HDD・DVDレコーダー売れ筋20、今「買い」はどれ? 混戦続くヒットチャート
<strong><6月第2週(05年6月6日-12日)集計速報></strong><br /> ここ数ヶ月、HDD・DVDレコーダーのトップ争いは松下DIGA対ソニースゴ録という構図が続いてきた。そして現在もなお熾烈なデッドヒートを繰り広げている。しかし、いずれの機種も台数シェアは1桁台。飛びぬけて売れる機種は少なくなり、大混戦の様相を呈してきた。
<6月第2週(05年6月6日-12日)集計速報>
ここ数ヶ月、HDD・DVDレコーダーのトップ争いは松下DIGA対ソニースゴ録という構図が続いてきた。そして現在もなお熾烈なデッドヒートを繰り広げている。しかし、いずれの機種も台数シェアは1桁台。飛びぬけて売れる機種は少なくなり、大混戦の様相を呈してきた。そこで、ランキングベスト20を見ながらDVDレコーダー市場の現状をお伝えし、発売を直前に控えている夏モデルの特徴などもあわせてご紹介したい。
●新モデル発売を前に、続く混戦状況
最新、6月第2週(05年6月6日-12日)集計の「BCNランキング」では、5月に発売されたばかりの松下「DIGA DMR-EH70V-S」が1位、また4月に発売された同シリーズの「DMR-EH50-S」が3位と松下勢が強い。その間に入っているのがソニー「スゴ録 RDR-HX50」で2位、という状態だ。
また、ここにきてランキングを上げてきたのがシャープの「D・combo DV-RW190」。HDDなしのDVDのみのタイプで、昨年9月の発売ながら実売3万円台前半という安さから人気を集めているようだ。
10位?20位のグループでは、シャープのデジタルハイビジョン対応機「DV-HRD3」や、パイオニアの「DVR-720H-S」がランキングで上昇しトップ20位にランクインしてきた。
ざっと見回してみると、意外にVHS搭載機が目に付く。1位のDIGAを筆頭にトップ20で実に8機種がVHS搭載機。幅広いメディアに対応したモデルが人気のようだ。
●「カンタン」が、売れるモデルの条件
さて、これから続々と発売が予定されている夏モデル。普及期を迎えた現在、「子供からお年寄りまで、誰もが使えるカンタンさ」が求められるようになっている。この点は各社共通に力を入れている部分だ。
従来機よりソニー「スゴ録」はキーワードで関連する番組を選んで自動的に録画してくれる「おまかせ・まる録機能」といった初心者に嬉しい簡便性をウリにしている。一方、松下の「DIGA」は、子供および中年男女のダンサーの「カンタン!」を訴えるCMで「誰もが使えるレコーダー」をアピール。また、パイオニアの「たっぷり録りシリーズ」は、東京大学先端科学技術センターとの共同開発により、「人間中心デザインの使いやすい操作画面」がシリーズの大きな特徴となっている。
ここで特徴的なのが東芝だ。主軸ラインアップのRDシリーズとは別に、簡単操作と簡単予約、そしてシンプルなパネルの初心者をターゲットとした新モデル、「カンタロウ AK-G200」を5月18日に発表、従来のRDシリーズとは完全に別路線で「初心者向けのカンタロウ、中・上級向けのRD」という新機軸を打ち出してきた。
機能面よりも操作面を前面に打ち出す傾向が強くなっているのは、性能向上に伴う操作面の複雑さを感じさせない製品作りが「売れる」レコーダーの一つのポイントになっているからのようだ。
●新モデルで注目はデジタルチューナー&ハイビジョン対応
現在、地上波はアナログ放送からデジタル放送への転換期の最中にあり、テレビ関連機器も当面このパラダイムシフトの潮流の中で揉まれているの現状。そんな中で、HDD・DVDレコーダーにとって重要な要素となってくるのが「地上・BS・110度CSデジタルチューナー搭載の有無とハイビジョン録画の可否」だ。
例えば、ソニーの場合、6月21日発売予定の「スゴ録」新シリーズは、頂点ラインアップの「RDZ-D5」にのみ、地上・BS・110度CSデジタルチューナーが搭載され、それ以外のラインアップは従来通り地上波アナログ&BSアナログチューナーだ。
松下の「DIGA」は、やはりハイエンドラインアップの「DMR-EX300」および「DMR-EX100」に地上・BS・110度CSデジタルチューナーが搭載され、ハイビジョン録画が可能となっている。
また、東芝に関しても「RD-Style」のハイエンド機種「RD-Z1」が同様のチューナーを搭載しハイビジョン録画に対応、シャープなども今年の2月にデジタルハイビジョンに対応した「DV-HRD300」、「DV-HRD30」、「DV-HRD3」を発売、またHDD・ブルーレイレコーダーの「BD-HD100」なども、デジタルハイビジョンに対応している。この他のメーカーに関しても、ハイエンド機種に関しては同様の傾向だ。
現状では、こうしたハイビジョン録画機能は、まだまだハイエンドなラインアップにのみ搭載される機能だが、地上デジタル化へ一層の拍車がかかる今後は標準的な機能となっていくはず。「長らく使える一台」を望むなら、現時点でこうしたハイビジョン対応のハイエンドモデルを選ぶのがいいかもしれない。
●各社夏モデルが出そろう、これからが本番
現状では、夏のボーナス商戦に向け、いち早く魅力的な新製品を投入してきた松下がトップを走っている状態だが、まだあくまでも序盤戦。天王山は各社全てが夏モデルを発売し、店頭に並びはじめるこれから。
夏モデル「スゴ録」で再びソニーが天下を奪い返すか、それとも従来のRDシリーズと新機軸「カンタロウ」による強力なラインアップ体制を敷く東芝が待ったをかけるか、またはそれ以外のメーカーがトップ3の牙城を崩すか、今後ともHDD・DVDレコーダー市場からは目が離せそうにない。(市川昭彦<Aqui-Z>)
*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など18社・2100を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで125品目を対象としています。
<6月第2週(05年6月6日-12日)集計速報>
ここ数ヶ月、HDD・DVDレコーダーのトップ争いは松下DIGA対ソニースゴ録という構図が続いてきた。そして現在もなお熾烈なデッドヒートを繰り広げている。しかし、いずれの機種も台数シェアは1桁台。飛びぬけて売れる機種は少なくなり、大混戦の様相を呈してきた。そこで、ランキングベスト20を見ながらDVDレコーダー市場の現状をお伝えし、発売を直前に控えている夏モデルの特徴などもあわせてご紹介したい。
●新モデル発売を前に、続く混戦状況
最新、6月第2週(05年6月6日-12日)集計の「BCNランキング」では、5月に発売されたばかりの松下「DIGA DMR-EH70V-S」が1位、また4月に発売された同シリーズの「DMR-EH50-S」が3位と松下勢が強い。その間に入っているのがソニー「スゴ録 RDR-HX50」で2位、という状態だ。
また、ここにきてランキングを上げてきたのがシャープの「D・combo DV-RW190」。HDDなしのDVDのみのタイプで、昨年9月の発売ながら実売3万円台前半という安さから人気を集めているようだ。
10位?20位のグループでは、シャープのデジタルハイビジョン対応機「DV-HRD3」や、パイオニアの「DVR-720H-S」がランキングで上昇しトップ20位にランクインしてきた。
ざっと見回してみると、意外にVHS搭載機が目に付く。1位のDIGAを筆頭にトップ20で実に8機種がVHS搭載機。幅広いメディアに対応したモデルが人気のようだ。
●「カンタン」が、売れるモデルの条件
さて、これから続々と発売が予定されている夏モデル。普及期を迎えた現在、「子供からお年寄りまで、誰もが使えるカンタンさ」が求められるようになっている。この点は各社共通に力を入れている部分だ。
従来機よりソニー「スゴ録」はキーワードで関連する番組を選んで自動的に録画してくれる「おまかせ・まる録機能」といった初心者に嬉しい簡便性をウリにしている。一方、松下の「DIGA」は、子供および中年男女のダンサーの「カンタン!」を訴えるCMで「誰もが使えるレコーダー」をアピール。また、パイオニアの「たっぷり録りシリーズ」は、東京大学先端科学技術センターとの共同開発により、「人間中心デザインの使いやすい操作画面」がシリーズの大きな特徴となっている。
ここで特徴的なのが東芝だ。主軸ラインアップのRDシリーズとは別に、簡単操作と簡単予約、そしてシンプルなパネルの初心者をターゲットとした新モデル、「カンタロウ AK-G200」を5月18日に発表、従来のRDシリーズとは完全に別路線で「初心者向けのカンタロウ、中・上級向けのRD」という新機軸を打ち出してきた。
機能面よりも操作面を前面に打ち出す傾向が強くなっているのは、性能向上に伴う操作面の複雑さを感じさせない製品作りが「売れる」レコーダーの一つのポイントになっているからのようだ。
●新モデルで注目はデジタルチューナー&ハイビジョン対応
現在、地上波はアナログ放送からデジタル放送への転換期の最中にあり、テレビ関連機器も当面このパラダイムシフトの潮流の中で揉まれているの現状。そんな中で、HDD・DVDレコーダーにとって重要な要素となってくるのが「地上・BS・110度CSデジタルチューナー搭載の有無とハイビジョン録画の可否」だ。
例えば、ソニーの場合、6月21日発売予定の「スゴ録」新シリーズは、頂点ラインアップの「RDZ-D5」にのみ、地上・BS・110度CSデジタルチューナーが搭載され、それ以外のラインアップは従来通り地上波アナログ&BSアナログチューナーだ。
松下の「DIGA」は、やはりハイエンドラインアップの「DMR-EX300」および「DMR-EX100」に地上・BS・110度CSデジタルチューナーが搭載され、ハイビジョン録画が可能となっている。
また、東芝に関しても「RD-Style」のハイエンド機種「RD-Z1」が同様のチューナーを搭載しハイビジョン録画に対応、シャープなども今年の2月にデジタルハイビジョンに対応した「DV-HRD300」、「DV-HRD30」、「DV-HRD3」を発売、またHDD・ブルーレイレコーダーの「BD-HD100」なども、デジタルハイビジョンに対応している。この他のメーカーに関しても、ハイエンド機種に関しては同様の傾向だ。
現状では、こうしたハイビジョン録画機能は、まだまだハイエンドなラインアップにのみ搭載される機能だが、地上デジタル化へ一層の拍車がかかる今後は標準的な機能となっていくはず。「長らく使える一台」を望むなら、現時点でこうしたハイビジョン対応のハイエンドモデルを選ぶのがいいかもしれない。
●各社夏モデルが出そろう、これからが本番
現状では、夏のボーナス商戦に向け、いち早く魅力的な新製品を投入してきた松下がトップを走っている状態だが、まだあくまでも序盤戦。天王山は各社全てが夏モデルを発売し、店頭に並びはじめるこれから。
夏モデル「スゴ録」で再びソニーが天下を奪い返すか、それとも従来のRDシリーズと新機軸「カンタロウ」による強力なラインアップ体制を敷く東芝が待ったをかけるか、またはそれ以外のメーカーがトップ3の牙城を崩すか、今後ともHDD・DVDレコーダー市場からは目が離せそうにない。(市川昭彦<Aqui-Z>)
*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など18社・2100を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで125品目を対象としています。