ヤフー、不正利用検知システムを導入、オークションのセキュリティ強化
ヤフー(井上雅博社長)は11月14日、インターネットオークションサービス「Yahoo!オークション」で、知的財産権侵害などの不正出品や架空出品による詐欺の取り締まりを強化すると発表した。
金融ビジネスコンサルティングサービスの金融エンジニアリング・グループ(FEG、中林三平代表取締役)と提携、オークションの不正利用を検知するシステムを共同で構築した。データマイニング技術を応用し不正出品を行うユーザーの利用パターンをモデル化。実際の取引と照らし合わせることで、不正モデルと合致する取引は行えないようにするもの。年内をめどに「Yahoo!オークション」に導入する。システム構築費は約1億円。
たとえば、普段は低額商品の落札が中心で出品したことがないユーザーが、ノートパソコンを一挙に30台出品した場合、「従来の利用パターンとかなり異なったケースであり、第三者によるIDの乗っ取りの確率が高く、状況によりIDの利用停止などの措置が可能」(殿村英嗣・オークション事業部長)になる。さらに同社では、全出品を365日24時間態勢で監視する専門部隊の人員に関しても今四半期内に増強し、現在の150人から170人とする予定。
殿村事業部長は、「オークション事業を伸ばすうえで、不正品の削除が最重要課題」という認識。「ネット利用者約8000万人のうち、オークション利用者はまだ全体の7%に過ぎない。不正品の取り締まりを強化して健全な取引体制を構築できれば、ビジネスへのインパクトは大きい。ここ数年伸び悩んでいる『Yahoo!オークション』のビジネスをさらに成長させることができる」と説明した。
「Yahoo!オークション」は、国内最大規模のインターネットオークションサービスで、平均総出品数は881万件、会員ID数は569万ID、1日の平均取扱金額は16億7000万円にもおよぶ。不正出品削除率は1.7ー3.3%、詐欺被害件数は0.009?0.013%(ともに2005年1?6月のデータ)となっている。