NTTなど6社、ブロードバンドを活用した介護予防事業に参入
テルウェル東日本(笹倉信行社長)、テルウェル西日本(藤原勝彦社長)、NTT東日本(高部豊彦社長)、NTT西日本(森下俊三社長)、NTTコミュニケーションズ(NTT Com、和才博美社長)、NTT(和田紀夫社長)の6社は、ブロードバンドを活用した介護予防事業に参入する。NTTグループの介護事業者であるテルウェル東西の介護施設で7月末からトライアルを開始し、今秋からグループ全体で、自治体や介護事業者向けにシステムの販売を開始する予定。
同システムは、デイサービスセンターや保健福祉センターなど高齢者の集まる拠点や自宅などをブロードバンドで結び、「映像ストリーミング機能」と「多地点テレビ会議機能」を組み合わせ、多人数・複数拠点での運動教室などの同時開催を可能にするもの。06年度施行予定の介護保険制度改正の予防重視に対応する指導メニューを備えている点が特徴で、自治体などで実施されている集合型の介護予防教室の補完として、拠点や自宅で介護予防習慣の定着を図り、さらに、教室終了後の活動を支援することができる。
今後、要介護やリスクの高い人を中心に、ブロードバンドと映像コミュニケーション技術を活用して、科学的に証明された運動指導や食事指導などのメニューを提供していく計画。指導人材不足を補い、予防事業の裾野を広げることで寝たきり高齢者を減らし、活力ある健康長寿社会の実現を目指す。
各社の役割としては、NTT東西とNTT Comは、自治体や介護事業者の実施する介護予防事業に活用できるシステムソリューションと充実したサポートを提供する。テルウェル東西は、自治体と連携して地域に密着した介護予防サービスを提供するとともに、介護予防の運動指導士養成講座の開設など、広く介護予防事業の普及を目指した事業を展開していく。
NTTの研究所では、03年度にハイリスク者向けの介護予防システムを構築、NTT Comの協力を得て北海道美唄市で実証実験を行い、有効性を検証した。今回、この実績をもとに、ハイリスク者のスクリーニングから介護予防指導メニューの提供まで、トータルに介護予防事業を支援する新たな介護予防システムを開発した。