携帯オーディオ売れ筋20、アップル対ソニーの構図鮮明に

特集

2005/06/26 22:23

<strong><6月第3週(05年6月13日-19日)週次集計速報></strong><br />
 このところ携帯オーディオ市場の拡大が著しい。「BCNランキング」で、半年前の1月第3週(1月10日-1月16日集計)の総販売台数を100とした伸び率指数をみると、6月第3週(6月13日-6月19日集計)では170%と大幅増。機種数でも同140%増と大きく伸びている。ソニーを始め各メーカーが新製品を続々と発売し、さらなる販売台数アップとラインアップの多様化をもたらしているのもその原動力になっている。しか

<6月第3週(05年6月13日-19日)週次集計速報>

 このところ携帯オーディオ市場の拡大が著しい。「BCNランキング」で、半年前の1月第3週(1月10日-1月16日集計)の総販売台数を100とした伸び率指数をみると、6月第3週(6月13日-6月19日集計)では170%と大幅増。機種数でも同140%増と大きく伸びている。ソニーを始め各メーカーが新製品を続々と発売し、さらなる販売台数アップとラインアップの多様化をもたらしているのもその原動力になっている。しかし、トップ20では実に19機種をアップルとソニーが占めており「2強」の構図が鮮明になってきた。

 そこで、上位20位までの最新ランキングをご紹介し、いまもっともホットなデジタルアイテム・携帯オーディオの最新動向をまとめてみた。

上位10位


●アップル「iPod shuffle 512MB」が15週連続1位、周辺ビジネスも活況

iPod shuffle 今年に入って市場を牽引してきたのは、1月12日に発売されたアップルの「iPod Shuffle」。HDDを内蔵した「iPod」「iPod mini」で業界をリードしてきたアップルが満を持して投入したフラッシュメモリプレーヤーで、メモリ容量の異なる2機種のうち、安い512MBモデルが人気だ。液晶のない斬新なスタイルの上に、同社として前例のない低価格、さらに供給の少なさなども重なり、発売直後から品切れや入荷待ちの店が続出。「欲しいのに買えない」ということまで話題になり、他メーカーの“価格改訂ラッシュ”までも引き起こした。

 「BCNランキング」では、供給が安定しはじめた2月最終週(2月21日-2月27日集計)で初のトップを獲得、以降、現在まで1位をキープし続けている。集計週における販売台数シェアも、発売からかなり経過しているにもかかわらず10.1%と圧倒的だ。1GBモデルも毎週5位以内にはランクインしており、人気の高さがうかがえる。多くのサードパーティから専用アクセサリが発売され、店頭にはiPod 関連グッズコーナーができるほど。7月にはあのユニクロも専用カバーでアクセサリ市場への「参入」を発表するなど、取り巻く環境も熱い。

●ねじれるランキング、事実上の連続1位は4色展開の「iPod mini」?

 ベスト10には、アップルのiPodファミリー8機種、ソニーのネットワークウォークマン2機種がランクインしている。

 アップルの携帯オーディオのラインアップは、少々複雑だ。「iPod shuffle」と「iPod」「iPod photo」はカラーバリエーションがなく、白1色しかない。しかし、「iPod mini」では4色のカラーバリエーションがあり、従来と同じHDD容量の「iPod mini 4GB」と、今年2月のマイナーバージョンアップ時に新たに追加した「iPod mini 6GB」の2タイプ、8モデルでの展開だ。

 このため、機種別ランキングでは「iPod shuffle」が首位を独走しているが、今回、20位以内にランクインしている「iPod mini 4GB/6GB」を合算するだけで、「iPod shuffle」2機種の合計を超えるというねじれが起こっている。とくに「iPod mini 4GB」は、シルバー(2位)、ブルー(4位)、ピンク(7位)、グリーン(10位)の順に4色すべてがトップ10に入っており、価格と性能、操作性のバランスの良さで広い支持を得ているようだ。

●ソニーはFMチューナー搭載・1GBメモリ内蔵の「NW-E507」が人気

 一方、ソニーのネットワークウォークマンの売れ筋モデルは、香水瓶をイメージして開発したという「ウォークマン スティック」。容量とFMチューナーの有り無しの違いのバリエーションで4タイプ(FMチューナーあり「NW-E507/E505」・FMチューナーなし「NW-E407/E405」)。それぞれ3色ないし4色のカラーバリエーションを用意し、製品数が多いためにシェアが分散し、総合ランキングでは上位に入りにくい構造になっている。

ウォークマン スティック「NW-E507/E505」 なかでも、FMチューナー搭載・1GBメモリ内蔵の最上位モデル「NW-E507」は、スパークリングシルバー(5位)、アズールブルー(8位)、チェリーピンク(20位)の順に3色すべてが上位20以内に入るなど、人気が高い。

 512MBメモリ内蔵の「NW-E505」も、スパークリングシルバー(11位)、アズールブルー(15位)の順でランクインしており、「iPod Shuffle」にはない“FMチューナー”がポイントになっているようだ。ちなみに、付加機能としてFMチューナーを搭載する製品は多く、ネットワークウォークマン独自の特色というわけではない。最長約50時間の長時間再生や、片手で操作できるという「ジョグシャトル」などの魅力があってのことだろう。

上位11位-20位


●11位から20位まではソニー優勢、他メーカーは軒並みランク外へ

 11位から20位までを見ると、ソニーがランキングをほぼ独占している状態。「ウォークマン スティック」の各モデルが中心だが、HDD搭載「NW-HD5(シルバー)」も13位につけている。

 アップル・ソニー以外の他メーカーは、唯一19位にクリエイティブメディアが256MBの「Creative MuVo TX FM ブラック」で登場するだけ。黎明期から市場を牽引していたデジタルオーディオの老舗メーカーが、ランキング上、後発のソニーに押し出された格好だ。しかし実際には、販売台数は各社とも増加傾向にあり、新規ユーザーを中心に、利用者の裾野は広がっていることは確かなようだ。

●2強状態はいつまで続く?他メーカーの攻勢は?

 ソニーの新ネットワークウォークマンの発売以降、ランキングはアップル対ソニーという構図が鮮明になってきた。しかし、こうした2強状態を打ち破る、あっと驚く新たなモデルの登場も望まれる。各メーカーが次々と魅力的な製品を発表するなか、「まだ見ぬナンバーワン」にも期待したい。


*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など18社・2100を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで125品目を対象としています。