序盤戦で優勢なのは? 05年冬のインクジェットプリンタバトル
キヤノン対エプソン。この構図がすっかり定着した感のあるインクジェットプリンタ市場。今年も両社最新の技術を駆使した冬モデルを引っ下げて登場。戦いの火蓋は切って落とされた。さて、今優勢なのは? 「BCNランキング」に見る05年冬のプリンタバトル、序盤戦の模様をお伝えしよう。
キヤノン対エプソン。この構図がすっかり定着した感のあるインクジェットプリンタ市場。今年も両社最新の技術を駆使した冬モデルを引っ下げて登場。戦いの火蓋は切って落とされた。さて、今優勢なのは? 「BCNランキング」に見る05年冬のプリンタバトル、序盤戦の模様をお伝えしよう。
●機種別シェアのトップ争い、序盤はキヤノン「PIXUS IP4200」に軍配
家庭用インクジェットプリンタは、キヤノンとエプソンの2強市場だ。直近のメーカー別シェアでは、キヤノン約59%、エプソン約39%、他のメーカーが約2%。つまり大半はキヤノンの「PIXUS(ピクサス)」とエプソンの「Colorio(カラリオ)」で、あとは「一握りのその他」という構図になっている。
そんななか、シェア拡大を目指すエプソンは今回、「パソコン専門店や家電量販店などで展示スペースを多く確保できた」として、複合機を含めインクジェットプリンタ新モデル全9機種を10月6日に一斉発売するという戦略に打って出た。これが勝敗の行方にどう響いてくるかが注目だ。
10月第4週(10月17日?23日)の「BCNランキング」の機種別ランキングでは、1位・4位・5位・8位・9位がキヤノンの「PIXUS」シリーズ、2位・3位・6位・7位・10位がエプソン「Colorio」シリーズ。
11位から20位までのランキングでも、キヤノンが12位と14位-17位、エプソンが11位・13位と18位-20位と、ほぼ交互に並んでいる。
1位のキヤノン「PIXUS IP4200」は、独自の画像処理技術と、黒を含む4色の染料インクと顔料ブラックインクの5色で、鮮やかな写真プリントを実現したスタンダードフォトプリンタ。10月第2週(10月10日?16日)、昨年の秋モデル「PIXUS IP3100」に代わって1位に浮上。シェアも20%前後に達し、現段階では一番の売れ行きを示している。
今回キヤノンは、「PIXUS IP4200」を始め、ほとんどのモデルに、小さな設置スペースでも印刷できる「前面給紙カセット」や、年賀状などの両面印刷に対応した「自動両面ユニット」を標準搭載した。これまでは、本体はコンパクトにまとまっていても、いざ印刷するとなると前後に大きなスペースを必要とする、という機種も珍しくなかった。そうした点を改良し、印刷している時でも省スペースを維持する工夫が施されている。
2位のエプソン「PM-D800」は、メモリカードスロットを装備し、ダイレクトプリントの標準規格「PictBridge」などにも対応した「カラリオダイレクト」シリーズの6色プリンタ。新コンセプト「Epson Color」対応モデルのひとつだ。逆光や色かぶりなどの人物撮影を自動補正し、好ましい色でプリントできる、新画像処理技術「オートフォトファイン!EX」がウリ。本体中央部の2.4型のカラー液晶で、プリントする写真データを実際に目で確かめることもできる。
一方、同シリーズの下位モデル「PM-D600」は現在11位。今となってはインク4色では写真出力が若干心もとないことや、液晶サイズが1.5型で小ぶりな点などが、人気の差につながっているのかもしれない。「PM-D800」に限らず、プリンタ本体にカラー液晶を搭載するモデルは多いが、やはり大き目の液晶が好まれる傾向は変わらない。
3位のエプソン「PX-V630」は、カードスロットなどを装備しないごく一般的な4色プリンタ。水に強く、濡れてもにじみにくい顔料インクを採用することで、他のエントリーモデルとの差別化を図っている。価格の安さだけでなく、水に強いという明確でわかりやすいセールスポイントが人気をささえているようだ。
●分散するトレンド より安く?より綺麗に?より置きやすく?
こうしてみると、1位、2位、3位は、それぞれタイプの異なるプリンタになった。インクジェットプリンタの写真の表現力は、すでにかなりのところまできている。逆にいえば、ほとんど差はない。そこで両社とも画質に加えたプラスアルファの機能での差別化を追及しはじめている。その結果がこのランキングに現れている、といえそうだ。
また価格面でも、もっとも安い「PX-V630」で実売1万円台前半、より高機能な「PM-D800」でも2万円台前半と、ランキング上位3モデル間での差はあまりない。1万円から2万円程度のモデルが今の売れ筋だ。こうしてみると、価格も画質も、そろそろ限界に近いところまで来ているようにも思える。これから本番を迎える05年プリンタバトル。どんなポイントが勝敗を分けることになるのか? じっくりと見守っていきたい。
*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など18社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで113品目を対象としています。
キヤノン対エプソン。この構図がすっかり定着した感のあるインクジェットプリンタ市場。今年も両社最新の技術を駆使した冬モデルを引っ下げて登場。戦いの火蓋は切って落とされた。さて、今優勢なのは? 「BCNランキング」に見る05年冬のプリンタバトル、序盤戦の模様をお伝えしよう。
●機種別シェアのトップ争い、序盤はキヤノン「PIXUS IP4200」に軍配
家庭用インクジェットプリンタは、キヤノンとエプソンの2強市場だ。直近のメーカー別シェアでは、キヤノン約59%、エプソン約39%、他のメーカーが約2%。つまり大半はキヤノンの「PIXUS(ピクサス)」とエプソンの「Colorio(カラリオ)」で、あとは「一握りのその他」という構図になっている。
そんななか、シェア拡大を目指すエプソンは今回、「パソコン専門店や家電量販店などで展示スペースを多く確保できた」として、複合機を含めインクジェットプリンタ新モデル全9機種を10月6日に一斉発売するという戦略に打って出た。これが勝敗の行方にどう響いてくるかが注目だ。
10月第4週(10月17日?23日)の「BCNランキング」の機種別ランキングでは、1位・4位・5位・8位・9位がキヤノンの「PIXUS」シリーズ、2位・3位・6位・7位・10位がエプソン「Colorio」シリーズ。
11位から20位までのランキングでも、キヤノンが12位と14位-17位、エプソンが11位・13位と18位-20位と、ほぼ交互に並んでいる。
1位のキヤノン「PIXUS IP4200」は、独自の画像処理技術と、黒を含む4色の染料インクと顔料ブラックインクの5色で、鮮やかな写真プリントを実現したスタンダードフォトプリンタ。10月第2週(10月10日?16日)、昨年の秋モデル「PIXUS IP3100」に代わって1位に浮上。シェアも20%前後に達し、現段階では一番の売れ行きを示している。
今回キヤノンは、「PIXUS IP4200」を始め、ほとんどのモデルに、小さな設置スペースでも印刷できる「前面給紙カセット」や、年賀状などの両面印刷に対応した「自動両面ユニット」を標準搭載した。これまでは、本体はコンパクトにまとまっていても、いざ印刷するとなると前後に大きなスペースを必要とする、という機種も珍しくなかった。そうした点を改良し、印刷している時でも省スペースを維持する工夫が施されている。
2位のエプソン「PM-D800」は、メモリカードスロットを装備し、ダイレクトプリントの標準規格「PictBridge」などにも対応した「カラリオダイレクト」シリーズの6色プリンタ。新コンセプト「Epson Color」対応モデルのひとつだ。逆光や色かぶりなどの人物撮影を自動補正し、好ましい色でプリントできる、新画像処理技術「オートフォトファイン!EX」がウリ。本体中央部の2.4型のカラー液晶で、プリントする写真データを実際に目で確かめることもできる。
一方、同シリーズの下位モデル「PM-D600」は現在11位。今となってはインク4色では写真出力が若干心もとないことや、液晶サイズが1.5型で小ぶりな点などが、人気の差につながっているのかもしれない。「PM-D800」に限らず、プリンタ本体にカラー液晶を搭載するモデルは多いが、やはり大き目の液晶が好まれる傾向は変わらない。
3位のエプソン「PX-V630」は、カードスロットなどを装備しないごく一般的な4色プリンタ。水に強く、濡れてもにじみにくい顔料インクを採用することで、他のエントリーモデルとの差別化を図っている。価格の安さだけでなく、水に強いという明確でわかりやすいセールスポイントが人気をささえているようだ。
●分散するトレンド より安く?より綺麗に?より置きやすく?
こうしてみると、1位、2位、3位は、それぞれタイプの異なるプリンタになった。インクジェットプリンタの写真の表現力は、すでにかなりのところまできている。逆にいえば、ほとんど差はない。そこで両社とも画質に加えたプラスアルファの機能での差別化を追及しはじめている。その結果がこのランキングに現れている、といえそうだ。
また価格面でも、もっとも安い「PX-V630」で実売1万円台前半、より高機能な「PM-D800」でも2万円台前半と、ランキング上位3モデル間での差はあまりない。1万円から2万円程度のモデルが今の売れ筋だ。こうしてみると、価格も画質も、そろそろ限界に近いところまで来ているようにも思える。これから本番を迎える05年プリンタバトル。どんなポイントが勝敗を分けることになるのか? じっくりと見守っていきたい。
*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など18社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで113品目を対象としています。