言わば折りたたみ重戦車PC、ハイパワーノート台頭のなぜ
小さく、薄く、軽く、そしてバッテリ駆動時間を長く――モバイルノートPCはひたすらこの道を歩んできた。しかし、この真逆路線で異彩を放つノートPCがある。15型以上の大型液晶にデスクトップPCと同等のCPUとメモリを積み、軽さだけでなくバッテリ駆動性能までを犠牲にしてひたすらパワーを追求した、ハイパフォーマンスノートだ。持ち運ぶことを前提としないこれらのマシンは、既存のノートPCと一線を画す、言わば“折りたたみ重戦車”。市場で今、徐々に台頭し始めているようだ。
小さく、薄く、軽く、そしてバッテリ駆動時間を長く――モバイルノートPCはひたすらこの道を歩んできた。しかし、この真逆路線で異彩を放つノートPCがある。15型以上の大型液晶にデスクトップPCと同等のCPUとメモリを積み、軽さだけでなくバッテリ駆動性能までを犠牲にしてひたすらパワーを追求した、ハイパフォーマンスノートだ。持ち運ぶことを前提としないこれらのマシンは、既存のノートPCと一線を画す、言わば“折りたたみ重戦車”。市場で今、徐々に台頭し始めているようだ。
■プロフェッショナルにも、初心者にも
マルチメディアユースでベストマッチ
「BCNランキング」3月最終週から、ノートPCの液晶画面サイズ別販売台数シェアをみると、15型以上の大型液晶モデルが73.5%を占めている(図)。では、こうしたハイパフォーマンスノートはいったい誰に向けてリリースされているのだろうか?
まず思いつくのは、デジタル・クリエイターやソフトウェアエンジニアといったプロフェッショナル。動画・音声ファイルのエンコードやデジカメのRAWデータ処理、果てはソフトウェア開発、CG作成などのヘビーユースをこなす“小さな”マシンは彼らにとって十分魅力的なはずだ。
しかし、もっと大きな市場はやはり初心者ユーザー。DVD鑑賞や動画編集、3DゲームといったAVユースもストレスなくこなせるため、PCにエンタテイメント性を強く求める初心者ユーザーにベストマッチだ。また、大きくて見やすい液晶や操作しやすいほぼフルピッチのキーボードなど、適度に大きいこともポイントが高い。ハイスペックで全てをこなすマシンなら"つぶしが利く"点も、初心者ユーザーに向いているといえるだろう。
■大型の液晶が最大の特徴
これらのマシンは3kg後半?5kg台と重く、バッテリ駆動時間に至っては1.5時間以内と内蔵UPSかと思うほどの短さ。しかし、モバイルAthlon 64やPentium M 700番台などの強力なCPUに、3Dゲームが軽々走る高速グラフィックチップを搭載。さらに、DVD鑑賞に最適でWXGA表示可能な15.4型や17型ワイドといった大型の液晶を採用している。こうしたスペックがハイパフォーマンスノートの特徴だ。
各メーカーのラインアップに、このコンセプトに合致するマシンが徐々に目立ち始めている。ここでは代表的なマシンを何台か紹介しよう。
■スタイリッシュさを兼ね備えたハイパフォーマンスノート
【NEC LaVie RX LR500/BD】
この機種のコンセプト自体が「高性能を持ち運ぶ」ということからまさにこの記事の趣旨を地でいくマシン。性能は当たり前だがデザインが秀逸。ビジネスシーンでも映えそうだ
■モバイルAthlon64と強力グラフィックで
動画編集やゲームに強い
【富士通 FMV-BIBLO NB80K】
クセのない落ち着いたデザインながら、モバイルAthlon64とGeForce4 420Goで動画鑑賞・編集、ゲームに強い一台。ハードディスク容量も100GBと多く、ヘビーユースも易々とこなす
■もっともデスクトップに近い構成か?
【東芝 Qosmio G20】
大きく見やすい17型ワイド液晶画面にシリアルATAの100GBハードディスクを2台搭載。TV、DVD、外部入力映像といった映像を美しく表示するための「QosmioEngine」を搭載。完全にデスクトップの代替えとして使える。
■制約から解き放たれ、ノートPCは新しいフェーズへ
劇的なCPU性能の向上と小型化は、ハイスペックマシンをノートのケースに収め、さらにUSB周辺機器の高速化と普及が、デスクトップにひけをとらない拡張性を与えた。こうした背景が、新しいカテゴリーのハイパフォーマンスノートを生んだ理由だ。
オフィスなどでも、自分の机から会議室といった程度の取り回しが可能で、設置場所やスペース等の制約から解放される。マシンパワーに妥協する必要がなく、意外にも多彩な使い方ができる可能性を秘めているのがハイパフォーマンス・ノートの魅力だといえるだろう。(フリージャーナリスト・市川昭彦<Aqui-Z>)
小さく、薄く、軽く、そしてバッテリ駆動時間を長く――モバイルノートPCはひたすらこの道を歩んできた。しかし、この真逆路線で異彩を放つノートPCがある。15型以上の大型液晶にデスクトップPCと同等のCPUとメモリを積み、軽さだけでなくバッテリ駆動性能までを犠牲にしてひたすらパワーを追求した、ハイパフォーマンスノートだ。持ち運ぶことを前提としないこれらのマシンは、既存のノートPCと一線を画す、言わば“折りたたみ重戦車”。市場で今、徐々に台頭し始めているようだ。
■プロフェッショナルにも、初心者にも
マルチメディアユースでベストマッチ
「BCNランキング」3月最終週から、ノートPCの液晶画面サイズ別販売台数シェアをみると、15型以上の大型液晶モデルが73.5%を占めている(図)。では、こうしたハイパフォーマンスノートはいったい誰に向けてリリースされているのだろうか?
まず思いつくのは、デジタル・クリエイターやソフトウェアエンジニアといったプロフェッショナル。動画・音声ファイルのエンコードやデジカメのRAWデータ処理、果てはソフトウェア開発、CG作成などのヘビーユースをこなす“小さな”マシンは彼らにとって十分魅力的なはずだ。
しかし、もっと大きな市場はやはり初心者ユーザー。DVD鑑賞や動画編集、3DゲームといったAVユースもストレスなくこなせるため、PCにエンタテイメント性を強く求める初心者ユーザーにベストマッチだ。また、大きくて見やすい液晶や操作しやすいほぼフルピッチのキーボードなど、適度に大きいこともポイントが高い。ハイスペックで全てをこなすマシンなら"つぶしが利く"点も、初心者ユーザーに向いているといえるだろう。
■大型の液晶が最大の特徴
これらのマシンは3kg後半?5kg台と重く、バッテリ駆動時間に至っては1.5時間以内と内蔵UPSかと思うほどの短さ。しかし、モバイルAthlon 64やPentium M 700番台などの強力なCPUに、3Dゲームが軽々走る高速グラフィックチップを搭載。さらに、DVD鑑賞に最適でWXGA表示可能な15.4型や17型ワイドといった大型の液晶を採用している。こうしたスペックがハイパフォーマンスノートの特徴だ。
各メーカーのラインアップに、このコンセプトに合致するマシンが徐々に目立ち始めている。ここでは代表的なマシンを何台か紹介しよう。
■スタイリッシュさを兼ね備えたハイパフォーマンスノート
【NEC LaVie RX LR500/BD】
この機種のコンセプト自体が「高性能を持ち運ぶ」ということからまさにこの記事の趣旨を地でいくマシン。性能は当たり前だがデザインが秀逸。ビジネスシーンでも映えそうだ
■モバイルAthlon64と強力グラフィックで
動画編集やゲームに強い
【富士通 FMV-BIBLO NB80K】
クセのない落ち着いたデザインながら、モバイルAthlon64とGeForce4 420Goで動画鑑賞・編集、ゲームに強い一台。ハードディスク容量も100GBと多く、ヘビーユースも易々とこなす
■もっともデスクトップに近い構成か?
【東芝 Qosmio G20】
大きく見やすい17型ワイド液晶画面にシリアルATAの100GBハードディスクを2台搭載。TV、DVD、外部入力映像といった映像を美しく表示するための「QosmioEngine」を搭載。完全にデスクトップの代替えとして使える。
■制約から解き放たれ、ノートPCは新しいフェーズへ
劇的なCPU性能の向上と小型化は、ハイスペックマシンをノートのケースに収め、さらにUSB周辺機器の高速化と普及が、デスクトップにひけをとらない拡張性を与えた。こうした背景が、新しいカテゴリーのハイパフォーマンスノートを生んだ理由だ。
オフィスなどでも、自分の机から会議室といった程度の取り回しが可能で、設置場所やスペース等の制約から解放される。マシンパワーに妥協する必要がなく、意外にも多彩な使い方ができる可能性を秘めているのがハイパフォーマンス・ノートの魅力だといえるだろう。(フリージャーナリスト・市川昭彦<Aqui-Z>)