今が買得EVFデジカメとは? コンデジと一眼いいとこ取り
デジカメにEVF機というジャンルがある。形も機能も一眼レフとそっくりのデジカメだ。光学ズーム比が7?12倍と高く撮影モードも一眼レフとほぼ同じ。一般に中級クラスのユーザー向け商品とされている。一眼レフと異なるのは、レンズ交換できないこと、ファインダーを覗くと中の液晶に映像が映る、という点。EVFはElectric View Finderの略で、この液晶ファインダー形式がジャンル名の由来になっている。<br />
デジカメにEVF機というジャンルがある。形も機能も一眼レフとそっくりのデジカメだ。光学ズーム比が7?12倍と高く撮影モードも一眼レフとほぼ同じ。一般に中級クラスのユーザー向け商品とされている。一眼レフと異なるのは、レンズ交換できないこと、ファインダーを覗くと中の液晶に映像が映る、という点。EVFはElectric View Finderの略で、この液晶ファインダー形式がジャンル名の由来になっている。
代表的な機種は、コニカミノルタのDiMAGE A200やパナソニックのLUMIX FZ20など。それほどラインアップもなくTVコマーシャルもあまり流れていないため、一般ユーザーにはあまり浸透していないようだ。しかしこのEVF機、いい画を撮るという基本に立ち返って考えると、実は非常にお買い得。多くのユーザーのニーズを満たすことのできる、優れたデジカメなのである(図)。
●君は、表現の自由を手に入れたくはないか
写真は、とにかく押せば写ると思ってる人は多いだろう。今のほとんどのコンパクト・デジタルカメラ(略してコンデジ)なら、ほとんどの場合「押せば写る」。しかもかなりきれいに。ところが、しばらく撮っているうちに、ズームが足りないとか撮影モードが対応できないとか、気になる部分がいくつかでてくるものだ。簡単に撮れる反面、自由度がほとんどないからだ。そんなところが不満に思えてきたら、2台目としてEVFデジカメはぴったりの選択だ。
例えば、自分なりの表現をいろいろ試してみたくなっても大丈夫。少し暗めに撮ったり、わざとピンぼけにしてみたりとか、走る車は鮮明にしつつ背景がを流してみたり、極端に近寄ったり遠ざかったり……。EVFデジカメに搭載されている応用撮影モードを使うと、かなり自由な撮影が可能になる。さらに、完全手動操作のマニュアルモードを使えば表現の幅はもっと広がる。もうコンデジでは満足できない「少し真剣にデジカメを勉強してみたい」といった向きには最適だ。
●「レンズが明るい」という大きなメリット
少しスペックを検討しよう。まずは画素数。はっきり言ってEVF機に大きなアドバンテージはなく、コンデジとあまり変わらない。昨今のコンデジではミドルエンドクラスで500画素、ハイエンドになると800万画素という機種もある。EVFも同様に500?800万画素というのが平均的な画素数。単純な撮影データの分解能ではコンデジと変わらない。
レンズに関しては、EVF機は28mm近辺の広角から、200mm前後の望遠域のズームレンズを搭載している。これだけ使用頻度の高い焦点距離をカバーするズームがあれば、日常的用途なら十分カバーできるだろう。スナップから大自然の風景、そしてスタジアムでのスポーツ撮影など、幅広いシーンで活躍してくれるはずだ。
そして、コンデジと決定的に異なるのがレンズの「明るさ」だ。レンズは口径が大きくなればなるほど明るくなる。コンデジでは、ボディーが小さく、明るいレンズを搭載することは困難だが、大きめのボディーで余裕があるEVF機なら明るいレンズを搭載できる。
レンズが大きく明るくなると、写真のシャープさが高まり暗い場所でもより鮮明に写るという大きなメリットがある。さらに、速いシャッタースピードが使えるため手ぶれも抑えられ、この面でもクリアな映像が撮影できる。最近では手ぶれ補正機能をもったカメラも登場しているが、最初からぶれていないほうがより鮮明な写真を撮ることができるのは言うまでもないだろう。
●いい画を撮るための相応の大きさと形
EVF機の最大のメリット、それは使い勝手の良さだ。いい画を撮るためには構えやすく、ぶれにくく、操作しやすい形状でなければならない。EVF機は一眼レフ同様、こういったことを十分考慮して設計されている。適度な重量があって握りやすく、カメラを構えた時、顔の位置に自然とファインダーがくるデザインは、よい写真を撮るための非常に大きな要素なのだ。
単に小ささや見栄えのかわいらしさを重視してデザインされたコンデジとはまったく別のコンセプトによってデザインされているといってもいいだろう。
また、EVF機は本格的に撮影を楽しむためのオプションも充実している。例えば接写用のクローズアップレンズや焦点距離を伸ばして望遠撮影を楽しむテレコンバータ、またストロボ装着用のアクセサリシューが搭載されているので、クリップオンタイプの大型ストロボが装着できたりなど、コンデジでは味わえない奥の深さを持っている点も見逃せないポイントだ。
いい写真が撮りたいと思うようになったら、もうコンデジは卒業したい。「そこそこ性能の良いカメラが欲しいんだけど、一眼レフまではちょっと……」と言う人にとってはまさにうってつけ。価格的にもコンデジの最上位機種とさほど大きくは変わらず、なかなかにお買い得感は高いEVF機はかなりのオススメだ。
春夏の新モデルデジカメを狙っている人や、どういったカテゴリの機種を選ぶか迷われているような方は、ぜひ、このEVFカテゴリにも目を向けていただきたい。(フリージャーナリスト・市川昭彦<Aqui-Z>)
デジカメにEVF機というジャンルがある。形も機能も一眼レフとそっくりのデジカメだ。光学ズーム比が7?12倍と高く撮影モードも一眼レフとほぼ同じ。一般に中級クラスのユーザー向け商品とされている。一眼レフと異なるのは、レンズ交換できないこと、ファインダーを覗くと中の液晶に映像が映る、という点。EVFはElectric View Finderの略で、この液晶ファインダー形式がジャンル名の由来になっている。
代表的な機種は、コニカミノルタのDiMAGE A200やパナソニックのLUMIX FZ20など。それほどラインアップもなくTVコマーシャルもあまり流れていないため、一般ユーザーにはあまり浸透していないようだ。しかしこのEVF機、いい画を撮るという基本に立ち返って考えると、実は非常にお買い得。多くのユーザーのニーズを満たすことのできる、優れたデジカメなのである(図)。
●君は、表現の自由を手に入れたくはないか
写真は、とにかく押せば写ると思ってる人は多いだろう。今のほとんどのコンパクト・デジタルカメラ(略してコンデジ)なら、ほとんどの場合「押せば写る」。しかもかなりきれいに。ところが、しばらく撮っているうちに、ズームが足りないとか撮影モードが対応できないとか、気になる部分がいくつかでてくるものだ。簡単に撮れる反面、自由度がほとんどないからだ。そんなところが不満に思えてきたら、2台目としてEVFデジカメはぴったりの選択だ。
例えば、自分なりの表現をいろいろ試してみたくなっても大丈夫。少し暗めに撮ったり、わざとピンぼけにしてみたりとか、走る車は鮮明にしつつ背景がを流してみたり、極端に近寄ったり遠ざかったり……。EVFデジカメに搭載されている応用撮影モードを使うと、かなり自由な撮影が可能になる。さらに、完全手動操作のマニュアルモードを使えば表現の幅はもっと広がる。もうコンデジでは満足できない「少し真剣にデジカメを勉強してみたい」といった向きには最適だ。
●「レンズが明るい」という大きなメリット
少しスペックを検討しよう。まずは画素数。はっきり言ってEVF機に大きなアドバンテージはなく、コンデジとあまり変わらない。昨今のコンデジではミドルエンドクラスで500画素、ハイエンドになると800万画素という機種もある。EVFも同様に500?800万画素というのが平均的な画素数。単純な撮影データの分解能ではコンデジと変わらない。
レンズに関しては、EVF機は28mm近辺の広角から、200mm前後の望遠域のズームレンズを搭載している。これだけ使用頻度の高い焦点距離をカバーするズームがあれば、日常的用途なら十分カバーできるだろう。スナップから大自然の風景、そしてスタジアムでのスポーツ撮影など、幅広いシーンで活躍してくれるはずだ。
そして、コンデジと決定的に異なるのがレンズの「明るさ」だ。レンズは口径が大きくなればなるほど明るくなる。コンデジでは、ボディーが小さく、明るいレンズを搭載することは困難だが、大きめのボディーで余裕があるEVF機なら明るいレンズを搭載できる。
レンズが大きく明るくなると、写真のシャープさが高まり暗い場所でもより鮮明に写るという大きなメリットがある。さらに、速いシャッタースピードが使えるため手ぶれも抑えられ、この面でもクリアな映像が撮影できる。最近では手ぶれ補正機能をもったカメラも登場しているが、最初からぶれていないほうがより鮮明な写真を撮ることができるのは言うまでもないだろう。
●いい画を撮るための相応の大きさと形
EVF機の最大のメリット、それは使い勝手の良さだ。いい画を撮るためには構えやすく、ぶれにくく、操作しやすい形状でなければならない。EVF機は一眼レフ同様、こういったことを十分考慮して設計されている。適度な重量があって握りやすく、カメラを構えた時、顔の位置に自然とファインダーがくるデザインは、よい写真を撮るための非常に大きな要素なのだ。
単に小ささや見栄えのかわいらしさを重視してデザインされたコンデジとはまったく別のコンセプトによってデザインされているといってもいいだろう。
また、EVF機は本格的に撮影を楽しむためのオプションも充実している。例えば接写用のクローズアップレンズや焦点距離を伸ばして望遠撮影を楽しむテレコンバータ、またストロボ装着用のアクセサリシューが搭載されているので、クリップオンタイプの大型ストロボが装着できたりなど、コンデジでは味わえない奥の深さを持っている点も見逃せないポイントだ。
いい写真が撮りたいと思うようになったら、もうコンデジは卒業したい。「そこそこ性能の良いカメラが欲しいんだけど、一眼レフまではちょっと……」と言う人にとってはまさにうってつけ。価格的にもコンデジの最上位機種とさほど大きくは変わらず、なかなかにお買い得感は高いEVF機はかなりのオススメだ。
春夏の新モデルデジカメを狙っている人や、どういったカテゴリの機種を選ぶか迷われているような方は、ぜひ、このEVFカテゴリにも目を向けていただきたい。(フリージャーナリスト・市川昭彦<Aqui-Z>)