日立、人の動きや脈拍を無線でモニターする腕時計型センサネット端末を開発
日立製作所(庄山悦彦社長)は、人の動きや脈拍を無線でモニターする腕時計型センサネット端末(センサノード)を開発した。脈拍センサと加速度センサ、無線通信用のアンテナ、電池のすべてを、縦6cm×横4cm×厚さ1.5cmの腕時計型のケースに実装した、人に装着することができる小型・軽量型のセンサノードで、重さは50グラム。
また、低消費電力性能に優れた無線通信規格IEEE802.15.4を採用するとともに、センサが動作不要な信号待ち受け時には、回路の電源をこまめに切って電力消費を抑える低電力動作技術を開発した。試作した時計型のセンサノードでは、1時間に1回程度の頻度でモニターした場合、1か月間の連続動作が可能。
この腕時計型センサノードを利用することで、装着している人の脈拍や動きなどの情報をネットワークを通じて継続的に計測、その結果を屋内に設置した無線基地局に送信し、ネットワークを介してサーバーに蓄積したり、離れた場所でモニターすることが可能となるため、高齢者向けの住宅における生活見守りサービスや、ヘルスケアサービスでの活用を見込んでいる。
センサネットは、センサ、無線通信機能、電源を備えたセンサノードと呼ばれる小型端末をモノや人、建物などの測定対象に設置し、センサによって測定したデータを無線ネットワークで結ぶ技術。センサネットを利用することで、モノや人の状態や環境情報(照度・温度・湿度)を常に計測できるようになることから、ユビキタス社会をより豊かにする技術として、さまざまな分野での応用が期待されている。今回、その応用の一つとして、(1)人が装着して日常生活での健康状態をモニターすることが可能な脈拍センサ、(2)加速度センサを内蔵した腕時計型のセンサノード──を開発した。
今後、センサノードのさらなる小型化と低消費電力化を進めるとともに、腕時計型センサノードを利用したセンサネットの実用化に向けた実証実験行っていく予定。