ICレコーダーに強力ライバル登場! 携帯オーディオとの違いはどこに?
3、4月の新入社・新入学の時期には毎年、さまざまなデジタルツールが売り場をにぎわせる。その一つである「デジタルボイスレコーダー(ICレコーダー)」は、以前のカセットレコーダーにとってかわり、いまや、ビジネスシーンに不可欠なツールとして広く普及している。しかし、ここに来てICレコーダーに近い性能を備えた携帯オーディオプレーヤーが躍進、その市場を脅かす強力なライバルとして台頭してきた。
3、4月の新入社・新入学の時期には毎年、さまざまなデジタルツールが売り場をにぎわせる。その一つである「デジタルボイスレコーダー(ICレコーダー)」は、以前のカセットレコーダーにとってかわり、いまや、ビジネスシーンに不可欠なツールとして広く普及している。しかし、ここに来てICレコーダーに近い性能を備えた携帯オーディオプレーヤーが躍進、その市場を脅かす強力なライバルとして台頭してきた。
携帯オーディオプレーヤーは、「iPod shuffle」の大ブレイクをはじめ、いまや販売店においても専用売り場を拡充するほどの人気を誇っている。そして、「iriver」や「Rio」の製品には、ボイスレコーダー機能がついているだけでなくFMチューナーまで搭載。さらに価格も廉価であるなど、レコーダー専用機を凌ぐ魅力を備えている。
「BCNランキング」2月2週の携帯オーディオ販売台数トップ20を見ると、なんと半数以上の11機種がボイスレコーダー機能を備えている(表1)。これでは、今までICレコーダーを選択していたはずのユーザーが、携帯オーディオの商品に流れていってしまう可能性が大だ。
それでは、ICレコーダーの強みはどこにあるのか。その最大の特徴は、「高音質で長時間録音が可能」な点にある(表2)。最新の機種ではエンコード時のビットレートにもよるが、128MBメモリ内蔵の機種でおよそ40?50時間という大容量の録音機能を備えている。とくに、この分野の老舗といえるオリンパスの新製品「ボイストレック DS-20」は、128MBメモリ搭載で最長44時間45分もの長時間録音を実現しただけでなく、ステレオマイク内蔵によるステレオ超高音質録音/再生が可能というハイスペックを実現している。
また、パナソニックは基本性能を完備しながら、小型のスリムタイプであることをウリにしている。フラッグシップモデルである「RR-USO90」は、本体質量42gという小型・軽量サイズながら、世界最長の約33時間20分の長時間ステレオ録音を可能にした。
「ディプリトーク」シリーズを展開しているサンヨーは、品揃えの豊富さで勝負をかけている。256MBの内蔵メモリ+miniSDカード対応の大容量が特徴のハイエンド機「ICR-S300RM」から、首から下げてMP3プレーヤーとしても使える超軽量機「ICR-RB100RM」まで、まさにラインアップは豊富だ。
この他にも、「トリプルマイク」を内蔵し、高音質のステレオ長時間録音を実現したソニーの「ICD-MX50」、150?1万8000Hzという最高水準の録音周波数帯域でリアルな音場感を再現する東芝の「VOICE BAR」シリーズなど、各メーカーとも録音時間や音質にこだわった新商品を発表している。
このように、“声を録音・再生する”という本来の機能では、決して負けてはいないICレコーダーだが、携帯オーディオとの比較では、どうしても本来の機能とは別に、多機能なデジタルツールとしての役割も求められてしまう。メーカーサイドでは、これに対応すべく、新機軸の製品のリリースも始めているようだ。
例えばサンヨーは、5GB HDDを搭載したボイスレコーダー「HDR-B5GM」を3月上旬に発売する。この機種は、マイク/スピーカー/マイク端子内蔵としては世界初のハードディスクタイプのレコーダーで、ステレオなら173時間、モノラルなら最大693時間の超長時間録音が可能。同時にMP3・WMA再生機能も搭載しているため、iPodなみの携帯オーディオとして利用できるし、リムーバブルな大容量ハードディスクとしても活用できる。
このようなニュータイプの商品が登場してくれば、専用機ならではの操作性や音声データの編集、ファイル管理機能など、携帯オーディオに対してアドバンテージを維持できる余地はまだまだある。
いずれにせよ、今後はICレコーダーと携帯オーディオプレーヤー、両者の垣根がどんどん低くなることは間違いないだろう。さらに、海外製の安価なICレコーダーも多数登場しつつあり、売り場もある意味、混沌とした様相になってきている。
ユーザーとしては、レコーダー本来の録音機能を重視するか、PC用USBメモリとして利用できるデータストレージ機能や携帯オーディオとしての使い勝手を求めるか、製品選びに迷うところ。当面は、自分が求める機能などをよく絞り込んだうえで、最適の商品を選ぶように心がけたほうが良いだろう。(フリージャーナリスト・三五康司)
3、4月の新入社・新入学の時期には毎年、さまざまなデジタルツールが売り場をにぎわせる。その一つである「デジタルボイスレコーダー(ICレコーダー)」は、以前のカセットレコーダーにとってかわり、いまや、ビジネスシーンに不可欠なツールとして広く普及している。しかし、ここに来てICレコーダーに近い性能を備えた携帯オーディオプレーヤーが躍進、その市場を脅かす強力なライバルとして台頭してきた。
携帯オーディオプレーヤーは、「iPod shuffle」の大ブレイクをはじめ、いまや販売店においても専用売り場を拡充するほどの人気を誇っている。そして、「iriver」や「Rio」の製品には、ボイスレコーダー機能がついているだけでなくFMチューナーまで搭載。さらに価格も廉価であるなど、レコーダー専用機を凌ぐ魅力を備えている。
「BCNランキング」2月2週の携帯オーディオ販売台数トップ20を見ると、なんと半数以上の11機種がボイスレコーダー機能を備えている(表1)。これでは、今までICレコーダーを選択していたはずのユーザーが、携帯オーディオの商品に流れていってしまう可能性が大だ。
それでは、ICレコーダーの強みはどこにあるのか。その最大の特徴は、「高音質で長時間録音が可能」な点にある(表2)。最新の機種ではエンコード時のビットレートにもよるが、128MBメモリ内蔵の機種でおよそ40?50時間という大容量の録音機能を備えている。とくに、この分野の老舗といえるオリンパスの新製品「ボイストレック DS-20」は、128MBメモリ搭載で最長44時間45分もの長時間録音を実現しただけでなく、ステレオマイク内蔵によるステレオ超高音質録音/再生が可能というハイスペックを実現している。
また、パナソニックは基本性能を完備しながら、小型のスリムタイプであることをウリにしている。フラッグシップモデルである「RR-USO90」は、本体質量42gという小型・軽量サイズながら、世界最長の約33時間20分の長時間ステレオ録音を可能にした。
「ディプリトーク」シリーズを展開しているサンヨーは、品揃えの豊富さで勝負をかけている。256MBの内蔵メモリ+miniSDカード対応の大容量が特徴のハイエンド機「ICR-S300RM」から、首から下げてMP3プレーヤーとしても使える超軽量機「ICR-RB100RM」まで、まさにラインアップは豊富だ。
この他にも、「トリプルマイク」を内蔵し、高音質のステレオ長時間録音を実現したソニーの「ICD-MX50」、150?1万8000Hzという最高水準の録音周波数帯域でリアルな音場感を再現する東芝の「VOICE BAR」シリーズなど、各メーカーとも録音時間や音質にこだわった新商品を発表している。
このように、“声を録音・再生する”という本来の機能では、決して負けてはいないICレコーダーだが、携帯オーディオとの比較では、どうしても本来の機能とは別に、多機能なデジタルツールとしての役割も求められてしまう。メーカーサイドでは、これに対応すべく、新機軸の製品のリリースも始めているようだ。
例えばサンヨーは、5GB HDDを搭載したボイスレコーダー「HDR-B5GM」を3月上旬に発売する。この機種は、マイク/スピーカー/マイク端子内蔵としては世界初のハードディスクタイプのレコーダーで、ステレオなら173時間、モノラルなら最大693時間の超長時間録音が可能。同時にMP3・WMA再生機能も搭載しているため、iPodなみの携帯オーディオとして利用できるし、リムーバブルな大容量ハードディスクとしても活用できる。
このようなニュータイプの商品が登場してくれば、専用機ならではの操作性や音声データの編集、ファイル管理機能など、携帯オーディオに対してアドバンテージを維持できる余地はまだまだある。
いずれにせよ、今後はICレコーダーと携帯オーディオプレーヤー、両者の垣根がどんどん低くなることは間違いないだろう。さらに、海外製の安価なICレコーダーも多数登場しつつあり、売り場もある意味、混沌とした様相になってきている。
ユーザーとしては、レコーダー本来の録音機能を重視するか、PC用USBメモリとして利用できるデータストレージ機能や携帯オーディオとしての使い勝手を求めるか、製品選びに迷うところ。当面は、自分が求める機能などをよく絞り込んだうえで、最適の商品を選ぶように心がけたほうが良いだろう。(フリージャーナリスト・三五康司)