産総研、唾液でストレスを測るプロトタイプ技術を開発
産業技術総合研究所(産総研、吉川弘之理事長)ヒューマンストレスシグナル研究センター(二木鋭雄センター長)ストレス計測評価研究チーム(脇田慎一研究チーム長、田中喜秀主任研究員、永井秀典研究員)は、SCIVAX(前野拓道社長)と共同で、産総研のラボチップ(Lab-on-a-Chip)技術を用いて、唾液中のストレス関連物質を手軽に測るプロトタイプ技術の開発に成功した。
従来、血液中のコルチゾールやアドレナリンなどの物質が「ストレスマーカー」(科学的に根拠のあるストレス指標物質)として提案されていたが、血液測定では採血自体がストレス負荷となって血管収縮や血圧上昇などが起こり、ストレスが正しく評価・診断できない矛盾があった。
産総研では、ストレス負荷を伴わない唾液に注目。唾液中のストレス関連成分の計測技術を開発してきた。今回、ストレスマーカーとして最も有力な、唾液中の分泌型免疫グロブリンAと血液濃度と高い相関性があるコルチゾールをストレス関連物質に選び、プロトタイプを開発した。今後、ヒューマンストレス産業技術研究会の会員の中で、本格的な製品化を目指したアライアンスを構築、ラボチップの集積化や検出装置の自動化技術を重点開発し、製品開発を目指す。