月19日の土曜日と翌20日の日曜日の2日間。この期間に限ると、メーカー別での携帯オーディオ全体での販売シェアはアップルが45.0%となり、直近の59.8%(11月第2週 週次の数値)に比べ約15%低い販売シェアとなった。一方、ソニーは9.7%(同)から22.2%とシェア倍増、松下も2.1%(同)から9.1%にまでシェアを大きく伸ばした。ただし、新製品発売直後のわずか2日間の集計値であるため、この傾向が今後も継続していくものなのかどうかはまだわからない。
では、この2日間での機種別トップ10を見てみよう。カラーバリエーションを合算して集計したシェアでは、1位から4位までがアップル、5位からソニーが登場し、松下は9位に食い込み、10位に再びアップルという結果になった。iPod nano が相変わらずの強さを見せている一方で、ソニーでは6GB-HDDモデルの「NW-A1000」が、松下では、最上位機種の「SD750V」が今のところの人気モデルとなっている。
●大きくシェアを伸ばしたソニーだが、4月のような勢いはない
今年4月、ソニーはMP3に本格的に対応し旧来のラインアップを一新して「ネットウォークマン」を発売した。その際、メモリタイプのカテゴリー集計で発売最初の週末にアップルのiPod Shuffleをいきなり抜き去るという離れ業を見せたソニーだが、今回はどうだろう。
HDDタイプでは、アップルはほぼ6割の販売シェアを確保している一方で、ソニーも3割のシェアを獲得。また、メモリタイプでは、トップのアップルが41.1%で、それにソニーが20%で追いかける構図。HDDタイプを投入しなかった松下は、メモリタイプでは3位につけ、販売シェアも11.7%となった。ソニーも松下も新製品の投入で大変健闘してはいる。しかし、いずれも今のところアップルを抜き去るような勢いは感じられない。
iPod nano と動画に対応した第5世代iPodに加えて、iTunes Music Storeというハードとソフトの両面作戦をとり万全の体制で迎え撃つアップルに、ソニーや松下を始めとする各社がどこまで迫ることができるのか? 年末商戦本番を迎えるこれから、雌雄を決する戦いがいよいよ始まる。(WebBCNランキング編集長・道越一郎)
*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など18社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。